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アルトクラ フルオーバーホール その4

前回からの続きです。
この楽器はすでに完成しているのですが、記事の更新が追いついておりません。
前回メッキ戻りまでを記事にしましたが、キイを組んでいく前にどんなことをしているか、解説していきます。

まず、キイポストを組む前に、木部の下処理をします。木部の欠けているところを修正し、音孔などに付いた汚れを薬品で落とし、その後全体のオイル処理をします。
NEC_0334 (2)

キイポストを組んでみました。ジョイントコルクも新品に交換します。
NEC_0338.jpg

続いてキイの仮組みをしていきます。メッキ再生をしたあとは、キイをまともに組めなくなることが多いです。
一つ一つのキイを組みながら、動きの修正をしていきます。
バネもこの時に組んでいきますが、バネの長さも太さも一個づつ違うので、これはこれで大変な作業です。
NEC_0339.jpg

次にタンポを組んでいきます。
今回の修理では、純正はスキンタンポを使っているのですが、耐久性を上げるためとタンポの塞がりを向上させるため、白皮タンポを使用します。状況でこのように違ったパーツを選択できるのも、こうしたオーバーホールの修理の良さです。
NEC_0341 (2)

後はタンポ調整とキイコルクの貼り付けをしていって仕上げとなるのですが、アルトクラとバスクラは特にレジスターキイの機構に複雑なバランスの調整が必要となります。
特にバスクラはここのトラブルで音が出にくくなったという修理が多いです。

この修理の調整部分で一番難しい技術が要求される部分です。
NEC_0342 (2)

いよいよ組みあがりました。組んでみると存在感がものすごいです。
NEC_0344 (2)

次回の記事では詳細に仕上がった部分の説明をしていきます。
次回をお楽しみに。では(´Д`)o尸
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klangbrass

Author:klangbrass
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当方は秋田県秋田市で管楽器修理工房をしております。
難しいと思われていたキイの再生などが得意です。
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