少し前の仕事
気が付けば1月もさっさと終わり、2月も中盤に差し掛かろうとしております。
以前よりパソコンにゆっくりと向かえなくなっている気がするこの頃ですが、今日こそ記事の更新をと頑張っております。
この作業は、去年の11月くらいの仕事でした。
今頃記事にするくらい更新がデタラメなのはお許しください。
今回の依頼の楽器は東京都内在住の方の所有で、セルマーのバランスアクション。
しかも2台です!製造番号は2XXXXで、手元の資料によると1930年代の製造ということで、なんと戦前の楽器となりますΣ(゚Д゚ノ)ノオオォッ!!
同じ持ち主の方が、製作年の近いものを2つ所有しており、1つは全体のオーバーホールと薄くなった管体の当て金、及びサムレストの製作という内容。
もう一つは、オリジナルには付いている(下の写真赤丸部分参照)キイの開き止めのアジャスターが、付け根の部品からごっそり無くなってしまっているのを作ってほしいとの依頼でした。

このアジャスターが無くなっている楽器は、都内の修理屋さんでオーバーホールをされたものだそうですが、ここの部品の製作は調整上問題ないからいいでしょ?との話だったので1度は諦めたそうなのですが、やはり、もともとあったものが無いというのも、何とも寂しい感じだし、せっかくある稀有な調整機構なんだから、生かしたいとのことで、ネットを探ったら当方で何とかなるのでないかとお感じになり、依頼を頂きました。
もちろんやったことのない作業ですが、やったことのない作業はやったらできる作業になる。(・∀・)ウン!!
そういう仕事は大好きなので、お引き受けいたしました。
ということで、アジャスターの部品を取り付ける台座の製作です。

これをネジ切して、寸法を合わせて、無くなっているキイポストに溶接します。
これでまずは台座の完成です。


次はアジャスターの製作です。
こちらはアジャスト部とロック部の二つで出来ているので、そこを寸法通りに作ります。
回しやすくローレットも入れていきます。

そして旋盤で棒にネジ切をして、棒と部品を溶接して仕上げます。

これで組み合わせて、アジャスター完成です。
左がオリジナル、右が当工房製の新アジャスターです。
見た目は少し違いますが、寸法は一緒です。

部品を組んで、バランスの調整もし直して完成です。
完全にもともとの機能を取り戻しました。


しかし便利な機構です。これ以降の楽器でこのシステムが無いのは、何とももったいない感じがします。
セルマーさん、この楽器の復刻しませんか? d(-∀-。)ネッ!
あとは、もう1本の楽器はオーバーホールで、ヘコ修正やハンダバラバラの修正、全部のタンポのメタル化などです。
作業中の写真は撮ってなかったので結果報告です。(;´・ω・`)ゞごめんなさい。

このオーバーホールの際に、サムフック横の親指が当たる部分の穴あき防止にプレートの追加をしました。
これでまた長い年数の使用にも耐えてくれます。

また依頼者の方が、もともとのサムレストは形状が小さくて使いにくいので、大きくした方が使いやすいとの依頼もあったので、
サムレストの位置を調整し、この楽器用に黒檀でサムレストを作りました。
これで現代の楽器のような使いやすさも得られ、また木製レストならではの、やや落ち着いたトーンになりました。

今回の2本、大変貴重な楽器であることと、初めての作業が満載の、とても修理屋冥利に尽きる、思い出深い修理となりました。
また、このような場末の修理屋に都内からわざわざご依頼を頂きましたお客様に、ただただ深くお礼を申し上げる次第です。
ありがとうございますm(_ _)m これからも精進致します。 ィョッシャ━( p`д´)q━!!
当工房はこれからもお客様のご期待に応えられるよう、修練と研究を重ねて参ります。
これからも、できないことはできないけど、できることは全力でやる(なんだそりゃ?)工房を目指して参ります。
皆様からのご依頼、お待ちしております。m(_ _)m
ではまた。(^^)/~~~
以前よりパソコンにゆっくりと向かえなくなっている気がするこの頃ですが、今日こそ記事の更新をと頑張っております。
この作業は、去年の11月くらいの仕事でした。
今頃記事にするくらい更新がデタラメなのはお許しください。
今回の依頼の楽器は東京都内在住の方の所有で、セルマーのバランスアクション。
しかも2台です!製造番号は2XXXXで、手元の資料によると1930年代の製造ということで、なんと戦前の楽器となりますΣ(゚Д゚ノ)ノオオォッ!!
同じ持ち主の方が、製作年の近いものを2つ所有しており、1つは全体のオーバーホールと薄くなった管体の当て金、及びサムレストの製作という内容。
もう一つは、オリジナルには付いている(下の写真赤丸部分参照)キイの開き止めのアジャスターが、付け根の部品からごっそり無くなってしまっているのを作ってほしいとの依頼でした。

このアジャスターが無くなっている楽器は、都内の修理屋さんでオーバーホールをされたものだそうですが、ここの部品の製作は調整上問題ないからいいでしょ?との話だったので1度は諦めたそうなのですが、やはり、もともとあったものが無いというのも、何とも寂しい感じだし、せっかくある稀有な調整機構なんだから、生かしたいとのことで、ネットを探ったら当方で何とかなるのでないかとお感じになり、依頼を頂きました。
もちろんやったことのない作業ですが、やったことのない作業はやったらできる作業になる。(・∀・)ウン!!
そういう仕事は大好きなので、お引き受けいたしました。
ということで、アジャスターの部品を取り付ける台座の製作です。

これをネジ切して、寸法を合わせて、無くなっているキイポストに溶接します。
これでまずは台座の完成です。


次はアジャスターの製作です。
こちらはアジャスト部とロック部の二つで出来ているので、そこを寸法通りに作ります。
回しやすくローレットも入れていきます。

そして旋盤で棒にネジ切をして、棒と部品を溶接して仕上げます。

これで組み合わせて、アジャスター完成です。
左がオリジナル、右が当工房製の新アジャスターです。
見た目は少し違いますが、寸法は一緒です。

部品を組んで、バランスの調整もし直して完成です。
完全にもともとの機能を取り戻しました。


しかし便利な機構です。これ以降の楽器でこのシステムが無いのは、何とももったいない感じがします。
セルマーさん、この楽器の復刻しませんか? d(-∀-。)ネッ!
あとは、もう1本の楽器はオーバーホールで、ヘコ修正やハンダバラバラの修正、全部のタンポのメタル化などです。
作業中の写真は撮ってなかったので結果報告です。(;´・ω・`)ゞごめんなさい。

このオーバーホールの際に、サムフック横の親指が当たる部分の穴あき防止にプレートの追加をしました。
これでまた長い年数の使用にも耐えてくれます。

また依頼者の方が、もともとのサムレストは形状が小さくて使いにくいので、大きくした方が使いやすいとの依頼もあったので、
サムレストの位置を調整し、この楽器用に黒檀でサムレストを作りました。
これで現代の楽器のような使いやすさも得られ、また木製レストならではの、やや落ち着いたトーンになりました。

今回の2本、大変貴重な楽器であることと、初めての作業が満載の、とても修理屋冥利に尽きる、思い出深い修理となりました。
また、このような場末の修理屋に都内からわざわざご依頼を頂きましたお客様に、ただただ深くお礼を申し上げる次第です。
ありがとうございますm(_ _)m これからも精進致します。 ィョッシャ━( p`д´)q━!!
当工房はこれからもお客様のご期待に応えられるよう、修練と研究を重ねて参ります。
これからも、できないことはできないけど、できることは全力でやる(なんだそりゃ?)工房を目指して参ります。
皆様からのご依頼、お待ちしております。m(_ _)m
ではまた。(^^)/~~~
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