ティンパニオーバーホール ~パール編~
お久しぶりです。
やっとブログも更新しています。学校などの団体様は吹奏楽コンクールシーズンとなり、朝早くから夜遅くまで練習に励まれていることと思います。
当方も団体様からお呼びを頂いて、修理のお仕事の依頼が続けて入ってきております。有難いことです。
そんな中で、今回はティンパニの修理をご紹介いたします。当方は管楽器修理の工房ですが、打楽器の修理経験も豊富で、特にアクションの機構が複雑なティンパニの修理は今まで何台も手掛けて参りました。
よくある症状として、
・叩いているとチューニングが上がる(または下がる)
・ペダルが重い
・チューニングがよく狂う
・ペダルを踏むとギチギチ、パリパリなどの音がする
等の症状があります。
楽器の限界などと思われていたり、またはそのように言われてきたことが多いのではないでしょうか?
こうした症状は、きちんと調整すれば大幅に改善します。
特にペダルのアクションとチューニングの乱高下はピタリと直ります。
どんなことをしているか、ここでお知らせしていきたいと思います。

このティンパニは、叩くたびチューニングが狂い、ヘッドも何年も交換をしていないという状態でした。
ペダルは踏むと妙な重さがあってなかなかの状態です。
まずはヘッドを外して、ベース部分の分解です。
ホコリにまみれた部分を修正していきます。

次はペダルです。古いグリスが固くなって悪さをしています。
ここも分解してクリーニングをして、新たなグリスを入れます。

ここがペダルティンパニの心臓部、バランススプリングです。
ところで、ここでペダルティンパニの機構について、少しお話をしておきます。
ペダルのバランスは、ヘッドの張りの強さと、バネの引っ張りの強さが均等になったとき、綱引きをしたようになって静止します。
つまり、ペダルを踏んでチューニングが上がるとヘッドのテンション(張りの強さ)が上がることになるので、
それに準じてバランススプリングも強く引っ張って綱引きをします。
こんなイメージですが伝わりますか?
叩いていてチューニングが変化するということは、綱引きをしているヘッド側とバネ側で、どちらかの引きが負けてしまっている状態なのです。
ティンパニの調整とは、この綱引きの均衡を取らせる作業なのです。
話が長くなりました。次に行きます。

チューニングボルトのハウス部分です。ここもホコリ、グリス切れなどで動きが鈍いです。
上の写真がビフォー、下がアフターです。動きが軽快になりました。


続いて、テンションロッドのホルダーです。ここも分解の上で新しいグリスに入れ替えます。



チューニングインジケーターのハウス内もクリーニングします。
ここのホコリが原因で、針が動きにくくなることもあるのです。

ヘッドを貼る前に大事な工程で、ヘッドが擦れて変化するエッジ部分に、テフロン加工されたすべりのいいテープを貼っていきます。これによってエッジ面が均等になり、ヘッドが動くときのストレス軽減になります。
テープの値段が高いですが、これはヘッド交換においてとても大事な作業です。

ここまでやって、ようやくヘッドを新しいものに交換です。
今回は本革に近い風合いの、ルネッサンスヘッドを採用しました。落ち着いたいいトーンです。

このような修理は、一台につき半日、4台で丸2日の時間を要します。
時間もお金もかかりますが、劇的な効果が現れますので、長年ほったらかしにしてしまったなと感じていらっしゃる団体様には、お勧め致します。
ちなみにこの修理はさすがにお預かりが困難なので、出張にて対応致します。修理にあたっては事前にパーツなどの確認が必要なため、見積もりが必要になる場合があります。
ご依頼のには遠方の方にも対応致しますので、ティンパニの修理でお困りの方は、ご一報ください。
やっとブログも更新しています。学校などの団体様は吹奏楽コンクールシーズンとなり、朝早くから夜遅くまで練習に励まれていることと思います。
当方も団体様からお呼びを頂いて、修理のお仕事の依頼が続けて入ってきております。有難いことです。
そんな中で、今回はティンパニの修理をご紹介いたします。当方は管楽器修理の工房ですが、打楽器の修理経験も豊富で、特にアクションの機構が複雑なティンパニの修理は今まで何台も手掛けて参りました。
よくある症状として、
・叩いているとチューニングが上がる(または下がる)
・ペダルが重い
・チューニングがよく狂う
・ペダルを踏むとギチギチ、パリパリなどの音がする
等の症状があります。
楽器の限界などと思われていたり、またはそのように言われてきたことが多いのではないでしょうか?
こうした症状は、きちんと調整すれば大幅に改善します。
特にペダルのアクションとチューニングの乱高下はピタリと直ります。
どんなことをしているか、ここでお知らせしていきたいと思います。

このティンパニは、叩くたびチューニングが狂い、ヘッドも何年も交換をしていないという状態でした。
ペダルは踏むと妙な重さがあってなかなかの状態です。
まずはヘッドを外して、ベース部分の分解です。
ホコリにまみれた部分を修正していきます。

次はペダルです。古いグリスが固くなって悪さをしています。
ここも分解してクリーニングをして、新たなグリスを入れます。

ここがペダルティンパニの心臓部、バランススプリングです。
ところで、ここでペダルティンパニの機構について、少しお話をしておきます。
ペダルのバランスは、ヘッドの張りの強さと、バネの引っ張りの強さが均等になったとき、綱引きをしたようになって静止します。
つまり、ペダルを踏んでチューニングが上がるとヘッドのテンション(張りの強さ)が上がることになるので、
それに準じてバランススプリングも強く引っ張って綱引きをします。
こんなイメージですが伝わりますか?
叩いていてチューニングが変化するということは、綱引きをしているヘッド側とバネ側で、どちらかの引きが負けてしまっている状態なのです。
ティンパニの調整とは、この綱引きの均衡を取らせる作業なのです。
話が長くなりました。次に行きます。

チューニングボルトのハウス部分です。ここもホコリ、グリス切れなどで動きが鈍いです。
上の写真がビフォー、下がアフターです。動きが軽快になりました。


続いて、テンションロッドのホルダーです。ここも分解の上で新しいグリスに入れ替えます。



チューニングインジケーターのハウス内もクリーニングします。
ここのホコリが原因で、針が動きにくくなることもあるのです。

ヘッドを貼る前に大事な工程で、ヘッドが擦れて変化するエッジ部分に、テフロン加工されたすべりのいいテープを貼っていきます。これによってエッジ面が均等になり、ヘッドが動くときのストレス軽減になります。
テープの値段が高いですが、これはヘッド交換においてとても大事な作業です。

ここまでやって、ようやくヘッドを新しいものに交換です。
今回は本革に近い風合いの、ルネッサンスヘッドを採用しました。落ち着いたいいトーンです。

このような修理は、一台につき半日、4台で丸2日の時間を要します。
時間もお金もかかりますが、劇的な効果が現れますので、長年ほったらかしにしてしまったなと感じていらっしゃる団体様には、お勧め致します。
ちなみにこの修理はさすがにお預かりが困難なので、出張にて対応致します。修理にあたっては事前にパーツなどの確認が必要なため、見積もりが必要になる場合があります。
ご依頼のには遠方の方にも対応致しますので、ティンパニの修理でお困りの方は、ご一報ください。
スポンサーサイト