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E♭クラリネット 再生修理 その2

さて、前回からの続きです。

いよいよメッキはがしも終わり、キイの再生作業に入ります。下の写真を見ると、「あ!なんてことをするの!」なんて方もいらっしゃると思います。しかしキイの表面が溶けてゲジゲジの状態になっているので、このようにして面を整え直してあげる必要があるのです。もちろん削りっぱなしではなく、最終的に磨きを入れて全体をツルピカに仕上げていきます。
場所によってキイが減り過ぎたところ等は金属を貼って成形し直して、その上で磨きをかけていきます。

NEC_0233.jpg

下の写真は粗磨きが終わった段階です。
リング類は指の形に溶けて減っていたので、金属を貼って成形しております。これで形は再生されました。
ゲジゲジのキイも形状が修復されて、表面はつるんです。
ここからもう3工程くらい踏んでメッキをかけ直します。
以前の記事でも何度も繰り返し申し上げておりますが、メッキはかけただけでは、決して綺麗になりません。メッキの1工程前の磨きが仕上がりの全てを決定します。これは使用する研磨剤や磨きに使う布の材質・硬さ・大きさ、そして研磨機の回転数まで、様々な要素を組み合わせ、仕上がりの方向まで持っていきます。
そしてキイたちはメッキ屋さんへと旅立ちました。
NEC_0234.jpg

約1週間後、キイがメッキ屋さんから帰ってきました。
いつもこの梱包を解いて、メッキの仕上がりを見るのが何とも言えず気持ちのいいものです。各部の仕上がりを見て、キイ一つ一つを確認します。
NEC_0242.jpg

形状が変わってしまっていたリング類も、見事に再生されました。
NEC_0244.jpg
NEC_0247.jpg
少し寄ってみます。このキイのリング部分(他のリングもそうですが)は形の再生をしています。これでリング上面がフラットなので、指のかかりが良くなります。


キイポスト類はピンクゴールドに仕上げています。色合いがとてもきれいで、個人的に好きな仕上げです。
ところで、うちのカミさんはこのキイポストを見ると、とてもカワイイ゚+。゚(・∀・)゚。+゚と思うそうです。自分としてはカッコイイと感じるのですが、皆さんはどのようにお感じでしょうか?
NEC_0246.jpg

キイポストを管体に立ててみました。だんだん楽器らしくなっていきます。ここからバネなどを取り付けていきます。キイによってバネの太さが違うので、注意が必要です。ちなみに当工房ではほとんどのメーカーの修理に対応できるように、0.05㎜刻みの太さでバネを用意しています。
NEC_0248.jpg

さて、メッキをかけた後はキイがまともに組めなくなることがままあります。そのくらい厚くしっかりメッキがかかった証拠なのですが、その一つ一つがしっかり機能するようにキイを合わせていきます。ネジ山の切り直しなどもしていきます。
NEC_0249.jpg

ところで、今回の修理ではタンポをピゾーニ社製のHTパッドを採用しています。フェルトの質が良くて変化に強く、音の立ち上がりも早くなるので、E♭クラには相性がいいのでないかと思い採用しました。
修理の際はご希望により、純正以外の部材もご用意いたします。
NEC_0264.jpg

今回はここまでです。
次回は完成した姿をお見せ致します。ご興味がある方はまた是非ご覧ください。


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プロフィール

klangbrass

Author:klangbrass
管楽器修理工房Klangへようこそ!
当方は秋田県秋田市で管楽器修理工房をしております。
難しいと思われていたキイの再生などが得意です。
金管・木管問わず修理を受け付けていますのでご連絡ください。
打楽器修理(ティンパニ修理等)も致しております。

HPアドレスhttps://www.klangbrass.net
下記のリンクの欄からご覧ください。
工房の場所や情報、また中古楽器情報も掲載しています。

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