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管工房だけど・・・ タンバリンヘッド交換やってマ――(о'∀')b――ス

雪がちらつくこの時期ですが、夏にやったタンバリン修理の、記事にしてない写真に命を与えるべく、いまこうして記事を作っております。

今年はそこそこ張り替え作業がありましたが、そういえば記事にしてないねと。
そんなんで、張替えもやってますというアピールの意味も込めて、今更ですが書きます。

よくある学校備品の高級タンバリン。

¥30000~¥50000くらいする立派なものをお持ちのところも多いのですが、いかんせん皮がベロベロのたるんたるんになっていて、ボテボテ言わせながら使っているところが多いです。
皮つきタンバリンはジングルだけで鳴っているわけではないんだから、伸びてしまったら定期的に張り替えましょう。




ということで、まずは鋲を外して皮を引っぺがします。
この時点で接着が弱いところはもう剥がれていたりします。
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ヘラを入れてペリペリっとね。
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'`ィ (゚д゚)/剥がれました。
ボンドの残りが無いように、しっかりと取っちゃいます。
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んで、新しい皮を用意します。
今回はグローバーのタンバリンなんで、ゴートスキン(山羊革)を使います。
タンバリンの種類や求める音色によってゴート(🐐)やカーフ(🐄)を使い分けます。
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接着剤をまんべんなく塗って、皮を引っ張りつつ均等に張っていきます。
この作業が一番難しいかもしれません。
ハミ出た接着剤も取り除いていきます。
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一昼夜おいて接着剤が完全に固まったら、余った皮をカットします。
なるべく1回でカットするように集中してやります。
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仕上げに鋲を打ち直します。
別に鋲が無くても、張りがしっかりしていて、接着が完全であれば大丈夫です。
ちなみにブラックスワンプなんかは鋲が無くて、皮の端の剥がれ防止のテープが巻かれています。
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はい、出来上がり。
ものすごく軽やかにキレよく鳴ります。
やっぱりタンバリンはこうでなくちゃ!
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そんなんで今回はタンバリンヘッド交換をお届けしました。
ちなみに冬は交換依頼が少ないですが、冬に張り替えると皮の乾燥がイイ感じになるので、より一層たたいた時に、皮がパンパンいうようになります。
まあ、これも求める音のイメージによるところはあるでしょうが、理想は張って使って少し皮が馴染んだところで本番を迎えるというのが、使いやすくていいかもしれないですねo(`・д・´)o


皮交換は、皮の在庫さえあれば、3日ほどで出来てしまいます。
宅配修理も受け付けますんで、ご希望の方は直メッセージ、またはメールにて連絡下さい。

ではまた(@^^)/~~~
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怒涛のティンパニ4台 フルオーバーホール ここまでさせて頂きましたヘ(゚∀゚ヘ)アヒャ

さてさて、当工房は管楽器ばかりではなく、打楽器の修理もよくやっております。

学校関係などでは古いティンパニがペダルを踏むたびに、ギチギチ・パリパリなんて音を立てながら、
叩いているうちに、またはペダルを踏んだだけで戻ってきてしまい、チューニングが安定せず困ってしまう。
なんてことになっているところは多いかと存じます。

こんな感じ☞https://youtu.be/So5HFvuZoTM

今回の修理では、大幅に予算をつけて頂いて、4台のティンパニを復帰させるというミッションを頂きました。
なかなか打楽器に予算をつけてくれる団体さんは少ないのが現状多い中、大変有難いことです。
(実際打楽器は叩くと音が出てしまうので、大幅に後回しにされてしまいやすいです。)

フルオーバーホールの場合、外した部品を薬品洗浄したり、消耗部品の調達などがスムーズにできるように、
工房に4台持ち込みしました。
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工房内にティンパニ4台が入ると圧巻です。 Σ(゚Д゚ノ)ノオオォッ

一番古いティンパニで、30年近く前の物もあります。
まずは気合を入れて分解です。
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脚フレームの内側にテンションロッドという、ヘッドを引っ張ってペダルのアクション部分にまでコネクトする長い棒とその他部品があるのですが、ここが汚れとホコリと古いグリスでガチガチになっております。
これも全て分解です。
かなりのホコリ量です。
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ペダルのクッションです。
フェルトが大好きな虫が、食い荒らしています。
のちに交換してリフレッシュします。
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テンションロッドをかませる部品ですが、数十年分の劣化グリスが、こびりついており、
秋田弁で言うところの『メカメカじい』状態になっております。
後程薬品洗浄です。
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さて、外した部品を、洗浄です。
強力油分解洗剤でコスコスして汚れを落としていきます。
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こっちもコスコス・・・
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んで、アフターがこれ↓
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ベースの裏や、脚フレームの裏も、全て綺麗に掃除します。
修理とは、約8割これ掃除なのです。(ホント)
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もちろんチューニングインジケーターの中も、分解して洗浄します。
ここも、ホコリなんかが悪さして、動きの不良を引き起こしていることが多いのです。
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さっきのメカメカじい部品も、サッパリしてきました。
もう一回仕上げ洗浄すると完璧です。
2回に分けて洗浄します。
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では、クリーニングも終わったので、組み直しをしていきます。
テンションロッドが、気持ちよくなりましたね~。
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組み入れました。
可動軸部分にクッションのフェルトが入っているのですが、これも今回全てリフレッシュです。
新しいフェルトを入れて静粛且つスムーズになりました。
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さて、あのメカメカじい(これで秋田弁一つ覚えましたね(d゚ω゚d)オゥイェー♪)部品も綺麗になって、テンションロッドと接続します。
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新鮮なグリスをインストーーーール!!
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長いことバネには負担がかかりすぎていたので、これも新品に交換です。
この部品、まだヤマハで供給されておりますが、いつまで残っているものやら、、、
これを交換すれば、またこの先20年くらい使えそうです。
良い時に修理が出来ました。
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後は元通り組み直し、各部の調整や音域の修正を行います。
最高音の出方は、調整しだいで上下2音くらいはできるのですが、
正常な音域にセットするのが一番ヘッドとペダルのバランスが取れるので、ピッタリに調整します。

こうなりました☞https://youtu.be/3pm_Rtqtra8

今回の交換したヘッドは信頼の国産ブランド、ASPR(アサプラ)のSTヘッド、鉄芯入りを採用いたしました。アサプラHPはこちら
このヘッドブランド独自のヘッドのロック機構と、それを抑える部材に鉄心を採用したことにより、
抜群のチューニングの安定性と、芯の強い、立ち上がりの良い音色を実現しました。
今年になって何枚もヘッド交換をしましたが、とても安定性の高いヘッドです。
また、営業担当の方も、ヘッドについて並々ならぬ知識をお持ちで、こちらの質問にも的確に答えていただけます。
こちらとしても、とても信用がおけますね(´▽`*)
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このアサプラヘッドは、2016年9月現在、秋田では当工房のみ販売特約をしております。
今回のようなティンパニヘッドの他に、ドラムヘッド、スネアヘッド、コンサートBDヘッドなども幅広く製造しているので、
ご興味のある方は、当工房までお問い合わせください。カタログもございます。


さて、この記事に載っている内容を、あともう3台やりました。疲れました(*´-д-)フゥ-3
そして2t車に一人で積み込み、納品してきましたです。ハイ。

でも終わった後のペダルのスイスイ感と、ピシッと止まってチューニングが安定した感覚は、この修理でなければ得られない感触なので、買い替えを検討されている団体様は、今一度修理という選択肢も入れてみてはいかがでしょうか?
1台購入するくらいの金額で、4台がビシッとした状態に生まれ変わります。

このティンパニたちも、この先もずっと活躍してくれることでしょう。
この修理の機会を頂いた団体様に感謝です。


余談ですが、このような修理をしてほしいという団体様は、こちらから出張修理なども致します。
近県ならば、出張も可能なので、お困りの場合はお声掛け下さい。
(遠方の場合は宿泊なども発生しますが、なんとかなります)
もちろん、引っ越し便などで送って頂いての修理も可能です。
是非生まれ変わったティンパニのアクションと音を体感してください。

今回は長い記事で失礼しました。
自分も書いてて疲れました。寝ます。

ではまた(^^)/~~~

マレット修理やってます。

久しぶりの更新です。

秋田は吹奏楽コンクールの県大会も終わって、学校や団体の修理はいよいよじっくり取り掛かるものが増えてきました。

8月は大急ぎでその場でどうにかできる修理や、または本番を迎えるにあたって気休め(?)になるような修理が多く、当方も団体様をハシゴしておりました。
コンクールが終わられた団体様などは、これから演奏会や楽器の引継ぎなどで、本格的に楽器を使えるようにして行こうと考えられているところが多く見受けられます。

そんなことで、そこそこ大がかりな修理が数多く、今は当工房の棚の中で、列をなして復活の時を待っています。


ところで、当方では消耗品と思われていた、マレットの頭の糸やフェルトの巻き直しを請け負っております。
今回下の写真のようなボロボロの状態のキーボードとティンパニのマレットが修理依頼でやってきました。
皆さんのところにもこんな状態のマレットが多数あるのではないでしょうか?

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これが巻き直すと新品同様です。(そりゃそーだ。新品の糸を巻くわけだから(´ー`)フッ)

下の写真をご覧ください。上の写真のアフターです。
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巻き直しの金額は、おおよそですが新品の2/3くらい、
高級品(アーティストモデル等)のマレットはシャフトと芯の違いで、新品は値段が高いのですが、上記のティンパニマレットならば新品の価格の約1/3近く(!)の値段で巻き直せるので、修理をすればハンパなく経済的です。

お預かり後約2週間でのお戻しとなります。この機会に楽器棚を見直して、経済的にマレットのバリエーションを増やしてみてはいかがでしょうか。

また、今回の修理ではご紹介しておりませんが、バスドラムやゴングのマレットなども修理をお受けしておりますので、お気軽にお問合せ下さい。

ティンパニオーバーホール ~パール編~

お久しぶりです。
やっとブログも更新しています。学校などの団体様は吹奏楽コンクールシーズンとなり、朝早くから夜遅くまで練習に励まれていることと思います。
当方も団体様からお呼びを頂いて、修理のお仕事の依頼が続けて入ってきております。有難いことです。

そんな中で、今回はティンパニの修理をご紹介いたします。当方は管楽器修理の工房ですが、打楽器の修理経験も豊富で、特にアクションの機構が複雑なティンパニの修理は今まで何台も手掛けて参りました。

よくある症状として、
・叩いているとチューニングが上がる(または下がる)
・ペダルが重い
・チューニングがよく狂う
・ペダルを踏むとギチギチ、パリパリなどの音がする

等の症状があります。
楽器の限界などと思われていたり、またはそのように言われてきたことが多いのではないでしょうか?

こうした症状は、きちんと調整すれば大幅に改善します。
特にペダルのアクションとチューニングの乱高下はピタリと直ります。
どんなことをしているか、ここでお知らせしていきたいと思います。

このティンパニは、叩くたびチューニングが狂い、ヘッドも何年も交換をしていないという状態でした。
ペダルは踏むと妙な重さがあってなかなかの状態です。



まずはヘッドを外して、ベース部分の分解です。
ホコリにまみれた部分を修正していきます。
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次はペダルです。古いグリスが固くなって悪さをしています。
ここも分解してクリーニングをして、新たなグリスを入れます。
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ここがペダルティンパニの心臓部、バランススプリングです。
ところで、ここでペダルティンパニの機構について、少しお話をしておきます。
ペダルのバランスは、ヘッドの張りの強さと、バネの引っ張りの強さが均等になったとき、綱引きをしたようになって静止します。
つまり、ペダルを踏んでチューニングが上がるとヘッドのテンション(張りの強さ)が上がることになるので、
それに準じてバランススプリングも強く引っ張って綱引きをします。

こんなイメージですが伝わりますか?

叩いていてチューニングが変化するということは、綱引きをしているヘッド側とバネ側で、どちらかの引きが負けてしまっている状態なのです。
ティンパニの調整とは、この綱引きの均衡を取らせる作業なのです。

話が長くなりました。次に行きます。
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チューニングボルトのハウス部分です。ここもホコリ、グリス切れなどで動きが鈍いです。
上の写真がビフォー、下がアフターです。動きが軽快になりました。
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続いて、テンションロッドのホルダーです。ここも分解の上で新しいグリスに入れ替えます。
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チューニングインジケーターのハウス内もクリーニングします。
ここのホコリが原因で、針が動きにくくなることもあるのです。
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ヘッドを貼る前に大事な工程で、ヘッドが擦れて変化するエッジ部分に、テフロン加工されたすべりのいいテープを貼っていきます。これによってエッジ面が均等になり、ヘッドが動くときのストレス軽減になります。
テープの値段が高いですが、これはヘッド交換においてとても大事な作業です。
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ここまでやって、ようやくヘッドを新しいものに交換です。
今回は本革に近い風合いの、ルネッサンスヘッドを採用しました。落ち着いたいいトーンです。
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このような修理は、一台につき半日、4台で丸2日の時間を要します。
時間もお金もかかりますが、劇的な効果が現れますので、長年ほったらかしにしてしまったなと感じていらっしゃる団体様には、お勧め致します。

ちなみにこの修理はさすがにお預かりが困難なので、出張にて対応致します。修理にあたっては事前にパーツなどの確認が必要なため、見積もりが必要になる場合があります。

ご依頼のには遠方の方にも対応致しますので、ティンパニの修理でお困りの方は、ご一報ください。

よくある症状

とある団体様でティンパニの調整を依頼されました。
症状としてはペダルが重く、チューニングが安定しないとのことでした。古いティンパニをお使いの団体様ではとてもよくあることと思いますが、ペダルが重い・既定の音域以上の(音名表示板よりも広く)音域が出ている・叩いているうちに音程が変わっていく・ペダルが動いてしまう、、、などなど。
上記の症状は寿命かしら?と思っていらっしゃるかもしれませんが、この症状は各部調整をし直すことで大幅に改善します!!
通常はティンパニの音域はだいたい5音から5音半くらいの範囲で、ペダルを踏み下げてから目いっぱいまで踏み込んだところまでで変化します。
この音域の範囲が症状が悪化したものは、この音域の範囲がオクターブ近くまで変化します。そうなってしまうとペダルが滑る症状になってしまうので、ペダルの下にあるスプリング調整ネジを目いっぱい締めこんで、何とかペダルを固めているというケースが多いようです。
実はペダルティンパニというものは、ペダルを踏み込んだ時にヘッド(皮)が張られてテンションが強くなっていくことと、ペダルのバネが踏み込んだ時に強くなっていくこととが同時にリンクしてバランスするように作られています。そこのバランスをつかさどっている部分を見極めて調整することで、このペダルのバランスが改善するのです。音域もオクターブくらい出ていたものを5音から5音半くらいの範囲に調整し直すことで、今までの症状がうそみたいにスイスイと軽く動作し、ffでバンバン叩いてもペダルが動かなくなります。

こんな感じの駒の並びはよく見かけるのでないでしょうか? ヤマハの32インチです↓
NEC_0110 (768x1024)

具体的な調整方法は何とも文章で説明できないのでしませんが、ネジのついている部分はほとんど全ていじります。今回はご予算の関係もあり、ベース部分のクリーニングとグリスの交換などはしていませんが、古くなったティンパニにはそこまですることができれば、より各部のストレスがなくなり、良好な状態にすることができるようになります。ティンパニのヘッド交換を検討されている場合は一緒にペダルバランス、またはオーバーホールをお勧めいたします。


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この写真が調整後のティンパニの駒の並びになります。ペダルを下げた位置からいっぱいまで踏み込んだ範囲で、こうしたDからAまでの理想的なチューニングとなりました。半音階もきれいに音合わせができます。

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ティンパニの修理は送って頂くことが困難な場合(ほとんどの場合がそうかと思いますが)、こちらから出張いたしますのでお問い合わせください。
ラディック、パールなどの調整も致します。
古いヤマハのペダルティンパニのチューニングインジケーターの取り付け加工もしますので、買い替えをお考えだった団体様は是非ご検討下さい。
プロフィール

klangbrass

Author:klangbrass
管楽器専門店・修理工房Klangへようこそ!
当方は秋田県秋田市で管楽器修理工房をしております。
難しいと思われていたキイの再生などが得意です。
金管・木管問わず修理を受け付けていますのでご連絡ください。
打楽器修理(ティンパニ修理等)も致しております。

HPアドレスhttps://www.klangbrass.net
下記のリンクの欄からご覧ください。
工房の場所や情報、また中古楽器情報も掲載しています。

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