クラリネットオーバーホール ~魅惑のピンクゴールド編~ その2
さてさて、早くも前回の続きです。
今回は写真が多いので、解説は少なめです?(・ω・)
前回の写真から、かなりいろいろなことをして、キイを加工していくのですが、下の写真はキイの加工を終えてメッキに旅立つ前の写真です。
このブログの中でも何度となく言っていることですが、金属のメッキというものは、下地の状態が良くなければ、綺麗な状態には成りえません。つまり、メッキをかけただけで、無条件に金属の表面はツルンと綺麗な状態には、決してならないということです。
そのために膨大な時間と手間をかけて、溶けたり減ったりした金属を加工・修正・時には溶接などもして、あるべき形状と面を作っていきます。
それなので、磨きが完了した時点で、写真を見ると「メッキかかっているんじゃないか?」と思われるくらいの仕上がりになっているはずです。
実は、メッキは下地の状態をモロに浮き立たせてしまいます。
この時点で一番難しいのは、磨きが終わった面を見て、メッキ後の仕上がりと自分の考えていた仕上がりが一致するかどうかというところなように感じます。

一番苦労した右手三連リングセクションです。
ここはリングも溶けていて、なおかつキイの山の形状も金属が溶けて失われていたところです。
形状を復活させて、ツルピカに磨き上げました。




キイのカップなどは、下地からのメッキ浮きが発生していると、ブツブツの面になってしまいます。磨きによって面のタレが発生しないように、仕上げていきます。
そのほか、レバーの指の接触面、長いキイの側面なども、ツルピカに仕上げていきます。
そして、メッキが工場から帰ってきました。ピンクゴールドという金に銅の成分が混じった仕様(実際はもっといろいろあるようですが)の仕上げです。
今回は金メッキとしては極厚の8μ(下地メッキを含んだら10μ以上!)の仕上げとなっています。
これだけかかったら、キイというものも楽器の振動体の一部(というより大部分)なので、それはそれはサウンドに大きく変化をもたらします。






いよいよ組み上げです。ここまでで正常な状態であれば、組んだりタンポの調整をしたりということには、さほど苦労はしません。
実は、楽器を分解する時点で、およそ調整の必要な部分は調整をしてバラしているのです。
なんだか意味の伝わりにくい文章だなと、自分で書いてて感じたりします(。-`ω´-)

オーダーがあったレザーパッドを取り付けていきます。

キイを組む時は一個一個のキイをこのように拭き上げながら組み立てます。指紋を残すと後々の変色の原因になるので、こうしたところも、気を付けながら組んでいきます。

こうしたキイのメッキは一部分だけでも施工することができます。全体には綺麗だけど、一部分だけメッキが弱ってきたところを修正したいといった要望にもお答えしますので、お気軽にご連絡ください。
次回の記事で、組んだ全体像をお見せすることができるかと思います。
では、クラリネットピンクゴールド完成編、ご期待ください。
それでは(^^)/~~~
今回は写真が多いので、解説は少なめです?(・ω・)
前回の写真から、かなりいろいろなことをして、キイを加工していくのですが、下の写真はキイの加工を終えてメッキに旅立つ前の写真です。
このブログの中でも何度となく言っていることですが、金属のメッキというものは、下地の状態が良くなければ、綺麗な状態には成りえません。つまり、メッキをかけただけで、無条件に金属の表面はツルンと綺麗な状態には、決してならないということです。
そのために膨大な時間と手間をかけて、溶けたり減ったりした金属を加工・修正・時には溶接などもして、あるべき形状と面を作っていきます。
それなので、磨きが完了した時点で、写真を見ると「メッキかかっているんじゃないか?」と思われるくらいの仕上がりになっているはずです。
実は、メッキは下地の状態をモロに浮き立たせてしまいます。
この時点で一番難しいのは、磨きが終わった面を見て、メッキ後の仕上がりと自分の考えていた仕上がりが一致するかどうかというところなように感じます。

一番苦労した右手三連リングセクションです。
ここはリングも溶けていて、なおかつキイの山の形状も金属が溶けて失われていたところです。
形状を復活させて、ツルピカに磨き上げました。




キイのカップなどは、下地からのメッキ浮きが発生していると、ブツブツの面になってしまいます。磨きによって面のタレが発生しないように、仕上げていきます。
そのほか、レバーの指の接触面、長いキイの側面なども、ツルピカに仕上げていきます。
そして、メッキが工場から帰ってきました。ピンクゴールドという金に銅の成分が混じった仕様(実際はもっといろいろあるようですが)の仕上げです。
今回は金メッキとしては極厚の8μ(下地メッキを含んだら10μ以上!)の仕上げとなっています。
これだけかかったら、キイというものも楽器の振動体の一部(というより大部分)なので、それはそれはサウンドに大きく変化をもたらします。






いよいよ組み上げです。ここまでで正常な状態であれば、組んだりタンポの調整をしたりということには、さほど苦労はしません。
実は、楽器を分解する時点で、およそ調整の必要な部分は調整をしてバラしているのです。
なんだか意味の伝わりにくい文章だなと、自分で書いてて感じたりします(。-`ω´-)

オーダーがあったレザーパッドを取り付けていきます。

キイを組む時は一個一個のキイをこのように拭き上げながら組み立てます。指紋を残すと後々の変色の原因になるので、こうしたところも、気を付けながら組んでいきます。

こうしたキイのメッキは一部分だけでも施工することができます。全体には綺麗だけど、一部分だけメッキが弱ってきたところを修正したいといった要望にもお答えしますので、お気軽にご連絡ください。
次回の記事で、組んだ全体像をお見せすることができるかと思います。
では、クラリネットピンクゴールド完成編、ご期待ください。
それでは(^^)/~~~