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E♭クラ オーバーホール ルブラン編

毎度ご覧いただき、ありがとうございます。

今回は、メッキ再生オーバーホールです。
年間数本はこうした修理が入ってきますが、今回は初めて県外からメッキ再生の依頼が入りました。
今回のお客様は、はるばる長野県から、当方のブログを発見して、この修理の依頼をすることを決められたそうです。
数多い修理工房が全国にある中、選んで頂いたことは大変ありがたく思っております。
その期待に応えるべく、良い仕上がりを作っていきたいと思います。

今回、依頼者様から、掲載の許可を頂いたので、作業経過をこのブログのネタとして使用させて頂きました。
重ねて御礼申し上げます。m(_ _)m


今回のE♭クラリネットは、ルブランのLLモデル。状態はかなりメッキ剥がれが進行しております。

20131010_192013.jpg
指のあたるところは、ほとんど剥がれていて、下地からのメッキ浮きもかなり進んでいます。
リングなども指の形に溶けています。


まずはサクサク分解していきます。
20131011_090136.jpg

そして、メッキの剥離をします。この楽器にはニッケルメッキがかかっていましたが、剥離したら下地に銅メッキが厚くかかっていたことが解りました。これは生かして加工を進めていきます。
20131019_144005.jpg

主列リングは指の形に溶けてしまっておりました。
これを平らになるように加工していきます。少しずつ様子を見ながらいい形に仕上げていきます。
20131019_155326.jpg

こちらは作業前の写真がありませんが、キイの山の部分  ∧ ←こんな形の部分も、溶けて形がなくなっていました。ここも加工して、元の形に修正していきます。
20131019_160927.jpg

下の写真が再生修理の真骨頂だと、自分では感じているのですが、下磨きをするとキイカップが溶けてブツブツが発生しているのが見えてきます。ここをブツブツが消えるように様々なことをして、面を整えます。
こうした部分が多いほど、修正は大変になっていきます。可能な限り修正していきます。
20131019_175222.jpg

修正されました↓ 面のブツブツがなくなって綺麗になっています。これを全てのキイに施します。
一個一個程度の差はありますが、同様の状態に仕上げます。
上の写真と比べたら、違いが良く解って頂けるのではないでしょうか?
20131021_143141.jpg

他のキイも仕上げ磨きをします。この段階でも小さなブツブツが見つかったら修正していきます。
キイ部分はシルバー仕上げにする予定です。
20131021_145010.jpg

こちらはキイポスト。部品点数を数えたら50個弱の数になりました。これも一個一個形を成形したりしながら、磨き上げます。
こっちはピンクゴールド仕上げになります。
20131021_172225.jpg


ここまでで、メッキ前の下準備は終わりです。ただ今メッキ屋さんに部材は旅立っております。
次回メッキが戻ってきたら、またレポート致します。

ご依頼者様、完成までもう少しお待ちください(`・ω・´)ゞビシッ!!
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バリトンサックスオーバーホール ~セルマーSA80Ⅱ編~ その2

またまた投稿が遅くなりました。
前回の続きです。

今まで度々このブログでも説明してきましたが、音孔の状態を整えるということはどのようなことかということをここで写真つきで説明致します。

実は音孔の状態というのは、新品の状態ではきれいな平らということはほとんどありません。
下の写真のようにフラットな金属板を当てると、光が漏れているのが解ります。(指で押さえているトコの下ね。)
こうなっていても、タンポの柔らかさが残っているうちは隙間を塞いでくれていますが、数か月もすればタンポが変化していって隙間がどんどん現れます。
特に音孔の歪みが大きい時には、タンポそのものを押したり引っ張ったりして、歪みで生じている隙間を埋めようとするのです。しかし、この方法でタンポを合わせてもタンポ自体にかなりの無理をかけていること、また、もしタンポを合わせても無理に合わせた部分はまた大きく変化していくことはご理解いただけるのではないでしょうか?
20130824_101210.jpg

そこで、この音孔の歪みを修正して、音孔をフラットに加工し、漏れをなくします。金属板で押さえたところから、光の漏れがなくなったのは下の写真で確認できると思います。

この加工を、すべての音孔に対して行います。とても手間のかかる工法ですが、タンポで音孔を塞いだときの精度が飛躍的に向上するのは言うまでもありません。
20130824_101716.jpg

次の写真も少しわかりにくいですが、キイのカップも意外と大きく歪んでいたりします。
こうした歪みも矯正することで、タンポのカップへの収まりの良さが大きく向上します。
このように、あらゆる手段を使い、タンポがごく自然な形で音孔を塞げるように、地味な調整を重ねていきます。

ちなみにこのキイカップ修正も、すべてのキイカップに対して行います。
20130824_143409.jpg

そして、管体のお風呂の時間です。
アルカリ系の洗剤で、音孔周りのヨダレ染みも゚+。(о'∀')bスッキリ!落としていきます。
20130824_141146.jpg

こうしてキイコルクなどを貼ってタンポを収めて、タンポ調整をしていきます。
上記のようなことをしていくことで、とても自然な形でタンポが音孔を塞ぐことができるようになります。
指で押さえたキイに光の漏れが全くないことがわかって頂けるでしょう。
20130901_155241.jpg

ここからは完成後の写真です。

Lowキイのところですが、ここは修理をする前は開きが極端に狭く、音の抜けがさぞかし悪かったろうと推察されます。
修理後は写真のように開きもゆったり取れて、豊かな響きになりました。
20130902_183851.jpg

少し写りが悪いですが、ボコボコの管体も綺麗になりました。ベルを分解するとヘコが直しやすくなります。
20130902_183914.jpg

ズルむけだったケース取手も新品になりました。
こうしたところが直るだけでもずいぶんと気持ちがいいものです。
20130902_183956.jpg

ケースに入れて全体をパシャリ。
はじめと比べたら、ずいぶんと綺麗になりました。音もブリブリ鳴ります。
20130902_183938.jpg

バリトンサックスのように大きな楽器は、修理なども比較的重症になってから依頼が入ることが多いです。
また、キイも曲がりまくったりしていて修理を諦められていることもありますが、結論から言えば、ほとんどの場合直ります。
買い替えとなると大変高額な楽器です。しかし、きちんと修理をすれば新品よりも随分と吹くのが楽になりますので、長らく修理をしていない楽器をお持ちの方は、ぜひオーバーホールをご一考いただきたいと思います。

では。(´Д`)o尸

バリトンサックスオーバーホール ~セルマーSA80Ⅱ編~ その1

ずいぶんと更新をサボってしまいました。

約1ヶ月ほど前にやった修理を今頃載せています。ついつい忙しいということを理由にしてしまいますが、今後もう少し早い更新を心がけていこうと思います。
皆様見捨てずに、またご覧になってください。

えー、そんなことで(どんなこと?)バリトンサックスオーバーホールです。
今回の修理は、今まで何度も他で修理をしてきたけど、なかなか良くならないとのことで、当工房に修理依頼が入りました。

20130817_135221.jpg

全体を見ると、結構管体はボコボコしています。(写真では分かりづらいですが。)
20130817_135414.jpg

Highキイには音孔の歪みも発生していました。音が出にくかったのは、この辺の原因にも起因しています。
どうやら過去には楽器を倒していて、4番管の曲りが発生していたことがあったようです。
20130817_135505.jpg

ネックもポコポコ凹んでいます。一緒に修正します。
20130817_135715.jpg

ケースハンドルもボロくて持つときに手に食い込みます。ここは新品に交換します。
20130817_135144.jpg

まずは、大まかなキイ曲りなどを修正してから、サクサク分解していきます。ベルや4番管も全て分解です。
まずはこの時点でヘコの修正をしていきます。
ちなみに作業中の写真はありません。作業をしているときに自分を写せないんで(σ゚ェ゚)σ
20130821_084847.jpg

このキイは魚眼レンズで撮ったのではありません。キイが歪んでいるのです。
バラしてみて初めて気が付くこともあったりします。
問題は発見した時点で解決していきます。やることが多くなってくると、忘れてしまいかねないので、その都度修正していくことが自分の作業手順では多いかな?と思います。
20130821_104835.jpg

タンポも分解していきます。カップの内面も綺麗にクリーニングします。ここが綺麗に仕上げるためのキモの部分です。
20130823_162012.jpg

あとはキイコルクも全て取り除いて、キイの洗浄に入ります。
キイの洗浄は全タンポ交換の時だけできる作業です。汚れが取れると気持ち(・∀・)イイ!!です。



今日の記事はここまでです。
また近々更新致します。(`・ω・´)ゞビシッ!!

1周年 ゚+。ヤッタァ★(o゚∀`从'∀゚o)★ヤッタァ。+゚

当工房は、皆様に支えられて、めでたく1周年を迎えることができました。
これからも、より一層技術の研鑽に励んでいきたいと思います。

これからもお引き立てくださいますよう、よろしくお願いいたします。

管楽器修理工房Klang 代表 佐藤智幸


※ちなみに記念セールなどはありません。修理屋なんで(・∀・)
プロフィール

klangbrass

Author:klangbrass
管楽器修理工房Klangへようこそ!
当方は秋田県秋田市で管楽器修理工房をしております。
難しいと思われていたキイの再生などが得意です。
金管・木管問わず修理を受け付けていますのでご連絡ください。
打楽器修理(ティンパニ修理等)も致しております。

HPアドレスhttps://www.klangbrass.net
下記のリンクの欄からご覧ください。
工房の場所や情報、また中古楽器情報も掲載しています。

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