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マークⅦ 大復活祭り! アルト/テナーの2本同時進行でお届けします。 その2

先日あげた、前回の記事(こちらが前記事)が、思いのほかプチバズしていて焦った管理人です💦

さて、今回は仕上がりを見て頂く内容となっております。

前回の記事を見て頂ければ、どのように変わったかはよくわかって頂けるかと思いますが、パッと見は新品ぽい感じになりました。
また、マークⅦということもあり、ただのラッカーにするのも面白くないかと感じたものですから、あえてのクリアラッカーではなく、ゴールドラッカーで仕上げさせていただきました。

こんな感じです。👇
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ここで、ゴールゴラッカーについて説明いたします。


ゴールドラッカーとは、何も金色の染料を入れ込んでるわけではなく、クリアの塗料にごく少量赤っぽい染料を混ぜ込んであげることで、下地の真鍮を磨いた黄色い色と重なることで、なんだかゴールドプレート”っぽい”高級感あふれる色に見える効果をもたらしてくれる塗装の通称です。


セルマーは、かつてはクリアラッカーを採用しておりました。ヤマハも62未満(という言い方が適正ではないかもですが)の機種はかつてクリアラッカーですが、最近は見た目の高級感もあってか、どちらのメーカーもゴールドラッカーを採用しております。


ということで、このラッカーで仕上げた姿をご覧ください。
まずはテナーから。

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記事のなかでは書いてませんが、こちらは1番ガード(ベルの次のU字管ね)ごと、管体がヘコんでいたのをガードを外して修正しております。
こういうオーバーホールの場合、どうせ後でラッカーをかけ直すので、結構攻めた修正もできます。
(例えばハンマリング跡が残ったところなども、バフで均してキレイにできる等)

また、いい色の塗料を見つけたので、ネックのSロゴも再生してみました。
いかがですか(o'ω'o)?





続いてアルトです。

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こうして消耗部品を指貝まで全て入れ替えて、ラッカーを再塗装することで、耐久性も生まれ、またこの先長きにわたって活躍する楽器に生まれ変わりました。


今回、学校の部活の備品ということもあって、こうした修理の仕方を顧問の先生と打ち合わせて採用しました。
顧問の先生にも大変ご満足いただけたご様子のメールを頂戴し、安心いたしました。


こうしたラッカーにしてもメッキにしても、表面を再生する作業をおこなった場合、良くも悪くも元の音とは全く違った印象を持った楽器に変わります。

それがいい方に変化するかどうかは、ひとえに奏者の感じ方によるとしか言いようがないのもまた事実です。

もし、こうした再生修理をご希望される場合は、きれいに塗装なりメッキなりをよみがえらせるメリットと引き換えに、それまでの音を変えるという効果も同時に発生します。

ですので、特にヴィンテージの楽器の場合には、そうした点を踏まえた慎重な依頼をされるように心がけて頂く必要があります。
もちろん、心機一転、全く違った楽器を買ったつもりで直してみよう!と思われた場合はその限りではありません。



そんなこんなで、2回にわたってお届けしました、ヴィンテージサックス再生祭りはいかがでしたでしょうか?

ご感想や拍手・いいねなどを頂けると管理人はとても励みになります。

それではオリンピック直前ということで、ガンバレ!ニッポン!!

ご覧いただき、ありがとうございました。

またね(^-^)/~~
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マークⅦ 大復活祭り! アルト/テナーの2本同時進行でお届けします。  

えー、なんやかんやで、約2年ぶり?くらいの更新となりました。

いや、事業はちゃんとやってますよ。
ただ、このブログの更新って、結構気合が必要になるんですよね。
どうすれば伝わるか、結構考えながらするもんですから。


まあ(;´Д`A、言い訳はこのくらいにして、今回ご紹介したいお仕事をご覧いただきたいと思います。

楽器は言わずと知れたセルマーの名機、マークⅦのアルトとテナーの2本です。
こちらの楽器、とある関東の有名私立高校の学校の楽器で、楽器に限界を感じつつも、新しい楽器を買うほどの予算もなく、
さりとて、この名機を満足いく音で使わせるにも、生徒はキレイな楽器でないと使いたがらない。
さて、どうしようかと考えてネットポチポチでこちらにたどり着いたご様子。


多少修理代が高くても、買うより安いでしょう。んで、しっかり修理すれば、コンディションも良くなってまた長く使える。
いろいろお考えの上でご相談を頂き、ご依頼と相成りました。
なんでも買い替えればいいでしょ、という時代はとうに終わり、今ある資産をどう活用するか、そのモデルケースの一つになるかと思いますので、これを見て何かを感じられた方、楽器の活かし方の一つのご参考にして頂けると嬉しいです。

さて、もとの状態はこうでした。指貝なんかもクッタクタです。
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とりあえず分解してラッカー剥離して、この状態。
テナーも同様にしてあります。
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そして、各部ヘコを修正した後、キズ修正に入ります。
まずは軽く均してみると、キズの深いところが明るみになってきます。
まずはこれが少なくなるまで修正です。
どうやって修正してるかというと・・・・
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これです。

炭!

擦り上がりの面もキメ細かく、フラットに削れるので重宝します。
これで荒キズをとって磨きます。
あ、ストラップリングはダメになってるんで外してます。
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これで磨き直すと、こうなります。
いい感じになりましたね(´▽`*)
他の部分も同様に、いろいろやって仕上げていきます。
なんて説明すればいいのかわかりませんが、大変です。
ストラップリングは新品に交換しております。
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ベル回りも綺麗にしていきます。
アルトもテナーも同様です。
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こういう入り組んだところって、磨きの作業で気を遣うところなんですよね。
ちなみに磨きで仕上げまでは、2~3工程くらい踏んで持っていきます。
深夜に余計な作業が入らない状態の時にこうした作業をしてますが、禅の修行をしているような気になってきます。
まあ、禅の修行はやったことはないんですがね。(高田純次風)
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アルト・テナー両方並べました。
パッと見、だいぶきれいになったかと思います。


これをキイにも同様にやっていきます。
これがパーツ点数も多いので、なかなか精神が削られるんですよ(´;ω;`)
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ということで、ここまででラッカー工場に向かう前の下準備を終えて、作業を終えました。

久々のアップなんで、また繰り返し申し上げますが、

ラッカーをかけるだけ、メッキをかけるだけではキレイにはなりません。
下地作りが全てを決めます。


次回はここまでやった楽器が、ラッカー仕上から戻って組み上がるとどうなるのかをお知らせします。
ということで、次回をお楽しみに。

記事のシェア・拡散はご自由に。

ではまた(´・ω・`)/~~
プロフィール

klangbrass

Author:klangbrass
管楽器専門店・修理工房Klangへようこそ!
当方は秋田県秋田市で管楽器修理工房をしております。
難しいと思われていたキイの再生などが得意です。
金管・木管問わず修理を受け付けていますのでご連絡ください。
打楽器修理(ティンパニ修理等)も致しております。

HPアドレスhttps://www.klangbrass.net
下記のリンクの欄からご覧ください。
工房の場所や情報、また中古楽器情報も掲載しています。

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