テナーサックスオーバーホール ~カドソン編~
久々の更新です。
いつもご覧いただいていらっしゃる方々におかれましては、この更新の遅さにいつもお付き合いを頂き、ありがとうございます。♪感謝☆(人゚∀゚*)☆感謝♪
今回は台湾製ジャパンチューンの先駆けの楽器、カドソンのオーバーホールをお届け致します。
カドソンは10数年前から国内で発売された、ブランドとしては後発のサックスブランドですが、国内のプロミュージシャン、とりわけジャズ、スタジオ系ミュージシャンの方々が、その性能の高さを見抜き、プロの間で先に知名度が上がり、その後一般のプレーヤーに浸透しはじめたという経過をたどって、現在に至っています。
その中でも、カドソンの知名度を上げるきっかけになったモデルが、今回修理依頼を受けたT-902AS・アンティークサテン仕上げのモデルです。独特の風合いを持った管体の仕上げにより、なんとも言われないシブいトーンを奏でる一品です。
今回の修理品は、まだ発売されてから間もないころのもので、現在の仕様と異なる部分もありました。そのため、そうしたところを修正しながら、各部調整を見直してまいります。
まずは分解から。


タンポは経年の使用により、だいぶくたびれておりました。いいタイミングで修理に出して頂きました。
キイシャフトやピボットスクリューなども外して細かなところも全てクリーニングします。
キイコルクとタンポも全て外していきます。
さて、ここからは音孔の修正に入っていきます。
カドソンの902シリーズの特徴に、この音孔の立ち上げ部分のカーリング(フルートでいうところのドローントーンホール)があります。
この頃はまだ音孔の上面加工をしておらず、音孔の歪みが少々残っている状況でした。音孔から光が漏れているのがわかると思います。
まずはこの音孔の歪みを修正・加工して、すべての音孔をフラットにしていきます。

下の写真が修正後の写真です。ピッタリと漏れがないのがお分かり頂けるかと思います。
ちなみに現在のカドソンではこの加工は全てのカドソンサックスに施工されております。

ベルも分解して、主列部分との繋ぎ目をクリーニングします。

ここは後程、繋ぎ目をハンダで接合します。そうすることで、モレなく振動が伝達しやすくなり、ベルが格段に振動しやすくなります。
この後は、管体・キイともに洗剤で洗浄していきます。汚れ・サビ・ホコリなど、きれいさっぱり落とします。
これにより、修理後のさわやかさが格別になります。

上の写真は、音孔の大きさに合わせて、タンポのレゾネーター(反射板)の大きさをセッティングしているところです。
当工房では、タンポと反射板を、音孔の大きさに対して最適なものに合わせて組んでいきます。そうすることで、調整の効率や、サウンドの面で大きな効果をもたらします。
今回の修理では、ドーム型のレゾネーターを採用しましたが、他にもセンターリベットタイプとプラスチックのものを、当方では用意してあります。

タンポを組んで右手主列を調整しました。
ちなみに4つ並んでいるタンポのうち、真ん中2つのタンポは、同じ大きさのタンポです。しかし音孔の大きさが違うため、使う反射板の大きさを変えるのが望ましいのです。先の説明において、反射板を組んで合わせていく必要性は、こうしたことがあるためです。
全ての音孔に対して、最適な大きさの反射板をセレクトしてあります。一見効率が悪そうですが、自分的には高効率なのです(・∀・)
最後に全てタンポとバランスの調整をして、Buzz のネジセットを組んで完了です。
これはサックス用のアフターパーツとして発売されており、各メーカー用に作られております。
それぞれの種類・その効果などについてはメーカーサイトをご覧いただくと、詳しく説明されております。
http://www.nakajimagakki.jp/buzz.html
これで振動のロスが、より軽減され、強力な戦闘能力を得られました。



上の写真でなかなか目立たないですが、キイフェルトはオリジナルの緑色から黒に変更しております。
オーバーホール時はお好みに合わせて、キイフェルトの色を、赤・黒・緑・青の中から選んで頂くことが可能です。
そんなこんなで、オーバーホールは完了致しまして、お客様にもお喜び頂けました。
修理を受け取られたお客様から、感謝のお言葉を頂いたり、また別のお客様をご紹介頂いたりと大変有難い連鎖により、当工房は支えられております。
またこれからも精進致します。
また、他にもご紹介したいアルトサックス修理のオーバーホールがあるのですが、それはまた後々に記事の内容をまとめたら、こちらでお知らせいたします。
また思い出されたら、こちらのブログにアクセスして下さい。
また、ご意見をこちらのコメントに頂くのは大いに結構で有難いのですが、質問について(修理依頼のご希望、価格などについて)は個別に対応したいので、当方にメールtomo09010667095@yahoo.co.jpか、お電話=018-839-4232でお問い合わせくださいますようお願いいたします。
ではまた(´Д`)o尸
いつもご覧いただいていらっしゃる方々におかれましては、この更新の遅さにいつもお付き合いを頂き、ありがとうございます。♪感謝☆(人゚∀゚*)☆感謝♪
今回は台湾製ジャパンチューンの先駆けの楽器、カドソンのオーバーホールをお届け致します。
カドソンは10数年前から国内で発売された、ブランドとしては後発のサックスブランドですが、国内のプロミュージシャン、とりわけジャズ、スタジオ系ミュージシャンの方々が、その性能の高さを見抜き、プロの間で先に知名度が上がり、その後一般のプレーヤーに浸透しはじめたという経過をたどって、現在に至っています。
その中でも、カドソンの知名度を上げるきっかけになったモデルが、今回修理依頼を受けたT-902AS・アンティークサテン仕上げのモデルです。独特の風合いを持った管体の仕上げにより、なんとも言われないシブいトーンを奏でる一品です。
今回の修理品は、まだ発売されてから間もないころのもので、現在の仕様と異なる部分もありました。そのため、そうしたところを修正しながら、各部調整を見直してまいります。
まずは分解から。


タンポは経年の使用により、だいぶくたびれておりました。いいタイミングで修理に出して頂きました。
キイシャフトやピボットスクリューなども外して細かなところも全てクリーニングします。
キイコルクとタンポも全て外していきます。
さて、ここからは音孔の修正に入っていきます。
カドソンの902シリーズの特徴に、この音孔の立ち上げ部分のカーリング(フルートでいうところのドローントーンホール)があります。
この頃はまだ音孔の上面加工をしておらず、音孔の歪みが少々残っている状況でした。音孔から光が漏れているのがわかると思います。
まずはこの音孔の歪みを修正・加工して、すべての音孔をフラットにしていきます。

下の写真が修正後の写真です。ピッタリと漏れがないのがお分かり頂けるかと思います。
ちなみに現在のカドソンではこの加工は全てのカドソンサックスに施工されております。

ベルも分解して、主列部分との繋ぎ目をクリーニングします。

ここは後程、繋ぎ目をハンダで接合します。そうすることで、モレなく振動が伝達しやすくなり、ベルが格段に振動しやすくなります。
この後は、管体・キイともに洗剤で洗浄していきます。汚れ・サビ・ホコリなど、きれいさっぱり落とします。
これにより、修理後のさわやかさが格別になります。

上の写真は、音孔の大きさに合わせて、タンポのレゾネーター(反射板)の大きさをセッティングしているところです。
当工房では、タンポと反射板を、音孔の大きさに対して最適なものに合わせて組んでいきます。そうすることで、調整の効率や、サウンドの面で大きな効果をもたらします。
今回の修理では、ドーム型のレゾネーターを採用しましたが、他にもセンターリベットタイプとプラスチックのものを、当方では用意してあります。

タンポを組んで右手主列を調整しました。
ちなみに4つ並んでいるタンポのうち、真ん中2つのタンポは、同じ大きさのタンポです。しかし音孔の大きさが違うため、使う反射板の大きさを変えるのが望ましいのです。先の説明において、反射板を組んで合わせていく必要性は、こうしたことがあるためです。
全ての音孔に対して、最適な大きさの反射板をセレクトしてあります。一見効率が悪そうですが、自分的には高効率なのです(・∀・)
最後に全てタンポとバランスの調整をして、Buzz のネジセットを組んで完了です。
これはサックス用のアフターパーツとして発売されており、各メーカー用に作られております。
それぞれの種類・その効果などについてはメーカーサイトをご覧いただくと、詳しく説明されております。
http://www.nakajimagakki.jp/buzz.html
これで振動のロスが、より軽減され、強力な戦闘能力を得られました。



上の写真でなかなか目立たないですが、キイフェルトはオリジナルの緑色から黒に変更しております。
オーバーホール時はお好みに合わせて、キイフェルトの色を、赤・黒・緑・青の中から選んで頂くことが可能です。
そんなこんなで、オーバーホールは完了致しまして、お客様にもお喜び頂けました。
修理を受け取られたお客様から、感謝のお言葉を頂いたり、また別のお客様をご紹介頂いたりと大変有難い連鎖により、当工房は支えられております。
またこれからも精進致します。
また、他にもご紹介したいアルトサックス修理のオーバーホールがあるのですが、それはまた後々に記事の内容をまとめたら、こちらでお知らせいたします。
また思い出されたら、こちらのブログにアクセスして下さい。
また、ご意見をこちらのコメントに頂くのは大いに結構で有難いのですが、質問について(修理依頼のご希望、価格などについて)は個別に対応したいので、当方にメールtomo09010667095@yahoo.co.jpか、お電話=018-839-4232でお問い合わせくださいますようお願いいたします。
ではまた(´Д`)o尸
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