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フルート中古再生 その2

しばらく中古再生のフルートをほったらかしていましたが、ようやく取り掛かることができるようになりました。
磨きや部分メッキはもうできているので、まずは全体のコーティングから始めます。

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上2つの写真を良く見ると白いものが塗られているのが確認できると思いますが、これをこの後洗い流すと保護膜が残って、銀の光が一層増すようになります。磨きが込みになるオーバーホールではとても重要な作業です。

その後の作業で傷が入らないように保護テープを貼ります。ここからいよいよキイとタンポの調整になります。
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ところで、この楽器に採用するタンポですが、変化が少なく面が良質な、イタリア製ピゾーニのHTパッドを採用します。
このピゾーニというメーカーは、世界各社の木管楽器のパッドを製造しているメーカーですが、その中でもこのHTというタンポはまだ商品として新しく、採用しているブランドは少ないようです。
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ご覧の通りにとてもきれいな形をしていて角も面もくっきりしています。それだけに調整にまったく誤魔化しが効かず、かなりシビアな調整が要求されます。でも調整ができたときのタッチ感は絶妙で、スラーでの音の転がり方などは絶品です。また、音の立ち上がりも早いので、吹いた時の爽快感もまた格別です。バネのセッティングも少し弱めにして、早いパッセージをしやすくなるように整えていきます。
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このあとのタンポ合わせの作業は地味すぎてネタになりません(笑)
紙を入れて隙間を見て、また紙を入れて、、、、。。。。。
フルートの調整とはそういうものです。このタンポの調整に特殊な作業など何もないのです。(ほかの作業もそうですが。)
当たり前の状態を作る大変さが、ここにはあります。
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次回の記事で完成の姿をお披露目できます。ご興味のある方、見てやってください。
それではまた。
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ベル折れ修正

ここ数日とんでもない雪の降りかたになって、秋田をはなれて約10年間していなかった除雪作業に朝・昼と勤しんでおります。
ご近所さんの話では、秋田市内でここまで降るのは稀だったとのこと。あと数年で初老を迎える、運動不足の我が身にとってはけっこうきつい作業でしたが、この冬は運動不足を解消する絶好の機会ととらえて、どこまでも前向きに考えていこうと思っています。
ところで、当工房にチューバのベルフチ折れ修理が入ってまいりました。たまには金管楽器の修理も入ってきます。
このような感じになってしまっていて、楽器を立てていてもグラつく状態となっているため、そのままにしておくと倒れて二次的な被害も発生するおそれがあるため、早めの修理をお勧めします。
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このような修理をする場合はチューバを担ぎ上げて、ベル部分にローラーをかけたり、芯金にあてがってハンマーを当てたりするのですが、特にハンマーを当てる作業が大変で、ヘコを修正する一点だけをミリ単位でベルを担いだままキープしなければいけないという状態にになります。繊細さにプラスして体力も必要とされる作業で、普段の修理とはまた違った技術が要求されます。

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これで修理が完了しました。ベルの折れが解消してしっかりと楽器が立つようになり安心・安全となりました。
またベルのフチ折れが直ると、音の響きにも大きく影響し、ベルが響きやすくなります。

当工房では、チューバはベルがカーブするくらいのところまでは修正できる設備がございます。
ベル部分が大きく凹んだ際には当工房で対処できるかと思いますので、ぜひご相談ください。

ブラブラでグラグラ

このホルンですが、ある学校からお預かりしました。
学校で使用していたホルンで良くあることですが、ハンダが外れてそのままの状態で数年を経過し、全体的にハンダ剥がれが甚だしくなっておりました。
特にホルンという楽器は管同士のつながりが複雑でハンダ付けの箇所も多い楽器です。そのため一か所ハンダが剥がれると隣接する管がまた連鎖してどんどんハンダ剥がれが進行していきます。結果10か所以上も剥がれてブラブラの状態になり切羽詰まって入院ということになりがちです。
ところで、このハンダ修理というものは剥がれたところに油や汚れがあると新たなハンダが乗らず、その場でどうにか修理しようとしてもなかなか対処しきれないことが多くあります。そのため剥がれた部分の丁寧な下処理が、ハンダ修理の大きなキモになります。

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上の写真ですが、あらかじめお断りしておきますが壊しているのではなく、直している途中です(^^)
ハンダがたくさん外れている場合は、下処理をしっかりするためにも、手の届きにくい部分は敢えてハンダを外して処置をした方がいい場合があります。今回の修理もそういうわけでベルと本体部分に分割して各部の処置をおこないました。
こうすることで今後のハンダ剥がれのリスクは大きく軽減します。


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途中経過は写真がないのですが、ハンダが剥がれていたところはきれいに付いて修正されました。
また、ハンダ剥がれが直ると全体の響きが増します。剥がれていた時とはかなりハッキリと違いが出るので、早めの修理をお勧めします。
少ないハンダ剥がれならあまりお待たせせずに修理ができますので、早めにお持ちください。

意外と重症(汗) その2 完成

前回からの記事の続きです。
こうした曲りやヘコが発生した楽器の場合、曲がる前のキイの位置や、音孔の状態など、複合的に変化した状態を元の形を想像しながら、その形状に復元させていきます。ここで判断を誤ると一巻の終わりとなるので、慎重に曲りを修正していきます。
それと同時にポスト下のヘコも修正していきます。ヘコの状態を確認する上でポストを外す必要があるので、こちらも溶接を外してヘコの修正をしていきます。
少しづつ形状が復元されていってるのが下の写真で確認できます。

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先ほどの作業をしながらキイの曲りとポストの位置関係を、管体の曲りを修正しながら探っていきます。ピッタリの位置に管体の反りが修正されると、キイがストンと動くようになり、同時にポストとの位置関係が修正されます。
このあたりの修理をする際には、自分の頭の中で3Dのようにサックスがクルクル回転して、反りを修正する方向を見つけていっている感じがします。
言葉でうまく言えませんが、ポストの正確な位置を見つけ出すのが一番大変な作業のように感じています。

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そしていよいよキイの動きがストレスフリーになったら、キイとポストの関係は修正できました。これで音孔も完全に直ったように一見すると見えますが、いったん変化した音孔は微妙なストレスが残留したままとなっています。
下の写真でストレスが残っていた音孔を完全なフラットに修正し、外していたポストも取り付けました。
ちなみに音孔は新品の状態でもしっかりフラットな状態の楽器というのはほとんどないので、この段階では修理をしたおかげで、音孔の状態は新品よりクオリティの高い状態になっています。

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こうしてやっと正常な位置に管の曲り、キイのポスト位置、音孔の状態が回復(改善)されました。キイを外した状態だと管体の曲りが、キレイに真っ直ぐになったのが確認しやすいと思います。

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ここで初めて必要なタンポの交換をして、各部のバランスをとりなおして完成です。ネックコルクも新たに交換してリフレッシュされました。
前の記事の頭の写真と比べて頂くと、修理前と修理後の管の曲がり具合の違いがはっきりと解ります。

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サックスの管体は、落下や倒れなどで様々な症状が複合的に発生いたします。楽器を落としたりして、もう直らないと断られた方もいらっしゃるかもしれません。
でもご覧のように管の曲りや音孔のつぶれも修理は可能です。修理をあきらめずにこのような症状になってしまったときは当工房にご相談ください。
最大限の努力で症状の改善に努めさせていただきます。

意外と重症(汗)

当工房には様々な状態の修理が入ってきます。
今回の修理はパッと見には良さそうに見えますが、スタンドに立てたまま倒してしまい音が出なくなったとのことでした。写真を良く見て頂くと解りますが、管体が大きく湾曲してしまっています
なんだか弓のようです。キイもところどころ動かなくなっています。
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キイを外して様子を見ると、管体の反りが発生しているところを中心に音孔が大きく歪んでいます。
この音孔が直らないことにはタンポの調整ができません。
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横から見ると結構ハデに歪みが発生しているのがわかります。
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テーブルキイのポスト下にもヘコが発生していて、こうしたものも音孔の歪みの原因の一端になっています。
この後の修正をどうしていくか、また次の記事でお知らせいたします。
プロフィール

klangbrass

Author:klangbrass
管楽器修理工房Klangへようこそ!
当方は秋田県秋田市で管楽器修理工房をしております。
難しいと思われていたキイの再生などが得意です。
金管・木管問わず修理を受け付けていますのでご連絡ください。
打楽器修理(ティンパニ修理等)も致しております。

HPアドレスhttps://www.klangbrass.net
下記のリンクの欄からご覧ください。
工房の場所や情報、また中古楽器情報も掲載しています。

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