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これは無理!? いえいえ、このバスクラ、直るんです。 

久々のバスクラ修理ネタ、しかも昭和のバスクラです。

機種はセルマー 25 LowC

とある学校の備品として、これでも修理前ギリギリまで現役で(!)活躍していた楽器です。
とんでもなくやつれてしまっており、写真で(o'ω'o)?と思われた方もいらっしゃるかと思います。
 
左手指が当たる部分、これ、金属が完全に溶けて下地を通り越し、タンポまで到達してしまっております。

こうなったらどんなに劣化したタンポでも、交換はできません。
普通だったら楽器屋さんに持ち込んでも「無理です。買い換えましょう(・∀・)ニヤニヤ」となるはずです。

うちも販売しているんで、買い替えを勧めるのは簡単です。
しかし、これと同等の楽器を買うとなったら、今はむちゃくちゃ高いです。https://www.nonaka.com/selmer/instruments/clarinet/bass_clarinet/privilege/
新品で税込だと¥1,600,000超え!

ムリです。今どきの学校にそんなもの買い換えられる余裕はありません。

ならどうするか?

直すんです。

経験と 勘と ひらめきで。

修理代の確保と修理期間を潤沢に頂くことが出来たので、全体のオーバーホールを兼ねて、いろいろ修正させて頂くことと相成りました。

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まずはタンポ類を一通り外し、溶けてなくなった指台を、キレイに削って落としてしまいます。
「なんてことするんだ(# ゚Д゚)」と怒られそうですが、まあ落ち着いて。
アイデアがあるんです。ちゃんと。


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まずは旋盤で失われた煙突と指台を作ります。
こんな感じかな?

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そして、仮に組んでみてフィット感を確認。
多少スキマがあるところもありますが、そこは今はあまり気にしません。


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そして部品の完成です。
これを銀ロウで溶接します。

さっきスキマをあまり気にしないと言ったのは、実は溶接の際にスキマ部分を銀が埋めてくれるからなんです。

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そしてほかの穴あきのキイも同様に指台を製作します。
これを磨いて仕上げ、メッキに出して戻ってくると…

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ホラ!こんな風にキレイに直りました。
この頃のメッキと同じニッケルメッキを採用しております。

そこだけ異常にキレイです。
予算の関係で全部メッキとまではいけなかったのですが、主要なとこだけでも直せば全然機能は取り戻せます。

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途中のオーバーホール作業は写真をすっ飛ばしております。
だって特別なことはしていないんですもの。

キイカップの傾きを合わせ、タンポを入れて、しっかりと平面に合わせ、バランスを取る。
適切なキイコルクを選択して均一な開きを得る。

地味ですが、一番大事な部分。
それが調整というものなんです。
作業にハデさがないので、理解されにくいところです。(´・_・`)

さて、組んだ写真を見て頂くと、どのように直ったか一目瞭然です。


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下管も部分補修をしております。
こちらはキイのパイプに穴が開いてたので、そこを金属をかぶせて補修してます。


そうそう、ネックもだいぶ痛んでたんです。
ジョイント部分もネックコルクがグラつかなくなるような加工をして、耐久性を上げました。
そしてキイ同様ニッケルメッキをして、感覚的には新品です。

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というわけで、今回はセルマーバスクラのキイ再生を中心とした、オーバーホールの様子をご覧頂きました。

修理の期間と、ある程度の予算は必要ですが、楽器価格が爆上がりしている昨今、こうして今ある資産を活用していくということも必要なことではないかと思います。

特に学校等の団体様は、是非再生修理ということも視野に入れて楽器店、または当方までお問合せ下さい。

ただ、当方このところ、こういった再生修理の依頼が後から後からつかえております。
ワンオペ修理のツライところですが、納期さえ頂けるなら喜んでお受けいたしますので、是非御一考を。



最後に宣伝です。

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また、Yahoo!ショッピング ブラスショップKlangにて、修理屋視点で取り揃えた商材も様々ご用意しておりますので、是非一度覗いてください。


ではまた。



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【新入荷のお知らせ】 セルマー シュプレーム 秋田初上陸!(かも?)


秋田の皆様、そして近県の皆様、あるいは全国の皆様、

お待たせしました。

セルマーアルトサックスSupreme(シュプレーム)が入荷しました!!
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全国でも品切れ甚だしいこの機種ですが、苦節ウンヶ月、やっとこさ当店にも入りました。

さて、いろいろレビューしますが、店主の感じたことなので、実際試奏してみると色んな感じ方があるかもしれません。
また、この個体に関してのみのレビューなので、そこは大目に見てやってください。


まず、従来のモデルと変わった点を上から。
・ネックレシーバーの大幅改良
・C#ダブルトーンホール
・フロントF形状変更
・サイドキイ形状変更(特にTc、Taの形状)
・主列F-F#の開き止め連絡機構
・Tfキイの指貝形状変更(MarkⅥを意識??)
・胴輪やキイガードの大幅軽量化
・ダークラッカーと幾何学模様を入れた彫刻
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などが大きく変わった点かと思います。

ネックも新設計だそうですが、パッと見は、リファレンスの形状に似ています。
肝心の音に関してですが、これは人によって感じ方が様々ですので、音色については明言しません。
是非試奏してみてください。
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んで、音程に関しては個人的な感想を申し上げようと思います。

あくまで自分レベルですが、「Klangはそう感じたか」くらいに思ってもらえればと思います。

一応最低音から最高音まで半音づつ、チューナーで測りながら吹いてみましたが、




ナニコレ!?





音程がほぼジャストから5~10Cent以内くらいに収まってる!
半音が100Centだから、ズレても半音の5/100~10/100ですよ!

個人的に一番のビックリは、最低音のB、B♭がブラ下がらず音程のセンターをつかんでいること。
こんな音程感のアルトサックスは初めてです。

ということはズレてもセンターにシフトするのはさほど苦労せずに操作できます。

サックスが音程から解放されるって、楽器の操作からストレスの要因を一つ荷下ろしするってことなんで、これはすごく大きなアドバンテージです。


そうそう、C#トーンホールの効果もあってなのか、管体設計の見直しによるものか、音程はもちろんですが、音色のC#吹奏時の違和感軽減がなされている感じがしました。

そしてサイドC3、Tc、Taの形状です。
これは操作するとわかりますが、Ta~Tc間がヌルっと動かせます。
これも触ると意味が分かります。



ここからは修理屋目線での話をします。

まず、ネックレシーバーについて。

ヴィンテージサックスでは採用されていたりした形状ですが、やっとやってくれたか、という感じです。全方位でネックレシーバーをつかむので、将来的にレシーバーの片減りがない状態で快適なジョイントをずっと維持できそうです。

また、主列F-F#の開き止めバランス調整機構、ヤナギサワの特許の構造であったと思いますが、大変優れた構造なので、使用許可を貰って採用したのでしょうか?ここは不明ですが、何せこれがあると無いとで、調整のクオリティがかなり変わるんで、これは有難いです。


そんなこんなで、新機種シュプレームのレビューでした。
売れるまでは展示してますので、是非ご来店下さい。😄

マークⅦ 大復活祭り! アルト/テナーの2本同時進行でお届けします。 その2

先日あげた、前回の記事(こちらが前記事)が、思いのほかプチバズしていて焦った管理人です💦

さて、今回は仕上がりを見て頂く内容となっております。

前回の記事を見て頂ければ、どのように変わったかはよくわかって頂けるかと思いますが、パッと見は新品ぽい感じになりました。
また、マークⅦということもあり、ただのラッカーにするのも面白くないかと感じたものですから、あえてのクリアラッカーではなく、ゴールドラッカーで仕上げさせていただきました。

こんな感じです。👇
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ここで、ゴールゴラッカーについて説明いたします。


ゴールドラッカーとは、何も金色の染料を入れ込んでるわけではなく、クリアの塗料にごく少量赤っぽい染料を混ぜ込んであげることで、下地の真鍮を磨いた黄色い色と重なることで、なんだかゴールドプレート”っぽい”高級感あふれる色に見える効果をもたらしてくれる塗装の通称です。


セルマーは、かつてはクリアラッカーを採用しておりました。ヤマハも62未満(という言い方が適正ではないかもですが)の機種はかつてクリアラッカーですが、最近は見た目の高級感もあってか、どちらのメーカーもゴールドラッカーを採用しております。


ということで、このラッカーで仕上げた姿をご覧ください。
まずはテナーから。

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記事のなかでは書いてませんが、こちらは1番ガード(ベルの次のU字管ね)ごと、管体がヘコんでいたのをガードを外して修正しております。
こういうオーバーホールの場合、どうせ後でラッカーをかけ直すので、結構攻めた修正もできます。
(例えばハンマリング跡が残ったところなども、バフで均してキレイにできる等)

また、いい色の塗料を見つけたので、ネックのSロゴも再生してみました。
いかがですか(o'ω'o)?





続いてアルトです。

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こうして消耗部品を指貝まで全て入れ替えて、ラッカーを再塗装することで、耐久性も生まれ、またこの先長きにわたって活躍する楽器に生まれ変わりました。


今回、学校の部活の備品ということもあって、こうした修理の仕方を顧問の先生と打ち合わせて採用しました。
顧問の先生にも大変ご満足いただけたご様子のメールを頂戴し、安心いたしました。


こうしたラッカーにしてもメッキにしても、表面を再生する作業をおこなった場合、良くも悪くも元の音とは全く違った印象を持った楽器に変わります。

それがいい方に変化するかどうかは、ひとえに奏者の感じ方によるとしか言いようがないのもまた事実です。

もし、こうした再生修理をご希望される場合は、きれいに塗装なりメッキなりをよみがえらせるメリットと引き換えに、それまでの音を変えるという効果も同時に発生します。

ですので、特にヴィンテージの楽器の場合には、そうした点を踏まえた慎重な依頼をされるように心がけて頂く必要があります。
もちろん、心機一転、全く違った楽器を買ったつもりで直してみよう!と思われた場合はその限りではありません。



そんなこんなで、2回にわたってお届けしました、ヴィンテージサックス再生祭りはいかがでしたでしょうか?

ご感想や拍手・いいねなどを頂けると管理人はとても励みになります。

それではオリンピック直前ということで、ガンバレ!ニッポン!!

ご覧いただき、ありがとうございました。

またね(^-^)/~~

マークⅦ 大復活祭り! アルト/テナーの2本同時進行でお届けします。  

えー、なんやかんやで、約2年ぶり?くらいの更新となりました。

いや、事業はちゃんとやってますよ。
ただ、このブログの更新って、結構気合が必要になるんですよね。
どうすれば伝わるか、結構考えながらするもんですから。


まあ(;´Д`A、言い訳はこのくらいにして、今回ご紹介したいお仕事をご覧いただきたいと思います。

楽器は言わずと知れたセルマーの名機、マークⅦのアルトとテナーの2本です。
こちらの楽器、とある関東の有名私立高校の学校の楽器で、楽器に限界を感じつつも、新しい楽器を買うほどの予算もなく、
さりとて、この名機を満足いく音で使わせるにも、生徒はキレイな楽器でないと使いたがらない。
さて、どうしようかと考えてネットポチポチでこちらにたどり着いたご様子。


多少修理代が高くても、買うより安いでしょう。んで、しっかり修理すれば、コンディションも良くなってまた長く使える。
いろいろお考えの上でご相談を頂き、ご依頼と相成りました。
なんでも買い替えればいいでしょ、という時代はとうに終わり、今ある資産をどう活用するか、そのモデルケースの一つになるかと思いますので、これを見て何かを感じられた方、楽器の活かし方の一つのご参考にして頂けると嬉しいです。

さて、もとの状態はこうでした。指貝なんかもクッタクタです。
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とりあえず分解してラッカー剥離して、この状態。
テナーも同様にしてあります。
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そして、各部ヘコを修正した後、キズ修正に入ります。
まずは軽く均してみると、キズの深いところが明るみになってきます。
まずはこれが少なくなるまで修正です。
どうやって修正してるかというと・・・・
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これです。

炭!

擦り上がりの面もキメ細かく、フラットに削れるので重宝します。
これで荒キズをとって磨きます。
あ、ストラップリングはダメになってるんで外してます。
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これで磨き直すと、こうなります。
いい感じになりましたね(´▽`*)
他の部分も同様に、いろいろやって仕上げていきます。
なんて説明すればいいのかわかりませんが、大変です。
ストラップリングは新品に交換しております。
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ベル回りも綺麗にしていきます。
アルトもテナーも同様です。
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こういう入り組んだところって、磨きの作業で気を遣うところなんですよね。
ちなみに磨きで仕上げまでは、2~3工程くらい踏んで持っていきます。
深夜に余計な作業が入らない状態の時にこうした作業をしてますが、禅の修行をしているような気になってきます。
まあ、禅の修行はやったことはないんですがね。(高田純次風)
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アルト・テナー両方並べました。
パッと見、だいぶきれいになったかと思います。


これをキイにも同様にやっていきます。
これがパーツ点数も多いので、なかなか精神が削られるんですよ(´;ω;`)
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ということで、ここまででラッカー工場に向かう前の下準備を終えて、作業を終えました。

久々のアップなんで、また繰り返し申し上げますが、

ラッカーをかけるだけ、メッキをかけるだけではキレイにはなりません。
下地作りが全てを決めます。


次回はここまでやった楽器が、ラッカー仕上から戻って組み上がるとどうなるのかをお知らせします。
ということで、次回をお楽しみに。

記事のシェア・拡散はご自由に。

ではまた(´・ω・`)/~~

トランペット再生 ノーマルですが、それもまた良し。

いろいろなことに忙殺されて、気が付けば1年以上ブログを放置しておりました。

スイマセン、| 柱 |ヽ(-´ω`-。)反省しております。

でもこうしてちゃんと生きております。
仕事も頑張っております。

さて、これもいつやったか覚えてないくらい前の修理ですが、せっかく写真を撮っているので記事にいたします。

今回の楽器はBachの180ML/37SPストラドです。
依頼人の方が中学校からご使用だった個体ですが、約30年近く使用されてきてそれなりに全体にくたびれもありつつ、
でもいろいろ思い入れもあるためしっかり直したいと、この度フルオーバーホールのご依頼を頂きました。
ビフォーの状態です。👇

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なかなかに全体にメッキ剥がれやヘコも目立ちます。
ベルのところは擦れて管も薄くなっていました。
ここは当金で修正します。その方が今後の使用も考えると長持ちです。


まずは全部を分解し、酸洗浄で汚れを徹底的に落とし、各部のヘコ修正、そして磨き入れをしていきます。
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んで、磨き終わるとこんな感じです。
毎回言ってますが、再メッキは下地作りが全てです。そこが決まれば仕上がりがだいぶ良くなります。
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あとはメッキに出して、帰って来たのを調整して完成です。
今回は今後のことも考えて、耐久性重視でメッキを倍掛けしました。
これでこの先の30年も頑張ってくれるはず。(´▽`*)
では完成写真をご覧ください。
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当金のところもメッキがのればそういう仕様だったように見えてくるから不思議なもんです。
でもキレイに仕上がり、お客さんにも喜んでいただけました。

しっかりしたブランドの楽器は、やはり寿命が長いです。
このモデルも発表されてずいぶん経ちますが、ロングセラーのモデルということは、やはり変わらない良さというものもあるかと思います。

ご依頼のお客様も、またこの楽器で楽しい管楽器ライフを歩んで頂きたいと思います。

では次の更新はいつになるのか!?
お楽しみに(´▽`*)

ではまた(@^^)/~~~

管工房だけど・・・ タンバリンヘッド交換やってマ――(о'∀')b――ス

雪がちらつくこの時期ですが、夏にやったタンバリン修理の、記事にしてない写真に命を与えるべく、いまこうして記事を作っております。

今年はそこそこ張り替え作業がありましたが、そういえば記事にしてないねと。
そんなんで、張替えもやってますというアピールの意味も込めて、今更ですが書きます。

よくある学校備品の高級タンバリン。

¥30000~¥50000くらいする立派なものをお持ちのところも多いのですが、いかんせん皮がベロベロのたるんたるんになっていて、ボテボテ言わせながら使っているところが多いです。
皮つきタンバリンはジングルだけで鳴っているわけではないんだから、伸びてしまったら定期的に張り替えましょう。




ということで、まずは鋲を外して皮を引っぺがします。
この時点で接着が弱いところはもう剥がれていたりします。
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ヘラを入れてペリペリっとね。
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'`ィ (゚д゚)/剥がれました。
ボンドの残りが無いように、しっかりと取っちゃいます。
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んで、新しい皮を用意します。
今回はグローバーのタンバリンなんで、ゴートスキン(山羊革)を使います。
タンバリンの種類や求める音色によってゴート(🐐)やカーフ(🐄)を使い分けます。
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接着剤をまんべんなく塗って、皮を引っ張りつつ均等に張っていきます。
この作業が一番難しいかもしれません。
ハミ出た接着剤も取り除いていきます。
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一昼夜おいて接着剤が完全に固まったら、余った皮をカットします。
なるべく1回でカットするように集中してやります。
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仕上げに鋲を打ち直します。
別に鋲が無くても、張りがしっかりしていて、接着が完全であれば大丈夫です。
ちなみにブラックスワンプなんかは鋲が無くて、皮の端の剥がれ防止のテープが巻かれています。
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はい、出来上がり。
ものすごく軽やかにキレよく鳴ります。
やっぱりタンバリンはこうでなくちゃ!
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そんなんで今回はタンバリンヘッド交換をお届けしました。
ちなみに冬は交換依頼が少ないですが、冬に張り替えると皮の乾燥がイイ感じになるので、より一層たたいた時に、皮がパンパンいうようになります。
まあ、これも求める音のイメージによるところはあるでしょうが、理想は張って使って少し皮が馴染んだところで本番を迎えるというのが、使いやすくていいかもしれないですねo(`・д・´)o


皮交換は、皮の在庫さえあれば、3日ほどで出来てしまいます。
宅配修理も受け付けますんで、ご希望の方は直メッセージ、またはメールにて連絡下さい。

ではまた(@^^)/~~~

クラリネット フルGPコンビ魔改造  色のクセが凄いwww

今回はちゃんと早めに更新しましたよ。

とは言っても、この楽器を引き渡したのは去年だったような。。。

まあ、いいか。

そんなことで今回は、とあるお得意様の楽器を手掛けさせていただいた記録をご紹介します。
このお方、とてもおキレイなおネエさまで、「私の楽器、ピンクにしたいわぁ❤」といつもおっしゃっておりました。

修理らしい修理もずっとしたことが無かったので、ここで一発しっかりと直しておこう、となって、今回念願の仕様にするべくお預けいただくこととなりました。

しかしもともとのコンディションがなかなか攻撃力高いです(。-`ω´-)ンー
これはなかなかの強敵ですねー。
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結構至る所がガサガサです。
磨きの修正をするべく、ポストも全て外し、タンポ、コルク、バネを全て外します。


この状態から、キイは磨きへ、木部は汚れ落としとメンテナンスを施します。
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そして、磨きをするんですが、、、、、










作業中の写真を撮ってなかった。。。。。







まあ、いいか。
磨きは過去の記事をご参考下さい。m(_ _)m









ってことで磨き終わって、一気にメッキまで完了しました。
しかし、色が特徴的(^▽^*)
おネエさまがやっぱり2トーンカラーにしたいとのワガママご希望がありまして、ポスト・リングはグリーンゴールド、キイはピンクゴールドというオンリーワンな仕様となりました。
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いよいよ組み込みです。
ポストいれて、バネいれて、、、、
管体もオイルメンテが終わってツヤツヤお肌です。
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タンポは最近当店では人気のあるレザーパッド仕様に変更しました。
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ε-d(-∀-` )フィ~
やっと完成です。

見違えるようにキレイになりました。
どうぞご覧ください( ´∀`)つ
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この機会にケースの方も新調して頂きました。
オサレカワイイ、クランポンのポシェットケースです。
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こうして楽器は持ち主のところへとお直しを終えて帰っていきました。
モデルさんのようなルックスのおネエさまに大変お似合いの楽器に生まれ変わったと思います。

今後もメンテナンスなどでよろしくお付き合い願えればと存じます。



当方修理だけでなく、販売もしておりますので、ケースなどのご相談も是非お寄せ下さい。
修理の際にケースも改めると、気分は新品購入!


かもしれません。



ではまた(@^^)/~~~

アルトサックス フルピンクGP大作戦  その修理、あきらめないで!

はい、御無沙汰しております(;´Д`A

久々の更新です。

今回もサックスの記事でお送りします。

これも随分前にご依頼いただいた修理でした。
機種はセルマーのSA80Ⅱ。

ご依頼の方は遥々東京から、わざわざウチをめがけてお問い合わせ頂きました。
長らく自分の母校に楽器を貸し出していたのですが、貸していた楽器が戻って来たらボコボコになって帰ってきた。
修理をされた跡もあるが、その修理の痕跡が気になるし、直りきっていないところもある。
楽器を買い替える気もないし、どうせきちんと直すなら、いっそメッキまで変えて新規一転でこの楽器と新たに過ごしていこうと、
当方にその作業の全てを委ねて頂きました。
誠に有難いことです。


とは言うものの、これはなかなかキビシイ状況です。
キズも多いし、細かなヘコも無数にあり、ヘコ出しをした跡も綺麗にしなければいけない、ガードの下もヘコが残っている、、、、等々、やることが多いです。

でもご期待に応えるため、やります!!

しかしキビシイ。彫刻も落ちてしまうかもしれません。。。
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このガードのあたりのヘコがまた厄介です。
まあ、頑張るしかありません。


しかし、ネックはキレイです。
色合いからして、昔販売されていた、ゴールドブラス材のネックではないでしょうか?
なかなかのレアものです。
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では、再生に取り掛かって参ります。
まずはラッカーを剥離して、ヘコを修正して、表面を慣らし、更に面を整える加工をしていきます。
また、面のキズも修正していきます。
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彫刻も極力削らずに修正できるよう、慎重に修正していきます。
ゆっくりじっくり。

あと、写真にはありませんが、キイもここで修正していきます。
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そしてメッキが上がってきました。
毎回メッキが上がってきたあとの姿は萌えます。
(;´Д`)ハァハァ (*´Д`)/lァ/lァ (*` Д´)//ア//ア//ア!!
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ベル2番管のヘコ直しの跡の修正もまずまずうまくいきました。
ガードのところも綺麗になりました。
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そして、懸念されていた彫刻も最小限の削りで修正できました。
せっかくの彫刻なので、残せたのは良かったです。ε-(´∀`*)ホッ
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あとは普通のオーバーホール作業です。
コルク張って、タンポ入れて調整して。。。。
詳しい内容は過去記事をご参照下さいm(_ _)m

では仕上がりの写真をドゥゾ♪(っ'ω')っ))
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いかがでしょうか(o'ω'o)?
正直修理代は安くはありません。
新品の楽器を買うのに近いくらいの金額はかかります。

まあ、それでもGPの楽器を新品で買うことのを考えれば、半額以下で出来るので、いつかGP/ピンクGPの楽器が欲しいと思っていた方にはお勧めできる修理です。

ご希望がある方は、是非ご相談下さい。
ただし、ご依頼いただく場合は納期に余裕を頂きたいです。
(今現在も、通常のオーバーホールを2か月待ち程でやっております。)

預けて頂く場合はゆっくり使わない期間があるときにお預けいただけると有難いです。

そんなことで、久々のフルメッキ修理の記事でした。

今後は写真のアップが早くできる方法を見つけたので、もう少し早めに記事を作るよう頑張ります。
(p`・ω・´q)

ではまた(*´∀`*)ノ″バイバイ

SENZOをよりゴージャスに! フルコパープレート仕上げ お見せします!!

なんだかんだでしばらく忙しさにかまけてたら、なんと半年近くも更新していないことがわかりました。

そんな今年の半期もいろいろありました。

特に、西日本の方々は地震に大雨、そして洪水と、大きな被害を受け、今まさに復興を目指し地域一体となって取り組まれていることと存じます。
心よりお見舞い申し上げます。

今回の記事に登場する楽器の持ち主の方は、広島は呉にお住まいのサックス教室の先生で、去年の夏前にご依頼を頂いて作業をさせていただきました。ちょうど1年ほど前のことです。
今頃になってこうして記事にしているので、今年の仕事のようですが、実は去年の仕事です。
まとめるの遅くてスイマセン(;´Д`A

ともあれ、西日本の大雨で去年のこの楽器の持ち主のことを思い出し、記事を作ってみようと思いました。

西日本の復興を祈りつつ、丁寧に思い出しながら記事を作っていこうと思います。

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このアルトのモデルはビュッフェクランポン・Senzo。
管体の材質に銅割合の非常に高い材料を採用し、さらにその上に銅メッキを掛けて仕上げた、非常に重厚な吹奏感が持ち味の、ややクラシカルな方向性をもった楽器ではないかと、自分的には感じております。

仕上げはラッカー仕上げとなっており、ツートーンの色合いがまた印象的な楽器でありますが、
施主様が「もっと重厚な感じにしたいので、オーバーホールついでにキイの方も全てコパープレート(銅メッキ)にしたい!」
と求められたので、では折角なのでご要望にお応えしましょう!と取り組みました。


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まずはいつも通り全てをバラバラに分解して、キイのコンディションなどを確認してタンポ・キイコルクを外していきます。


管体の方は、今回はそのままなので、音孔処理とメンテナンスだけで、バネもそのまま使用していきます。


キイは生地の状態を作るため剥離に回します。

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ラッカーの剥離を済ませた状態です。
ここからキイに一個一個磨きをかけていきます。






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ところで、このHighDキイに関しては施主様からご要望があり、キイの高さ調整のアジャスト機構が壊れてしまっていたこともあり、なおかつアジャストを使ってもなお高さが足りないということから、ここをもっと高くして使えるように改造して欲しいということも一緒に要望を賜っておりましたので、そのように作り直しました。

これでようやく厚盛りコルクから解放されましたね(^ω^)

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また、サムレストに関しても、デフォルトでは割とショボめのプラスチックサムレストのため、音響的な効果も考えて金属製で作ることを提案いたしまして、快諾頂いたためこちらも製作いたしました。
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ということで、キイを磨いてメッキに旅立ち、メッキから帰って来たら今度はその足ですぐラッカーの工房へと出荷します。
磨きに関しては過去の記事で何度か取り上げておりますので、ご参考下さい。
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パーツの点数多いから大変なんすよ。いや、マジで。




んで、ラッカーから戻ってきたキイなどに、コルクやタンポをインストールしていきます。
一個一個確かめながら。
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そうそう、さっきのHighDキイもこんな感じに仕上がりました。
最初からこうだった、と言われればそうとしか見えない感じに仕上がっております。
ビバ!メッキ修理!!

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ここからはあとは普通のオーバーホール作業です。
このクランポンのセンゾもそうですし、過去に触らせてもらったクランポンの楽器もそうでしたが、とにかくデフォルトの音孔の処理があまりよろしくないです。(。-`ω´-)ンー

なので、最初にやっていた管体メンテの作業の中の、音孔処理をやった効果はバツグンにあります。

単純にタンポがきちんと合う、ということが、ものすごく効果を体験できるというのは、サックスという楽器の修理効果を引き出す上で、とても重要なことですね。
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ということで組みあがりました。
管体とのマッチングも完璧です。
最初からこういう楽器だったような違和感の無さです。

キイの黒貝との相性もバツグンですね。(d゚ω゚d)オゥイェー♪

※ちなみにネックはこの時とは別件でGPメッキのご依頼を頂き先に施工をしておりました。

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サムレストも純正部品のように収まっております。
作り直したHighDキイとの2ショット。
いい操作性でした(´▽`*)

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キイガードは施主様の方で音的な意味でなのか、外されておりました。
最初楽器が来たときに、パーツが無くて焦りました(;´Д`A
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この仕上げ、まさに重厚の極み!!音も限界点がものすごく高く、現代クラシックに求められる遠達性のある響きを体現できるものと相成りました。

これでいて、作業工賃はGP系のメッキよりずいぶん安いです。
たぶんGPのメッキ修理の3/4くらいの価格で出来るんでないでしょうか?

ご要望によっては、他メーカーの楽器でも上記のようなコパープレート+ラッカーの仕様の楽器は作れます。

コパープレートはメッキ自体の膜厚もしっかりして音響的な効果も高いですし、もちろんご希望があれば、その上にシルバー、GP、PGPなんかも施工出来ます。

どうぞ仕上げの選択肢のひとつとして、皆様の記憶の片隅に、この記事のことが記憶に残って頂ければ幸いです。(o^―^o)





この施主様の活躍で、災害復興をする中で疲れた人々の気持ちを癒すための活動の一助として、この楽器が役立ってくれていればいいなぁ、、などと思いながら記事を書いておりました。

これからの活躍が広島にとって大事な役割になる方だと思います。

自分が言うのもおこがましいと知りつつも、頑張って下さいと敢えて申し上げたいと思います。




そんなことで今回はキイメッキオーバーホールの記事をお送りしました。
毎回言ってることですが、もう少し早いタイミングで記事をアップできるように善処致します。


ではまた(^^)/~~~


クラリネットあれこれ  学校備品によくある症状 その楽器諦めないで!

新年あけてまだ記事が更新できておりませんでしたが、過去にやった修理で、写真だけとっていて未使用のものって結構あるんです。
今回はそんな写真たちを思い出して、こんな記事を作ってみました。

クラリネットの管体加工 3連発です。





まず1発目。

管体割れ修理なんですが、Bトリル音孔が目も当てられないほど割れ広がって、もうタンポが音孔をふさぐことができなくなってしまっている事案です。
こうなってはタンポ交換なんて無意味なんで、まずは音孔の作り直しから。
ダメ音孔を掘り進めていって、新たな音孔を作っておきます。



そして音孔を仮組。
(・∀・)ウン!! 良い感じです。
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そしたら接着して、音孔の穴の大きさも既定の大きさに広げて仕上げをしたら完成です。
こうすることで息モレも発生せず、キモチのいい塞がり具合になってくれました。
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続いての事案。
ジョイントコルクの上下管の繋ぎ目が、何度コルク交換をしてもグラついてしまうという案件です。

よくコルクが緩いんですぅ、と言ってもちこまれますが、使い込まれた楽器だとジョイント部分の木部が減ってしまっていて、コルクが無いと大幅にガタついている状態であり、コルクそのものがきつくてもグラつくものは多々あります。
または、ジョイント部の木部が膨れてジョイントが外せなくなった時に、ジョイント木部を削りすぎてしまった結果こうなった、などのパターンもあります。(やりすぎ修理の末の姿ですね。・゚・(ノД`)・゚・。)

いずれ、コルクを交換しても、症状は改善しないんで、ジョイントを作り直してしまいます。

まずはスカスカジョイントを削ってしまって、上にピッタリはまる筒を作ります。
当方には管体材と同じ、グラナディラの材料を在庫しておりますので、こういうものも作れます。
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仮組です。
いい寸法に仕上がりました。
ピッチリ入ります。
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んで、接着したら、コルクしろを削って溝切をして、整えます。
この時点で上下組んでもほとんどグラつきません。
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端面も綺麗に仕上げます。
良い感じです。
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これにて完成。
ジョイントした際にグラつきが発生しにくくなるように、コルクしろをもとの状態よりもキモチ広めに作ってあります。
コルク巻いた後の写真は撮り忘れました。(o゚ω゚)チーン
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最後の事案は上管人差し指のリング部の煙突が思いっ切り欠けております。
ギリギリ音は出ていたのでしょうが、もうすぐダメになるのは目に見えています。

やっぱり作り直します。
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まずは穴掘って、古い煙突を削ってしまいます。
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ほんで、作っておいた新しい煙突を入れてみます。
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仮組バッチリですね。
接着します。
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音孔の大きさ整えて、完成です。
リングを合わせてみた感じも、とてもよろしいです。
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当方だけでなく、いろんな修理工房で、こうした加工はされていると思います。
腕のいい修理屋さんは名前を知られていないだけで、全国に沢山いらっしゃいます。
(店構えが大きいところ=いい修理屋というわけではありません。店が大きくていい修理屋も沢山ありますが。)

なので、上記で出ていた症状があったとき、安易に買い替えを考えられるのでなく、修理というアプローチも是非お考え下さい。
(もちろんそれをきっかけに上位機種に買い替えを検討されている場合は別の話ですが。)




今は少なくなったでしょうが、昔は壊れるとすぐに新しい楽器に買い替えを勧める楽器屋さんもいらしたようです。
当方も新品・中古と販売はしていますし、新しい楽器を売りたいのもわかります。
でも「直らない」ということと、「直せない」ということはイコールではありません。


直らないといわれた場合には、一度言葉を受けておいて、他にもご相談してみることをお勧めしておきます。
決定権はお金を出す方にありますので(´▽`*)






そんなことで、今回は修理のチョイネタを集めて記事を作ってみました。

いかがでしたでしょうか?

ご感想はコメント欄や、フェイスブックページなどにでもいただけると嬉しいです。


ではまた(*´∀`*)ノ″バイバイ


スライディングベルで遊んでみよう! これがホントの大人の玩具(笑)

本日秋田は本格的に雪が降り始めました。
そんな中、記事にするネタは、夏真っ盛りにやった修理の記録。

季節も何も関係なくなっておりますが、さっそく記憶をたどって記事を書きますo(`・д・´)o

お客様は月1~2回のペースでご来店されるお得意様。
今回の改造のベースの楽器は、ずっと眠っていたヤマハの8335HSです。ゼノのベースとなったモデルでしょうか?
つくりのしっかりしたモデルで重厚な音が魅力的な楽器です。

この度ヤマハのMLのレッドブラスラッカーベルをオークションにて入手し、この楽器にベルを付け替えて遊べるようにしたい(*>∀<)!
とのご要望を賜り、元のベルと赤ベルとを付け替えられるように改造するというミッションを遂行することになりました。
必要なパーツを仕入れて、いざ実行です!!

まずはベルを外して管体を洗浄します。
ちなみに、今回はメッキ無しのオーバーホール作業も混みでやらせてもらっています。
(キャップ類だけは、メッキを一部分だけ変更するというオーダーもありました。)






スライディングのパーツをつけられるように、寸法を測ってカットします。
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こんな感じに組付けます。
まずは元のベル。
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続いて赤ベルのほう。
ラッカーなんで、慎重に、コゲないように・・・
うまくいきました。(・∀・)ウン!!
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ここも綺麗にできましたね。ε-(´∀`*)ホッ
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さて、このままではマウスパイプに支柱がないので、強化を図るためにマウスパイプ用の支柱をワンオフで制作します。
こんな感じです。
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寸法ピッタリです!!
よし。これで仕上げます。
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磨き上げました。
これで支柱はシルバーに、キャップ類はピンクGPにするためメッキ屋さんへと旅立ちます。
ブーン(((⊂( ・ω・)⊃
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あとはメッキが戻ってきたら、半田でつけて細かい部分を仕上げなおして完成です!(*'∀'人)ワォ☆
消耗部品もすべて入れ替えて、オーバーホールも完了です。
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思った以上に違和感なく仕上がりました。
太い支柱なんで、強度もバッチリですv(。・ω・。)ィェィ♪






ということで、完成写真です。
どうぞご覧ください♪(っ'ω')っ))
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この修理が終わってから、ずっと眠っていた楽器がいよいよ日の目を見ることとなりました。
それどころか、あまりに吹いてて楽しい楽器になったそうで、このお客様の数あるラッパコレクションの中で、
ビックバンドなどの使用でメインを張る楽器に生まれ変わりました!

支柱の位置などが変わったこともあってか、オリジナルのベルをつけても、以前の楽器と別物になって、鳴る鳴る(^^♪とお悦びでした。

新しい魅力を再発見されて、復活を果たした楽器。
こういうのはホント修理屋冥利に尽きますね(^Д^)

ご依頼ありがとうございますm(_ _)m



次もまた違ったネタをご覧に入れたいと思います。

ではまた(*´∀`*)ノ″バイバイ

いよいよ来ました! 大人のシャンパン オーボエ編  ~上州よりの使者~

夏から秋にかけて、とてもメッキ再生のお仕事が多く、今現在も再生関係のご依頼を全国各地から頂いております。
このような何の地位も名声もない修理屋に、これほど色々なところからご依頼を頂けるのは、大変有難いです。

さて、これも数カ月前のお仕事になりますが、この度のご依頼ははるばる群馬から。
自分も長いこと群馬の職場でお世話になっていましたが、そこにいたときに知りえなかったお客様と、こうしてネットというものを通じてやり取りをして、そして遠く秋田というところまでご依頼を頂くということに、時代の変化を感じてしまったり致します。

今回の修理品は、マリゴ901。
言わずと知れた、オーボエのド定番です。
過去にもマリゴのオーボエは、こんな修理をしたりしております。
http://klangbrass.blog.fc2.com/blog-entry-52.html
http://klangbrass.blog.fc2.com/blog-entry-53.html
http://klangbrass.blog.fc2.com/blog-entry-54.html

今回の修理では、長年の使用によるキイの腐食の再生と、うちのクラリネットの記事をみて頂いてこれにしようと決めて頂いた、
シャンパンゴールドのメッキへの色の変更が依頼内容です。

当然ながら、この修理は全タンポ交換のオーバーホールが前提となります。
いつものことながら、気合が入ります。
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ご覧の通りで、結構気合の入った状態です。
ここからどのように変化していくか、順を追っていきましょう。

まずは全部分解です。
この時に今後修正していく部分のアタリをつけていきながら分解していきます。
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そして、全体のメッキの痛みも激しかったので、銀メッキの剥離をします。
下請け業者さんから、メッキが戻ってきた姿です。
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この状態でも面の荒れ方が大きいのが良くわかります。
後程修正です。
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さて、分かりやすいキイの再生を、ご覧に入れます。
面ガタが大きかった、F#のキイですね。
最初はこんな状態です。
これを。。。。。。
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こうして。。。。。。
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こうなります。
途中作業の写真を写せなくて端折ったところはありますが、まあ、こんな感じでキレイになっていきます。
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んで、全てのキイが綺麗になったら、晴れてメッキへと旅立ちます。
戻ってきたときのキイポストは全てこんな風に順番に鈴なりになっております。
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これを1個1個組んで行って、管体の方を完成させます。
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そして、キイを仮組みします。
この時点で組み付け具合と、キイのストレスチェックをします。
まだバネとタンポは入っていません。
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バネを長さで切って、加工して、、、、、
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バネを組んでいきます。
オーボエはクラリネットなどに比べてバネの数も多いです。
ちなみに夜中にこのバネ打ちの作業をしていたら、カミさんから「寝れないんじゃ( ゚Д゚)ゴルァ!!」と御叱りを受けました。
奥様は神様なので、この日はおとなしく作業をやめました。'`ィ(´∀`∩
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そうそう、面荒れが大きかった右手E♭キイもこの通り綺麗になりましたよイェ──ヽ( ゚Д゚)人(゚Д゚ )ノ──ィ
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あとはただのオーバーホールです。
タンポ調整して、バランスとって、完成です。

ここからは綺麗になった写真をご覧ください。
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同じ楽器なのにこうしてお肌を整えてメイクをしてあげると、まったく違う表情を見せてくれます。
木管楽器のメッキ修理はどこか女性的なものを感じてしまいます(〃▽〃)ポッ
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完成して発送致しました。
大仕事でやや大変でしたが、完成の形を見て報われた感じがしました。

ちなみに今回シャンパンゴールドで仕上げましたが、過去に24Kゴールドプレートで仕上げたこともあります。
この時の楽器はラウビンでした。
参考にラウビンの24Kゴールド仕上げも写真を載せておきます。
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これまたゴージャスでいいですね(^▽^*)
仕上げにはお好みがいろいろあると思いますが、このようにシャンパン・24K、また、ピンクやグリーン、通常のシルバーから黒光りまで、様々な仕上げをご提供出来ます。
最近ではクラリネットにピンクのポスト・リングとキイのシャンパンというコンビもやりました。

金額さえ許されれば、プラチナという仕上げも変化が無く綺麗な仕上がりをずっと保てるのでお勧めです。
音はとっても重厚になりそうですが(´▽`*)

そんなことで、今回はオーボエ修理シャンパンゴールド編をお送りしました。

また新しい記事を作ったら、ご提供致します。


ではまた(^^)/~~~

ソプラノサックス ピンクゴールド大作戦 イェ──ヽ( ゚Д゚)人(゚Д゚ )ノ──ィ

季節もいつの間にか秋になり、大分日中も肌寒くなっております。
そして、当方のブログの更新もだいぶ遅れて来ております。。゚(PД`q。)゚。
この仕事も夏のお仕事でした。。。。

さて、今回はソプラノサックスのピンクゴールド化という、大仕事を頂きました。
お客様は、遠く広島県からのご依頼です。懇意にして頂いている広島のサックス講師の先生からのご紹介でした。
わざわざ遠くの、しかもお会いしたこともない修理屋を信じて、こうして高額な修理のご依頼を頂けたこと、大変有難く思いました。

楽器はヤナギサワのS-992。
まだ買って間もないものとのことで、きれいな状態ですが、どうしてもピンクにしたかったとのことで、ご依頼を頂きました。
まずは全体分解して、タンポ・バネを全て外し、キイの指貝も取り外します。
指貝はカシメによってつけられているので、全て貝を割って取るために、こちらも新品に交換です。

まずは素っ裸にして、ラッカーを全て剥離します。
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そして、キイの1個1個、細かいパーツに至るまで、全てバフにて磨きを入れていきます。
この下地作りがとても大事な作業になります。
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もちろん管体もバフで磨き上げていきます。
この段階で音孔のフラット加工処理をしているのですが、音孔周りは手磨きで仕上げていきます。
サックス管体は全体としては手磨きで仕上げていくところが多いです。

作業は、ひたすら地味です(。-`ω´-)ンー
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そんで、メッキに旅立っていたものが帰って参りました。
美しい、、(*゚∀゚)=3ハァハァ

この梱包を開けてキイを並べているのが、たまらなくイイんです。(´▽`*)
このメッキ戻りのものを見るのは、何回経験しても新鮮な感動がありますね。

ディズニーランドに何回も行ってミッキーに会ってくる人って、こんな感じなんでしょうか?
もしそうだとすれば、自分のお仕事で、毎回こんな感動を得られる自分は、とてつもなく幸せ者だと思います(^▽^*)
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さあ、組み立てです。
修理で仕上げていくわけなんで、新品よりも調整のクオリティははるかに向上していなければいけませんね(´▽`*)
一つ一つ丁寧に組み込み、タンポを無理なく合わせて、キイコルクも丁寧にカット・・・・
当たり前を積み重ねることが良い仕上がりを作る上でとても重要なことになります。
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ということで仕上がりました。
もう四の五の言いませんので、写真をご覧くださいm(_ _)m
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仕上がりの後、頼んで良かったとのお喜びのメールを頂戴し、仕事冥利につきるな、と感じておりました。

このように県外からの修理も多数受け付けております。
ご依頼のご希望はメール・お電話・フェイスブックのメッセージなどで受け付けております。

また、トランペットなども年に数回メッキ依頼が来るのですが、実は大きな声では言えませんが、新品の楽器をGPにしたい場合などは、買ってそのまま当方に預けて頂ければ、最初からGPの新品の楽器を買うより、はるかにお安く上がります。(´▽`*)
もちろん当方で買っていただいて、その足でGPにするというのが、最も効率が良いですが(^▽^*)
この際おそらくメーカー保証は無くなるでしょうが、その分保証修理が発生するような修正個所は全て修正するので、安心といえば安心です。

サックスでも同じようなことが言えると思います。
自分だけのオリジナル仕様の楽器が欲しいという方、その願いにKlangは出来るだけお答えしたいと思います。

ご依頼お待ちしておりますm(_ _)m

ではまた(^^)/~~~

管体GP大作戦  あなたは黄色のGP? それともピンクのGP??

とうとう来ました、アルトサックスGP依頼。
しかも2本もΣ(゚Д゚ノ)ノオオォッ!!

もちろん持ち主の方は、それぞれ別の方ですが、同時期にこうして似た内容の修理が来るというのも不思議な縁なので、今回の記事は色の比較も合わせて2本の修理を1本の記事にまとめました。

今回は写真も多いです。
記事も長いかもしれませんが、最後までお付き合いください。

さて、一発目はセルマー80Ⅱアルト。
ジュビリーという名前になって、すぐくらいに購入された楽器ですが、それでももう10年近くが経過し、ラッカー塗装がヘタってきたり、指が触れている部分のキイ(左手Highサイド)やOctレバーなどが金属が溶けだしている状態で、何とかしたいとのご要望。
ネックは当方を知る前に、他店でGP施工済み。タンポなどに関しては、もう少し持たせたいので、オーバーホールまではしなくていい。とのお話なので、今回は管体全面とキイガード、そして痛みの激しいHighキイとOctレバーを加工し、GPを施工という運びになりました。

まずは分解。
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10年近く使えば、このくらいにはなりますね(´゚∀゚`;)
キイの写真を撮るのを忘れておりました_| ̄|○
状態は金属が溶けだしてボロボロになっておりました。ご想像下さい。

ということで、管体の針バネ全て外して、まずはラッカーを余すことなく剥離します。
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剥離が完了したら、一つ一つの部品を手磨き&機械磨きで仕上げていきます。
この作業がメッキ前の下地を作る上で、とても重要な作業になります。
時間をかけ、いろんな角度から管体を見直して、キズ・磨きムラなどをチェックします。
特にこの作業は地味です(*´-д-)フゥ-3
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んで、メッキから戻ってきた管体の姿が、こうです。゚(d゚ω゚d)オゥイェー♪
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キイの写真が、光の加減で違う色に見えてしまいます。
写真て難しいです_| ̄|○
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そんなこんなで、針バネ入れて・・・・
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キイを組み直して、各部の調整、必要な部分のタンポ交換などをして、完成です。
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Highキイの面も、キレイなツルツルお肌に生まれ変わりました!

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セルマーはジュビリーになってからラッカーの色合いが従来のクリアよりもダークになって、GPの色合いに結構近い色になりました。
こうして組んでみても、写真で見る限りは、意外と違和感なく仕上がりました。
次回のオーバーホールの際は、キイのGPも是非お勧めします。
ご依頼お待ちしておりますm(_ _)m



さあ、次は県南のお得意様の楽器です。
機種はセルマーSerieⅢアルト スターリングシルバーです。
こちらのお客様のご要望は管体とネックまでをピンクゴールドに仕上げてほしいとのご要望。
キイに関してもまだオーバーホールはやらないとのことだったので、そのままにして仕上げるという仕事です。

こんな高級品にさらに贅沢にピンクを纏わせるなんて・・・
オジサン仕事をしていて、ドキドキしてしまいます(〃▽〃)
こちらもラッカー剥離して磨き直しです。
このまま渡したいくらいキレイです。
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そうそう、この修理をする際に、ヘコミ直しをした後の修理痕を修正して欲しいとの要望もありました。
磨きと加工で、何事もなかったかのように仕上げ直せるので、この修理は良い機会でした。


そして、メッキから帰ってきた姿が、こうです。
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う、、美しい・・(*´д`*)ハァハァ・・
しばらく見ておりました。なんとも言えない妖しげなオーラまで感じられます。

さあ、気を取り直して楽器の組み直しです。
針バネ入れて、、、
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キイ組んで調整して、コルクつけてetc・・・・完成です(*'∀'人)ワォ☆
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キイが黄色で、管体がピンクで。コントラストが良い感じです。
ク○ンポンのセン○゛みたーい!!と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

こちらのお客様にも、オーバーホールの際にキイの方の施工もおすすめしました。
但しこちらのお客様は、キイを何色にされるか、その時にまたご相談があるかと思われます。(´▽`*)

このような修理に関しては、納期的には約1か月くらいかかりますが、フルオーバーホールをしない分、納期と予算的には有利で、なおかつ管体にGPを施すことで、GPの楽器の感触を感じることが出来るようになります。
もちろんキイまで仕上げた方が音の感触・見た目のインパクトは大きいですが、こうして管体のみに施すという選択肢もあります。

是非ご興味を持たれた方は、こちらから、お電話、またはメールにてお問い合わせください。
フェイスブックをされている方は、当方のフェイスブックページにメッセージを頂いても結構です。

次回はまた違ったネタでお届けしようと思います。

長文お付き合いいただき、ありがとうございます。m(_ _)m

ではまた(^^)/~~~

フルート再生計画  総銀っていいな ムラマツAD編

もう半年も前の出来事ですが、今頃記事にしております(;´・ω・)

とある当工房お得意様の、学校備品の楽器です。
ご覧の通り至る所真っ黒で、タンポもビリビリ。
鳴りも悪くてどうしようかということで、ここは一発楽器買ったつもりでフルオーバーホールしましょうということに相成りました。

ということで、サクッと分解です。
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分解した姿はなかなか見ることがないと思います。
ムラマツのフルートはここ10数年くらいタンポの仕様を変えてから、このようなワッシャーをカップ内に仕込んでおります。
うちではレンコンと呼んでます(´▽`*)

んで、外したタンポがこちら。
タンポ内にメタルのワッシャーなどを仕込んでいて、そのほかにもタンポの面をフラットにするような作り方をしています。
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分解が全て終わりました。
ピンを外してキイを分解すると、そこには金色のシャフトが!
ここは材質はなんなのか不明ですが、とても剛性が高いです。
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では、キイも管体も磨きをかけていきます。
ムラマツの総銀はメッキなどはかかっていないです。
なので、磨くことで、下地のキズや黒ずみなどは、綺麗に新品同様に復活します。
ここが総銀フルートの良いところで、キイなども腐食せずに磨き直すだけでとてもいい状態に再生出来ます。
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これで磨きあがりました(´▽`*)
綺麗になりましたでしょ(o'ω'o)?
ツルツルのゆでたまごみたいです。
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ネジやワッシャーも磨きます。
こういうところが綺麗になると印象が大きく変わります。

そして新しいタンポを入れていくのですが、このムラマツのタンポは通常入手が難しく、修理工房さんや楽器店などでタンポ交換を断られたユーザーさんなどは多いかと思われます。

当方ではムラマツ純正タンポがご用意出来ますので、このように普通に修理が可能です。
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ということで管体に保護テープを張って、タンポ調整をしていきます。
新品を生産している現場のような、通常の修理とまた違った緊張感があります。
磨いたところを組んでいく際は、手術用のようなゴム手袋などを使用して組んで行ったりします。(指紋防止)
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さあ、組みあがりです。
ものすごくタッチが気持ち(・∀・)イイ!!です。
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テープはがして、各部の最終確認です。
なかなか良い感じの仕上がりになりました。

そのまま店頭に並べて新品としておいても、疑われることは無いでしょう。
とても最初の写真の楽器だったとは思えないくらいリフォームされました。
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写真ではなかなか伝えきれないところもありますが、やはり実物は写真より数段キレイです。

そんなことで仕上がって、学校さんに納品しました。
顧問の先生は「新品買ってないのに新品の楽器がキタ━━━(゚∀゚)━━━!!」と喜ばれておりました。

ここの顧問の先生は作曲なども積極的にされている、才能あふれる尊敬すべき先生ですが、
開業間もない、どこの馬の骨ともわからぬ時分からお付き合い頂き、今回はこのような大仕事もお任せ頂きました。
大変有難いことです。゚(PД`q。)゚。

予算の関係もあるでしょうが、学校で1本の楽器に10万を超える金額を掛けるというのは大変かと存じます。
でも、良いものを持っている学校さんなら、絶対に損はしません。このように生かし直すことが、最終的には経費削減につながります。

今回学校の備品だったわけですが、個人の方でもこれに近い状況で、しかもムラマツを所有されていて、そして楽器店から「メーカー修理以外で対応ができません」と断られた方、いらっしゃいませんか?
そのお悩み、Klangだったら解決できるかもしれません。

もちろんムラマツ以外にも各社様々なメーカーの修理を手掛けており、実績も多々ありますので、是非お問い合わせください。
ホームページはこちらからどうぞ(´▽`*)

また次の更新の時にも、皆様に(´・∀・`)ヘーと思っていただけるような記事を書きたいと思っております。

ではまた(^^)/~~~

こんなオサレなクラリネットは如何でしょう(o'ω'o)? ~大人のシャンパンゴールド編~

皆様、新年度を迎え、いかがお過ごしでしょうか?
Klangも皆様から支えられ、5年目の春を迎えております。

最近ブログの更新もめっきり減ってしまい、「ホントにここは仕事してんのか( ゚Д゚)ゴルァ!!」とのご批判もありそうですが、
ちゃんと仕事はしています。ただ、ご報告が遅いだけです_| ̄|○

そんなわけで、こちらの仕事も随分前のお仕事ですが、春らしく景気の良い記事にしたくて、こちらの修理を記事にすることにしました。

楽器はクランポンE13。
お客様が学生の頃に買っていただいた思い入れのある品で、これからも大事に使っていきたいと、メッキ再施工の依頼を受けました。
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近くに寄った写真だと、そこそこ各部にメッキの疲れが見えます。
ただ、ひどくくたびれる前に持ってきていただいたので、金属の加工は大幅にしなくても大丈夫そうです。
どんな仕様にするか、当方にある中古マウスピースのメッキを参考に、いろいろと検討した結果、お客様が一番気に入られたのが『シャンパンゴールド』です。

どんな色かは後で記事に写真で出てきますが、写真でもなかなか伝わりにくい色です。
言葉で説明が難しいですが、
・24Kゴールドよりも淡い色
・遠目では主張が少な目の色
・でも近くで見ると、(*'∀'人)ワォ☆シャレオツー!

白のスパークリングワインに似た色からこういう名称で呼ばれていますが、とにかく大人の色香漂う逸品です。

そんなわけで、お話もまとまり、有難く仕事を進める運びと相成りました。

早速分解です。
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分解が終わったら、下地をしっかりと作るため、くたびれているメッキを剥離します。
剥離から帰ってきた姿です。
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一個一個丁寧に磨き上げをしていきます。
金属の形状修正が必要な場合、そちらもしていきます。
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こうしてキイの下地作りが出来たら、初めてメッキに出します。

これも何度か記事の中で書いていますが、汚い状態でもメッキを掛ければ綺麗になると勘違いされている方時々もいらっしゃるので、説明致しますが、メッキを掛ける上で一番大事になるのが、この下地作りです。
荒れてボコボコになった下地のままメッキを掛ければ、そのままボコボコが浮き上がって目も当てられません。

実際今でも気をつけて下地を作ってメッキに出しても、下地の不良がメッキが終わって帰ってくると露わになって目だってしまい、もう一度下地を作って再メッキということが稀にあります。

メッキも化粧と一緒で、下地のお肌が綺麗でないとノリが良くありません。
なので、一番時間をかけるのも、この作業なのです。


こうしてメッキが帰ってきました。
美しい(*´Д`)/ヽァ/ヽァ・・
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そうそう、管体木部も、汚れなどを全て取り除いてキレイにリセットします。

この際に使うのが、当方で開発したKlangマルチクリーナーです。

音孔などにこびりついた汚れが、しっかりと簡単に除去できるため、大変重宝します。
参考動画はこちら

但し、管体全部に使った場合は、管体の油分などが落ちてしまうので、入念にオイル処理をします。(管体外・中ともに)
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さあ、全ての下処理がおわったら、いよいよ組み上げです。
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ポストも一個一個元通りに組んで、バネも新しいものに変えていきます。
ここからは、普通のオーバーホールです。
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さあ、完成しました。
写真をご覧ください。
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どうですか?このシャレオツな色味!

写真だけでお伝えできないことがたくさんありますが、実物はもっとキレイに妖しく奏者を魅了します。

この写真をお見せして、他のプレイヤー様からも、同じ仕様にしてほしいと、ご依頼を頂きました。
有難いことです。。・゚・(ノД`)・゚・。

今回クラリネットでの施工でしたが、オーボエキイ、サックスネックなどでも、同様の施工が可能です。
他の奏者と違った、一歩先行く仕様にしたいという方、是非Klangまでご依頼ください。

皆様からのご依頼お待ちしております。


ではまた(^^)/~~~

ソプラノサックス ゴールドプレート改造計画 写真多め(´▽`*) 

ブログ読者の皆様、あけまして☆★おめでとぅ♪(祝'3`d)★☆ございます。

というにはあまりに時間がたってしまいましたが。。。(;´・ω・)

さて、新春1発目の記事は、正月らしくおめでたい、金ピカの楽器を載せてみようと思います。
そう、ラッカーの楽器をゴールドプレートにリメイクするという内容です(^ω^)

楽器はセルマーのソプラノサックスSerieⅢ。
SerieⅢが発売されて間もなく買われた、年代的には20年程経過したものです。
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さすが20年近く一生懸命使われた楽器です。
指の当たる部分を中心に、ラッカー剥がれや、金属の摩耗などが発生しています。
こんな感じの荒れた面ですが、どのように綺麗に変化していくか、ご覧ください。


まずは分解です。
ネジ類全て、セルマーのガタ修正(?)機構のパーツも全て外して洗浄します。
今回メッキ作業になるので、指貝も全部外します。
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そしてラッカー剥離です。
管体もキイも、キレイサッパリはがします。
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各部品1個1個、全て磨きをかけていきます。
キズや面荒れがあるところは、磨き前に修正したうえで、磨きます。

順番で行くと、面加工・キズ修正⇒下磨き⇒仕上げ磨き⇒ここで不良個所がまた新たに見えた場合は最初に戻る

といった感じです。
ひたすら地味です。
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管体は事前に細かいヘコ修正や、キズ修正もして、磨きをかけていきます。
単体はキイポストまわりなど、バフが届かない場所が多いので、一つ一つを手磨きで仕上げます。

これまた地味な作業です。(*´-д-)フゥ-3

これでメッキに出します。メッキ戻りまで、しばらく時間が経ちました。

そして


いよいよ


メッキが戻ってきました!!



キタ━━━━(*゚∀゚*)━━━━!!

美しい。。。(*´д`*)ハァハァ・・
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あとは普通のオーバーホール作業です。
バネ入れて、コルク貼って、フェルト貼って、タンポ入れて、調整して、、、

内容としては、以前の記事とカブってしまうので、敢えてここでは特別取り上げることはしませんが、
ちゃんとした開きをとること、キイの重さのバランスをちゃんととること、タンポ合わせたときに、隙間ができないこと、
その他いろいろありますが、楽器として普通の状態を作っていきます。←\_( ゚ロ゚)ここ重要
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そんで、新しい指貝入れて完成です!
ここからは、コーヒーでも飲みながら、じっくり写真を眺めて下さい。どうぞ( *´▽`)_旦~
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いかがですか(o'ω'o)?
新品と言われても遜色のない感じに仕上がりました。
見た目もそうですが、なんといっても音です!
ゴールドプレートにすることでハリのある、粘り強い音になりました。
楽器自体も長年吹かれて、管体がこなれてきたところにメッキをかけたのも、功を奏したかもしれません。

仕上がりの連絡を入れたら、お客様はその日の仕事を早々に片づけて、
会社を早退して駆けつけて下さいました(*'∀'人)☆
こういうドキドキ感、いくつになっても持ちたいですよね(´▽`*)

持ち帰られてから、しばらくしてまた来店されましたが、長年思い続けてきたことが叶って良かったと、
大変有難いコメントを頂きました。その感想をいただけて、またしばらく生きていけそうです。

また今後もより一層精進致します。


そんなことで、今回はメッキ改造大作戦をお送りしました。
今回はゴールドプレートで仕上げましたが、ご希望があればピンクゴールドでも仕上げることが可能です。
しかもピンクでも追加料金はありません。

また、こうしたGPメッキは、テナーサックスまでの大きさで出来ることは、確認できております。

長年使った楽器だけど、しっかり手を入れてまた使いたい、
ゴールドの楽器を買いたいけど、値段が現実的じゃない、

などのお悩みをお持ちの方、
その悩み、Klangまで相談して頂ければ解決するかもしれません。

新品GPの半額以下で、新品よりもいい状態にできるかと思います。

もちろん、以前の記事のように、管体だけ別の色にするなどのこともできますので、
気になりましたら、修理担当のヒゲメガネまでご連絡下さいm(_ _)m

それでは、新春一発目の記事でした。

ではまた(^^)/~~~

プロジェクトKlang ファゴットポッキリを解決せよ!!   ~その時修理屋が動いた~

もうこの修理は夏のおもひでなのですが、関東に雪が降るのでないかという、今頃記事のアップになってしましました。

相変わらず仕事が遅くてすいません(;´・ω・)

さて、今回のミッションは、ファゴットのテナージョイントのポッキリ修正です。
皆さんから見たら、「接着剤で固めたら、それでイケんじゃね(o'ω'o)?」と思われがちですが、
折れた部分は補強しないとまたすぐ折れてしまうし、折れた断面を見て頂くとわかる通り、
中に防水のためのパイプが入っているのもなかなか曲者です。(。-`ω´-)ンー

それでは、プロジェクトの内容を、順を追って説明します。
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まずは、水を吸いすぎてボロボロになってしまったパイプ外側を綺麗にするため、ボロボロ部分を除去していきます。
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ジョイントの残った木部をノミなどで綺麗に除去して、さらにカッターでキワの部分を掘り進めます。
これは、あとで大きな意味を持ちます。
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さらにボロボロ部分を手削りと機械削りで綺麗にしていきます。
病巣部を残してはいけません。(・∀・)ウン!!
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続いては、インナーパイプの補強材料に使う真鍮材をピッタリの寸法に削っていきます。
案外これは時間のかかる作業です。
削って計測、削って計測。。。。(*´-д-)フゥ-3
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ボロボロ木部を取り去った、綺麗になったインナーパイプを接着です。
今回の折れた断面は綺麗に折れていたので、折れた欠片が無くなっている等の事案でなかったのが、せめてもの救いでした。
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そして、3枚目の写真でカッターで掘っていたことが、ようやく意味を持ちます(∩´∀`)∩♪
出来上がった真鍮補強パイプを折れていたインナー樹脂パイプの外側にインサーーーーート!!!
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打ち込んで絶対外れてこないように、はめ込みます。
この時点で、折れたパイプは全くグラつかなくなりました。(d゚ω゚d)オゥイェー♪
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それだけではなくて、外側の木部の方も、新たに作ってあげないといけません。
メイプルの丸材をまた加工していきます。
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糸を巻く部分を削って、、、
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穴を掘って、、、、
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中ぐりをして真鍮パイプの外径とメイプル煙突の内径をピッタリに仕上げます。
失敗したら最初から削り直しになってしまうので、慎重に。。。。
削って計測、削って計測。。。。
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はめ込んで接着!

出来たー! キタ━━━(゚∀゚)━━━!!

良く見て頂くと3層構造になっています。
おわかりいただけただろうか。。。。

ちなみに、この部分水に晒されてしまうので、真鍮材のフタが必要なので、、、、
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このように作ります。
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そしてこのようにはめ込みます。
もちろん、ここのフタまで含めた状態でのジョイント寸法に仕上げるため、
最初にあらゆる部分を計測しておくのは、言うまでもありません。
どれか一つでも寸法を間違ったり計測のズレがあると、全てが台無しになってしまいます。
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そうそう、忘れちゃいけない音孔穴あけ。
真鍮パイプを突っ込んでいるので、この音孔くらいまで補強パイプが入っています。
これをわすれると、いくらキイを押しても音が変わりません ヘ(゚∀゚ヘ)アヒャ
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ようやく、それらしくなってきました。
寸法きっちり仕上げているので、この段階でもジョイントが気持ちいいくらいです。
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あとは糸を巻いて、ジョイントの硬さを確かめながら仕上げです。
グラつきの少ない、極めて良好なジョイント具合です。
ようやく完成しました! (o'д')ノ☆゚*。Congratu★lations。*゚☆ヽ('д'o)

出来上がってホッとしたら、急に疲れてきたのを覚えています。
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うちの地区ではファゴットを吹いている人口そのものが少ないので、当然修理そのものの数も少な目です。
でも、修理が来るときはほとんど重傷なことが多いように思います。
(過去の記事もご覧くださいm(_ _)m)

これは修理そのものが後回しにされてきたツケと、きちんとしたメンテナンス方法を知らされずに使われ続けてきたことによる、
相乗的な悲劇のように感じます。
是非吹奏楽指導をされていらっしゃる方々には、もう少しダブルリード楽器へのご理解を頂ければと願います。

また、折れてしまって使えないと倉庫の奥にしまわれているファゴットも、このように直ります。
是非修理代は多少高めですが、復活させて下さい。買うよりは全然安いです(´▽`*)


また、今回この修理をするにあたり、多大な修理に対するヒントを頂き、また材料提供までしていただいた、小松市の修理工房のOKB53(仮)様、また、こちらも多くのヒントを頂いた、新大阪のHRD様、
この場を借りて、厚く厚く御礼を申し上げます。  お二人のおかげで、また1歩成長させて頂きました。

それでは、年内にもまた何回か記事を作って、
Klangの店主は遊んでいないぞ、ということを皆様にお知らせしたいと思います。



ではまた(^^)/~~~

トロンボーンスライド軽量化(o'ω'o)? これがライトウェイトスライドだ!(嘘)

今回は短いネタです。
でも、修理屋としては嬉しい依頼だったことをよく覚えております。ヾ(*´∀`*)ノ キャッキャッ♪

この依頼を頂いた方は、2年ほど前に、はるばるトルコから依頼を頂いた、トルコ在住のトロンボーンプレイヤーさんなのですが、
その時は、こんな内容の修理をさせて頂きました。

過去の記事はコチラ

今回は、学生の時に使用されていたBachのトロンボーンがとにかく鳴りにくく、スライドを軽くすることで何とか鳴らし易くしてほしいということで、またまたご依頼を頂きました。

こんな場末の修理屋に、はるばる異国からまたまた依頼を頂けたこと、大変嬉しく思い、喜んで依頼をお受けいたしました。
①
スライドの洋白管のガード(銀色の管)を外して、抵抗感を減らしたいという依頼です。
他に細かいご指示を頂きましたが、メールだけでは限界があるため、細かいやり取りはSkypeを使って、ビデオチャットでやり取りをしました。


そんなことで、スライドを分解し、ガードを外して、スライドのレシーバーリングを取り付けました。
スライドは、すでにラッカーが剥離されていたので、とても分解しやすかったことを覚えています。
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スライドロックの爪はそのまま取り付けたんでは高さが合わないため、台座も作らないといけないのですが、今回はBachのトロンボーンにマッチするように、6角長形(イメージで今作った、形の名前)で作りました。
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取付位置をしっかり計測して、スライドに取り付けると、こうなりました。
作業をした周辺も綺麗に磨き直しました。最初からこういうスライドだったみたいになりました(´▽`*)
もちろん、消耗部品交換の際は、Klangフェルトをスライドレシーバー内に入れました。⇒Klangフェルト スライド用
スライドストップの感触はずいぶん向上しましたね( ^∀^ )
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この楽器は、プレイヤーさんが帰国の際に受け取りでしたが、今回はスケジュールの都合でご実家への発送となりました。
トルコへ戻られたあと、「大変楽に演奏できるようになった」とわざわざご連絡を頂きました。
有難いことです。

今回のカスタマイズは、楽器の性格を大きく変えてしまうため、誰にでもお勧めできるものではありませんが、
綿密なミーティングをさせて頂き、不確定要素もあることをご理解いただければ、こうした改造も承ります。


とにかく、こうしたご依頼を頂くにあたって、世はネット社会であるということを強く感じております。

こんな場末の工房でも日本全国あちらこちらからご依頼を頂いておりますし、このように海外からも依頼を頂けるのは、
こうしたブログやHPなどをご覧いただいているからだということは間違いありません。

ほかに宣伝のツールをあまり持っていない当方にとって、ここの記事は改めて大きな意味を持つんだなと感じております。

今後もこのブログにて、修理のお仕事の内容を、できるだけわかりやすくご理解いただけるよう、ご紹介して参りたいと考えております。

是非またご覧ください。

ではまた(^^)/~~~

怒涛のティンパニ4台 フルオーバーホール ここまでさせて頂きましたヘ(゚∀゚ヘ)アヒャ

さてさて、当工房は管楽器ばかりではなく、打楽器の修理もよくやっております。

学校関係などでは古いティンパニがペダルを踏むたびに、ギチギチ・パリパリなんて音を立てながら、
叩いているうちに、またはペダルを踏んだだけで戻ってきてしまい、チューニングが安定せず困ってしまう。
なんてことになっているところは多いかと存じます。

こんな感じ☞https://youtu.be/So5HFvuZoTM

今回の修理では、大幅に予算をつけて頂いて、4台のティンパニを復帰させるというミッションを頂きました。
なかなか打楽器に予算をつけてくれる団体さんは少ないのが現状多い中、大変有難いことです。
(実際打楽器は叩くと音が出てしまうので、大幅に後回しにされてしまいやすいです。)

フルオーバーホールの場合、外した部品を薬品洗浄したり、消耗部品の調達などがスムーズにできるように、
工房に4台持ち込みしました。
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工房内にティンパニ4台が入ると圧巻です。 Σ(゚Д゚ノ)ノオオォッ

一番古いティンパニで、30年近く前の物もあります。
まずは気合を入れて分解です。
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脚フレームの内側にテンションロッドという、ヘッドを引っ張ってペダルのアクション部分にまでコネクトする長い棒とその他部品があるのですが、ここが汚れとホコリと古いグリスでガチガチになっております。
これも全て分解です。
かなりのホコリ量です。
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ペダルのクッションです。
フェルトが大好きな虫が、食い荒らしています。
のちに交換してリフレッシュします。
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テンションロッドをかませる部品ですが、数十年分の劣化グリスが、こびりついており、
秋田弁で言うところの『メカメカじい』状態になっております。
後程薬品洗浄です。
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さて、外した部品を、洗浄です。
強力油分解洗剤でコスコスして汚れを落としていきます。
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こっちもコスコス・・・
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んで、アフターがこれ↓
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ベースの裏や、脚フレームの裏も、全て綺麗に掃除します。
修理とは、約8割これ掃除なのです。(ホント)
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もちろんチューニングインジケーターの中も、分解して洗浄します。
ここも、ホコリなんかが悪さして、動きの不良を引き起こしていることが多いのです。
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さっきのメカメカじい部品も、サッパリしてきました。
もう一回仕上げ洗浄すると完璧です。
2回に分けて洗浄します。
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では、クリーニングも終わったので、組み直しをしていきます。
テンションロッドが、気持ちよくなりましたね~。
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組み入れました。
可動軸部分にクッションのフェルトが入っているのですが、これも今回全てリフレッシュです。
新しいフェルトを入れて静粛且つスムーズになりました。
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さて、あのメカメカじい(これで秋田弁一つ覚えましたね(d゚ω゚d)オゥイェー♪)部品も綺麗になって、テンションロッドと接続します。
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新鮮なグリスをインストーーーール!!
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長いことバネには負担がかかりすぎていたので、これも新品に交換です。
この部品、まだヤマハで供給されておりますが、いつまで残っているものやら、、、
これを交換すれば、またこの先20年くらい使えそうです。
良い時に修理が出来ました。
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後は元通り組み直し、各部の調整や音域の修正を行います。
最高音の出方は、調整しだいで上下2音くらいはできるのですが、
正常な音域にセットするのが一番ヘッドとペダルのバランスが取れるので、ピッタリに調整します。

こうなりました☞https://youtu.be/3pm_Rtqtra8

今回の交換したヘッドは信頼の国産ブランド、ASPR(アサプラ)のSTヘッド、鉄芯入りを採用いたしました。アサプラHPはこちら
このヘッドブランド独自のヘッドのロック機構と、それを抑える部材に鉄心を採用したことにより、
抜群のチューニングの安定性と、芯の強い、立ち上がりの良い音色を実現しました。
今年になって何枚もヘッド交換をしましたが、とても安定性の高いヘッドです。
また、営業担当の方も、ヘッドについて並々ならぬ知識をお持ちで、こちらの質問にも的確に答えていただけます。
こちらとしても、とても信用がおけますね(´▽`*)
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このアサプラヘッドは、2016年9月現在、秋田では当工房のみ販売特約をしております。
今回のようなティンパニヘッドの他に、ドラムヘッド、スネアヘッド、コンサートBDヘッドなども幅広く製造しているので、
ご興味のある方は、当工房までお問い合わせください。カタログもございます。


さて、この記事に載っている内容を、あともう3台やりました。疲れました(*´-д-)フゥ-3
そして2t車に一人で積み込み、納品してきましたです。ハイ。

でも終わった後のペダルのスイスイ感と、ピシッと止まってチューニングが安定した感覚は、この修理でなければ得られない感触なので、買い替えを検討されている団体様は、今一度修理という選択肢も入れてみてはいかがでしょうか?
1台購入するくらいの金額で、4台がビシッとした状態に生まれ変わります。

このティンパニたちも、この先もずっと活躍してくれることでしょう。
この修理の機会を頂いた団体様に感謝です。


余談ですが、このような修理をしてほしいという団体様は、こちらから出張修理なども致します。
近県ならば、出張も可能なので、お困りの場合はお声掛け下さい。
(遠方の場合は宿泊なども発生しますが、なんとかなります)
もちろん、引っ越し便などで送って頂いての修理も可能です。
是非生まれ変わったティンパニのアクションと音を体感してください。

今回は長い記事で失礼しました。
自分も書いてて疲れました。寝ます。

ではまた(^^)/~~~

ソプラノサックスオーバーホール+仕様変更   こんなんできました。

え~、だいぶ更新をサボっておりました。

定期的にこのブログを見て頂いている方はどのくらいいらっしゃるかわかりませんが、当工房にお問い合わせの連絡を頂いたときに『ブログみました~』と言ってご依頼を頂く機会が多いと感じます。

なのにブログの更新はこの体たらく。反省しました。(今だけ(o'ω'o)?)

なので、この修理内容も、もう半年も前の仕事ですが、ネタだけはしっかり押さえていたので、記事に致します。

今後もネタだけはいろいろ溜っているので、徐々に小出しに記事にしていきます。
なので、ブログをご覧いただいている方々、またこまめにチェックしてください。m(_ _)m

さて、今回はセルマーⅢのソプラノオーバーホールです。
今回依頼を頂いた方は、当方が開業間もないころから足しげく通っていただいている、大変有難いお客様です。
普段からジャズにビッグバンドにロックバンドに吹奏楽にアンサンブルと、縦横無尽に活躍されているお方です。
そんなお方の楽器ですので、そろそろタンポなども限界を迎え、いよいよオーバーホールという運びになりました。

しかし、上記のような活躍をされていらっしゃるお方です。
タダのオーバーホールで事を終わらせるようなことは致しません。
全タンポのこの機会を逃さず、「佐藤さん、このソプラノどうしましょうかニヤニヤニヤ(・∀・)ニヤニヤニヤ」と、、、、
だったら「誰が見てもKさんの楽器とわかる仕様にして、アグレッシブに攻められる強力なウェポンにしましょう」ということになりました。
つーことで、早速分解です。
IMG_0080.jpg

さすが長年の汚れもありますね。
今回は管体にいろんなことをするので、バネも全て外します。
IMG_0081.jpg

さて、ここで外した部品を見て頂きたいのですが、セルマーの新品の楽器の場合、最初にくっついてくるタンポは裏面にシェラックという接着剤(外したタンポに茶色くついているもの)がほとんどついておりません。
実はタンポの調整において、このシェラックというものが、裏面全体に均等にしっかり回っていないと実質調整はできないようになっております。

なのでこの状態では、タンポそのものの調整は、ほぼかなわないので、キイカップの角度だけで何とかしなければいけない状況となってしまいます。
よく巷で言われる楽器の当たり外れとは、自分としてはほとんど調整によるものだと思っているのですが、タンポがこんな感じである以上、たまたまタンポの当たりが良くなっていたものが、他の物より良く鳴ったという結果で『当たり』となっているように感じられてなりません。
もちろんタンポそのものの変化も、どうしてもこの状態だと大きくなってしまいますので、あとあとの調整の変化も大きくなりがちです。

しっかりと塞がるところが塞がって、キイを閉じるタイミングが合っていて、開きが適正になっていれば、ほぼ例外なくすべての楽器がきちんと鳴ります。
なので、目に見えない部分ですが、このあたりの重要さはお分かりになって頂けたのでないかと思いますが、如何でしょう(o'ω'o)?
IMG_0082.jpg

さて、くどくどとメンドクサイことを書きましたが、ここからが今回の修理のハイライトになります。
この楽器の状態を大きく変化させるため、まずは全体のラッカーの剥離からスタートです。
今回は剥離残しがあってはいけないので、業者に依頼してガッツリ剥離してもらいました。
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綺麗にラッカーがはがされました。

そして、これを隅々まで磨き入れて、微細なキズなども修正していきます。
いよいよ磨きあがりました。
20160204_155424.jpg
そしてこの本体はメッキ屋さんへと旅立ちます。
そして約10日後
~About 10 days after~


こんな姿に生まれ変わりました。
ご覧ください。
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寄った写真ならばお分かり頂けたかとおもいます。
そう、サテンシルバープレートですΣ(゚Д゚ノ)ノオオォッ!!!!
白い輝きが何とも言えずΣd(゚∀゚d)イカス!な感じです!


もうここまでくれば、あとは普通のオーバーホールです。
バネを入れて、タンポを入れて、キイコルクとフェルトを全て付け替えます。
コルクに関しては、クッションになるところ、バランスに関係するところなど、用途に分けて、様々に厚み、材質、形状を変えて採用しております。

途中経過はこれと言って目新しい作業は無いので、バッサリ割愛して、もう結果を見て頂きたいと思います。
ということで、完成です。
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今回は予算の関係もあり、キイはもともとのラッカーのままです。
ネックも様々な仕様にして所有されているので、ネックの方も今お持ちのままにしております。(アブノーマルな仕様ですが)

今後徐々にキイの方も部分部分で仕上げていこうか、なんて話も致しております。その時にはどんな仕様になるやら、、、

しかしサテンの管体にラッカーのツートンが映えます。
何ともカッコイイじゃありませんか(・∀・)ウン!!
音もサテンの仕様らしく、立ち上がりの良い、キモチ良いサウンドを出してくれます。

当方ではこのようにサックスの管体、また今回はしておりませんが、キイについてもメッキなどの変更や、ラッカーの再施工なども承っております。
また、キイと管体のメッキの仕様を変えるなんてことも出来ますので、世界に1本しかない、あなただけのオリジナルサックスを作ることもできます。

カタログに無いオリジナルの楽器を作ることは、さらなる愛着をもたらしてくれると思います。
楽器に新たな息吹を与えたいとお考えの方は、是非当工房までご相談下さい。
ご希望に沿えるよう、一生懸命頑張りますィョッシャ━( p`д´)q━!!

ではまた(^^)/~~~

中古トランペット YTR8335HS Klangスペシャル仕様のご案内 ヽ( ゚Д゚)人(゚Д゚ )ノ

とうとう作りました。
1990年代の名器、ヤマハYTR8335HSのKlangオリジナルチューントランペットいよいよ販売体制整いました。

見た目にはパーツがピンクゴールドのオサレなつくりとなっていますが、それ以外にいろいろと仕掛けをしております。
主管とベル支柱に独特の加工をしており、抜群のベルの響きやすさと、振動ロスの少ない加工により、レーザービームのようなアグレッシッブな音の遠達性と、弱音でのコントロール性が魅力です。
20160402_133038.jpg
組み上げ前の、メッキ上がり直後の写真です。
ここからピストンやキャップ類の修正をしていきます。

そのまま組み立てたら大丈夫なんじゃね(*゚Д゚) ? と思ったあなた!m9(゜Д゜)
当方メッキは全て外注で、装飾関係に国内最高峰の技術を持つメッキ工場に依頼して施工してもらっております。
他の工業系のメッキよりも、かなり厚めのメッキをしてもらえるので、耐久性はバツグンです。
しかしながら、ケーシングのところや、ネジ部分など、マスキングができない部分は、メッキが入り込みます。
すると、ネジもピストンも入らない状態になっております!!
なので、摺合せなどの加工をしながら、精度よく仕上げていく調整が必須となるのです。

20160404_091952.jpg
んで、組みあがった状態です。美しい。。。(*´д`*)ハァハァ・・

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指貝は新品を採用しました。フェルトはもちろんKlangフェルトです。コロコロタッチになりました。

20160404_092216.jpg
ウォーターキイコルクには人工コルクを採用し、耐久性・密閉性を高めております。
ネジ・キイもピンクゴールドで耐久性を高めております。

価格はなんと¥183,000(税抜)です。
これこそまさに、中古でなければ手に入れられない1本です。手間の割には安いんでないかと思っております。
当店トランペットの中古品は人気が高く、特にこうした再生トランペットは売れるまでの足が速いです。
是非この機会に状態のいい中古品をお探しの方は、ご検討下さい。
もちろん試奏も可能ですので、ご予約の上ご来店下さい。

ではまた(^^)/~~~

少し前の仕事

気が付けば1月もさっさと終わり、2月も中盤に差し掛かろうとしております。
以前よりパソコンにゆっくりと向かえなくなっている気がするこの頃ですが、今日こそ記事の更新をと頑張っております。

この作業は、去年の11月くらいの仕事でした。
今頃記事にするくらい更新がデタラメなのはお許しください。

今回の依頼の楽器は東京都内在住の方の所有で、セルマーのバランスアクション。
しかも2台です!製造番号は2XXXXで、手元の資料によると1930年代の製造ということで、なんと戦前の楽器となりますΣ(゚Д゚ノ)ノオオォッ!!

同じ持ち主の方が、製作年の近いものを2つ所有しており、1つは全体のオーバーホールと薄くなった管体の当て金、及びサムレストの製作という内容。
もう一つは、オリジナルには付いている(下の写真赤丸部分参照)キイの開き止めのアジャスターが、付け根の部品からごっそり無くなってしまっているのを作ってほしいとの依頼でした。
DSC_0011 部品
このアジャスターが無くなっている楽器は、都内の修理屋さんでオーバーホールをされたものだそうですが、ここの部品の製作は調整上問題ないからいいでしょ?との話だったので1度は諦めたそうなのですが、やはり、もともとあったものが無いというのも、何とも寂しい感じだし、せっかくある稀有な調整機構なんだから、生かしたいとのことで、ネットを探ったら当方で何とかなるのでないかとお感じになり、依頼を頂きました。

もちろんやったことのない作業ですが、やったことのない作業はやったらできる作業になる。(・∀・)ウン!!
そういう仕事は大好きなので、お引き受けいたしました。

ということで、アジャスターの部品を取り付ける台座の製作です。
IMG_0012 (800x600)

これをネジ切して、寸法を合わせて、無くなっているキイポストに溶接します。
これでまずは台座の完成です。
IMG_0010 (800x600)
IMG_0011 (800x600)

次はアジャスターの製作です。
こちらはアジャスト部とロック部の二つで出来ているので、そこを寸法通りに作ります。
回しやすくローレットも入れていきます。
IMG_0013 (800x600)

そして旋盤で棒にネジ切をして、棒と部品を溶接して仕上げます。
IMG_0014 (800x600)

これで組み合わせて、アジャスター完成です。
左がオリジナル、右が当工房製の新アジャスターです。
見た目は少し違いますが、寸法は一緒です。
IMG_0015 (800x600)

部品を組んで、バランスの調整もし直して完成です。
完全にもともとの機能を取り戻しました。
IMG_0016 (800x600)
IMG_0017 (800x600)
しかし便利な機構です。これ以降の楽器でこのシステムが無いのは、何とももったいない感じがします。
セルマーさん、この楽器の復刻しませんか? d(-∀-。)ネッ!





あとは、もう1本の楽器はオーバーホールで、ヘコ修正やハンダバラバラの修正、全部のタンポのメタル化などです。
作業中の写真は撮ってなかったので結果報告です。(;´・ω・`)ゞごめんなさい。
DSC_0006-1.jpg

このオーバーホールの際に、サムフック横の親指が当たる部分の穴あき防止にプレートの追加をしました。
これでまた長い年数の使用にも耐えてくれます。
DSC_0008.jpg

また依頼者の方が、もともとのサムレストは形状が小さくて使いにくいので、大きくした方が使いやすいとの依頼もあったので、
サムレストの位置を調整し、この楽器用に黒檀でサムレストを作りました。
これで現代の楽器のような使いやすさも得られ、また木製レストならではの、やや落ち着いたトーンになりました。
DSC_0009.jpg


今回の2本、大変貴重な楽器であることと、初めての作業が満載の、とても修理屋冥利に尽きる、思い出深い修理となりました。
また、このような場末の修理屋に都内からわざわざご依頼を頂きましたお客様に、ただただ深くお礼を申し上げる次第です。
ありがとうございますm(_ _)m これからも精進致します。 ィョッシャ━( p`д´)q━!!


当工房はこれからもお客様のご期待に応えられるよう、修練と研究を重ねて参ります。
これからも、できないことはできないけど、できることは全力でやる(なんだそりゃ?)工房を目指して参ります。

皆様からのご依頼、お待ちしております。m(_ _)m


ではまた。(^^)/~~~



新製品発売と新入荷の紹介 Σd(゚∀゚d)

新年だいぶあけましておめでとうございますm(_ _)m
本年もKlangをどうぞよろしくお願いいたします。(*・ω・)*_ _))ペコリン

さて今回のKlangフェルト新商品はヤマハフリューゲル用と、トロンボーンの停止帯フェルトです。

トロンボーンにフェルトってなんだ??
って思った方も多いかと思います。
そりゃそーです、普段はスライドを戻したところの、スライド外管の中に入っていて、
まったく人目につかないようになってますから。

でも、これがなかなか大事なパーツでして、学校のトロンボーンなんかで、
スライド戻すたびにガッキンガッキンいわしてるのは結構多かったんでないかと思われます。
またスライドのロックを正常に利かせるためには、とっても大事な部品なんです。

でも、大概の純正パーツはすぐに硬くなってスライド戻すたびカンカンカンカン・・・・。・゚・(ノД`)・゚・。
なんで、もうちょっと耐久性が必要なものをと思っていたら、そうだ、Klangフェルトの素材があるジャマイカ!
そんなんで作りました。ヤマハ用とBach用の2種類です。

特に、修理屋のみなさん、Bach用のスライドフェルトでご苦労されていませんでした?なかなか流通してなくて。
これでお悩みひとつ解決ですよ!
ご注文希望のお店様・工房様は、ぜひ当方まで、またはお取引の問屋さんまでお問い合わせください。
ちなみに価格は1個¥280(税抜定価)です。

なお、こちらはスライドフェルトを抜く専用工具が必要となるため、楽器店並びに、修理工房様限定での販売となります。
悪しからずm(_ _)m
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んで、次がフリューゲルホルン用のフェルトです。
機種としてはヤマハの631、731、8315、8310Zに使用可能です。
ちょっと昔のXenoフリューゲルは、またちょっと違った仕様になるので、お問い合わせください。
また今は無きYFL2310には、すでに発売中のヤマハトランペット用Klangフェルトセットをご使用ください。

価格は、押金・ピストン用ともに、1個¥200(定価税抜)です。
ご注文お待ちしております。
Xenoフリューゲルをお持ちの方も、セットをお作りしますので、お問い合わせください。
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さて、この写真のレトロなケースですが、コレ新品です。まだヤマハでこんなケース作ってたんですね。
これ、中身は何かというと・・・
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写真見ても「何コレ(゚Д゚)ハァ?」という方もいらっしゃるかと思いますが、
ヤマハのバルブトロンボーンです。
出てくる音はフツーにトロンボーンなんですが、なんてったってピストンがついてるもんで、
今までトロンボーンでは考えらんなかったような、超絶フレーズも難なく(?)吹けてしまいます。
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元の方でも在庫希少だし、
新年だし、
セールらしいことも目玉商品もなかったし、
コレがあったら新しいお客さんも来てくれるかもしれないし、
他じゃ置かないでしょ、ってものを提案しているのもウチらしいかな?
なんて思ったりしたんで、

思い切って、仕入れちゃいました!!!
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ヤマハYSL354V ㋱¥195,000(税抜定価)のところ、
¥165,000(税抜)にてご提供いたします。
ネットにも出ているものもありますが、定価は改定になっておりますので、
ここで提示している価格が現在の定価です。念のため。


そんなことで、ウチに来てくれるお客さんなら、欲しくなってしまうであろう1本をご紹介しました。
これが売れたら次の入荷がいつになるのか?はたまた、今後もウチが仕入れようと思うのか?
そんなことを考えたらとても貴重な1本になりそうです。

もちろん試奏可能なので、お早目にボーナスの残り、またはお年玉を握りしめて、
是非御来店下さい。

お待ちしております♪ヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノ♪



長文失礼しました。
ではまた(^^)/~~~

年末年始の営業について

寒さが例年よりも穏やかで、春を迎えそうな秋田でございます。
しかし、これからいきなりドカ雪が来るのでないかと、日々恐々としております。

ところで、当工房は、年末は12/30~1/3まで、冬季休業を頂きます。
それ以外では、12/27が定休、12/28は午前休を予定しております。
御来店は、是非ご一報を頂けると、不在などで失礼が無くていいかと存じますので、よろしくお願いいたします。

さて、また近々発表致しますが、大好評Klangフェルトに新商品が追加されます。
メンマみたいなものも並んでいますが、食材ではありません。悪しからず。

来年もこのフェルトの拡売、並びに、さらなる修理技術の向上に努めて参りたいと存じます。

では、今日はクリスマス・イブ。  皆様のご健康と、音楽業界の更なる発展を祈念して。
゚☆。Merry Xmas。☆゚ ─=≡Σ((( っ゚∀゚)っ

DSC_0017.jpg

寒い季節は要注意!! 音孔割れのお話∑(゚ω゚ノ)ノ

皆様、いつもご覧いただき、ありがとうございます。

北国秋田も、朝晩1桁台の気温で、冬も近づいてきております。
ところで、寒い季節になると、良く発生してくる修理が、クラリネットの管体割れ修理であります。
これがよく音孔にかかって割れているとこが多く、ほとんどの場合上管トリルキイ上から2つが、その犠牲となっております。

ここの割れがあまりにも大きくなりすぎると、音孔の形状が変形してしまい、タンポを新しく交換しても、まったく穴を塞げない事態になってしまいます。
こうなったら、音孔の歪んだ形をした部分が無くなるまで削って、新しく作った音孔の立ち上げ部分を接着します。
まずは、専用のドリルでガッと削ります。
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これで音孔の形状は変形した部分は無くなりました。
何が大変って、まっすぐ削るのが意外と難しいんですよ、これが。(*´-д-)フゥ-3

そして、新たに作っていた音孔の立ち上げを用意して、


削ったところにキュっと嵌めて接着します。
20150610_144955.jpg
嵌めてしばらくしたら、接着剤などをキレイに処理して、もう一度仕上げて完成です。


アップの写真です↓
20150610_145021.jpg
あまり違和感なく仕上がりました。
これで音孔としての役割を取り戻し、タンポも綺麗にセットできるようになり、モレも無くなりました(´▽`*)
これでもう、多い日も安心(?)です。


新しく作る音孔は樹脂製のものが加工しやすく便利なので、採用しております。
当然ながら、もう音孔そのものが割れる心配はありません。

こんな感じで音孔の再生は可能なのですが、やはり割れを発生させないことが大事です。
急激な温度変化を極力避けて、少しずつ管体を環境に馴らしていきましょう。
また、音孔に溜った水分は、確実に取り除いていきましょう。\_( ゚ロ゚)ここ重要!

木製の楽器は上手に取り扱っていけば、何十年ももちます。
また、割れやすい・割れにくいに、楽器の値段の差はない(高級だから割れにくいなんてことは無い!!)ので、
こまめなケアをしてあげましょうね(・∀・)

ではまた(^^)/~~~


大好評 Klangフェルト新発売のお知らせ★(o゚∀`从'∀゚o)★

だいぶ更新をサボっておりました。

Klangは新店舗に移りまして、早1か月が経過しております。
安心してください。やってますよ(´▽`*)

ところで全国の楽器店・修理専門店などでご好評を頂いておりますKlangフェルトですが、新製品が登場いたしました。

念のため、初めてKlangフェルトというものを聞いた方にご説明いたしますが、金管楽器のピストン部分で使用されている、ピストン部分と笠ネジの間、及びピストンボタンと笠ネジの間に使用されているフェルトの純正交換タイプのオプションパーツです。
純正部品では、耐久性やピストンのハネなどで難があることが多かったのですが、このパーツに交換して頂くことで、耐久性が大幅に向上し、またピストンタッチも向上するというパーツでございます。(使用された方の感想によると、音質も向上したという方もいらっしゃいます)

今までは、輸入品のフェルト類を作っていなかったのですが、ご要望が多くなってきたのでとうとう作りました。

・ベッソン ユーフォ/バス用
・ウィルソン ユーフォ用
・ヤマハ 旧タイプ用(金属ガイド時代用)

それぞれ価格はトップ用・インナー用ともに1個¥220(税抜)です。なんで、セットになると8個入りで¥1760です。

少し硬めにピシッと止まる感触は、Klangフェルトならではです。是非お試しください。

楽器店様からのご注文にも対応致します。直接卸をご希望の会社様は、当方のHP(こちら)にある電話、またはメールでご連絡下さい。
また、卸業者を紹介してほしいという場合も同様にご連絡下さい。

また、一般個人のユーザーの方で、お近くに取り扱いの楽器店が無いという方には、直販もしております。(ゆうちょ振込、カード1回払い対応)
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過去記事でもご紹介しております、ヤマハ用ユーフォ/チューバフェルト、またトランペット用フェルト(ヤマハ/Bach)も好評販売中です。
Klangフェルトをお求めの方は、是非お近くの楽器店、管楽器修理専門店または、当工房まで御来店、またはお申込み下さい。

ではまた(^^)/~~~

こんなこともやってます。 マウスピース再生 ~黒ルテニウム はじめました~

更新御無沙汰しておりました。

今回は日常的にやっている、割と依頼の多い内容の仕事だったけど、いままでここで紹介していなかった。
そんな内容をご紹介したいと思います。

今回依頼のお仕事は、30年程前に、中学1年生の時に買ったマウスピースを、未だにほぼメインで使用されていて、
メッキもだいぶくたびれてきていて、キズなどもだいぶ甚だしくなっているものの、この当時のものと現在の同じ型番のマウスピースとでは、リムなどの形状が違うために、このマウスピースを再生できないかとの内容でした。

もう1本も、同じくらいの年代の型番違いですが、同じくらいのくたびれ具合です。中古で手に入れて、こちらは色違いにするという内容です。

よく見ると、リムトップにもアタリがあって修正が難しいですが、慎重に作業を進めていきます。
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まずは、メッキの下の層まで、粗削りをします。こうすることで古いメッキを除いて荒れた下地を整えます。
特にリムとシャンクは、形状の変更があまりなされないようにしていきます。
ここまでが粗削りの工程です。
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続いて、荒磨きです。
前の工程での傷をここで磨いて滑らかにしていきます。
ここの工程で下地の状態がほとんど決まります。
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続いて仕上げ磨きです。
左が荒磨き、右が仕上げ磨き後です。伝わりますか(o'ω'o)?
ここで気になったキズや修正個所は、前の工程に戻って修正です。
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ということで、2本ともメッキ前の仕上げ磨きが完了しました。
リムにあったアタリやキズも綺麗に修正されました。
ここまでやって、初めてメッキに出荷できるようになります。
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そんで、メッキから戻ってきた姿がこちらです。
中古で入手した方が、黒ルテニウム(左)、メインで使用していた方がリムピンクゴールド+ボディシルバー(右)です。
こうなると、ほとんど新品です。
ある意味では、新品より下地の磨き込みの精度を上げているので、新品よりキレイです。
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お客様に引き渡した際には、かなりご満足いただけた様子で、その夜マウスピースを眺めながら酒を飲んだとの嬉しいご報告を頂きました。
その後もこのお客さんからは、また別のマウスピースを持ち込んで頂きました。有難いことですヾ(*´∀`*)ノ キャッキャッ♪




マウスピースはもともとの状態によってメッキ作業の金額が大幅に変化します。
作業時間がそのまま金額に反映されるので、今回のようなレベルだとそれなりの金額になってしまいますが、少々のシャンクキズくらいなら、案外お安く出来たりします。

ここで紹介した以外に様々な仕上げ(ピンクGP、グリーンGP、シャンパンGP、アンティークGP、プラチナetc・・・・)が可能です。
色見本を見たい方は、当工房まで来ていただければ、様々な仕上げの中古再生マウスピースがありますので、是非ご来店下さい。
もちろん販売しております。中には貴重なマウスピースもありますよ(o^―^o)



楽器店様からの下請けも行っております。ご依頼の際にはホームページからメール・お電話などでご依頼ください。

皆様からのお問い合わせ、お待ちしております。m(_ _)m

新発売! Klangフェルト トランペットトップ用フェルトのお知らせ★(o゚∀`从'∀゚o)★

発売以来好評を頂いているKlang金管フェルトですが、この度新製品として、
トランペットトップ用のフェルトの製作・発売ができました。

今回の商品の製作にあたって、目指したコンセプトは、
①しっかりとした止まり心地
②フェルトとしての静粛性
③圧倒的な耐久性

でした。

なかなかこれに合う素材が見つからず、発売まで時間を要しましたが、
ようやく良いものと出会い新商品としてご紹介できるようになりました。

ヤマハ用/バック用 2種類のフェルトをご用意致しました。
特にバック用のフェルトは、なかなか製品として数が少なく、あっても全国のお店に流通している製品は少ないので、
バックユーザーには朗報であると思います。

今日のブログはこのバック用のフェルトを使って、交換作業をご紹介いたします。


灰色がピストンフェルトで、すでに発売中のものです。
黒が今回新発売のトップ用フェルトです。
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まずは、古いピストンフェルトを外してトップキャップのゴムを、小さいドライバーか針を使って取ります。
ピストンフェルトは新しいものを入れて下さい。
20150615_205939.jpg

そして、新しいKlangフェルトをトップにおいて、
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指でギュッと入れていき、
20150615_210130.jpg

全て押し込みます。
正確にキッチリ入るので、フェルトが外れたり動いたりしないので、接着剤は不要です。
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後は組み直して完了です。簡単です(o^―^o)
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フェルトの劣化は、雑音の発生を引き起こしたり、ピストンの穴ズレを起こしてしまいます。
定期的に交換をして、気持ちいいタッチを維持しましょう。

価格はトップ用 ヤマハ/Bachともに、1個¥250(税抜)です。交換の際は3個一緒に交換をお勧め致します。
また、ピストン/トップのフェルトセットでの販売も致しております。
セットは¥1,350(税抜)です。タッチ感の統一には、セット交換を是非お勧めいたします。
やや硬めの感触でピシッと止まり、ブレも少ないのでピストンが軽くなったような錯覚を感じます。

お求めは、お近くの楽器店様で、または当方直接の場合は、ホームページの方から、メール、またはお電話でお申込み下さい。

卸売り希望の楽器店様も是非ご一報ください。
皆様からのご注文、お待ちしておりますm(_ _)m

アルトサックスオーバーホール ~ヤマハ82Zを強化せよ~

今回のネタは、結構前にやった仕事ですが、いろいろやっていたので、内容として面白いかもしれません。
宜しければ、最後までお付き合いくださいm(_ _)m

この楽器はヤマハの82Z。発売以来好評の楽器で、全国的にも大変流通量の多い楽器です。
御依頼の方は学生の時にバリバリ吹奏楽・マーチングで使用されていて、しかもほとんど修理らしい修理をしたことが無かったとのことでした。
なんせ使われ方がハードなため、消耗部品の劣化がかなり激しく、今回オーバーホールという運びとなりました。

折角なんで、オーバーホールの追加オーダーで、
① タンポをプラ反射板から、メタル反射板に変更
② ベル~本体継ぎ目のハンダ付け
③ ネックのヘコ修正をして、プラチナプレート仕様に変更
を頂きました。

オリジナリティあふれる仕様になります。
それでは作業をご紹介いたします。


まずは分解です。
ここで修正が必要な個所などが、発見されることもあります。
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ネジ類も全て外してクリーニングします。
真っ黒なネジも、キレイサッパリ、リフレッシュです。古い油を落とすことは、
車のエンジンオイルのフラッシングみたいなものです。\_( ゚ロ゚)ここ重要!
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さて、ベル接合部ですが、、、、
20150120_114934.jpg
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パカッと外すと、接着剤がコッテリとついています。
漏れが無ければそれでもいいのですが、ハンダで接合することで、振動のロスが無くなり、確実に楽器の響きが底上げされます。
後程ここはハンダで修正します。


次はタンポを外して、キイの洗浄と管体の洗浄です。
後程メタルの反射板のタンポをインストールしていきます。
20150120_152708.jpg

接着剤を取って、ハンダでベルの継ぎ目を接合しました。
これで漏れが無くなって音のつながりが大幅に向上します。
20150120_181155.jpg

後はタンポを組んでバランス調整をしていきます。
さて、バランス調整ということを聞いたことがある方もいらっしゃると思いますが、何をするかというと、

1・タンポの隙間が無くなるように調整
2・連動しているキイの、タンポを閉じるタイミングが同時になるよう調整
3・キイの開き具合が適正になるように調整

大雑把にいうとこんなことをすることを指します。
実際はもっと細かいこともたくさんしていますが、こんな感じと思って下さい。

光を入れて、タンポの隙間を確認し、
20150124_144554.jpg
20150124_144647.jpg
軽く閉じたときに、音孔全面にタンポが密着しているのを確認します。
これを全てのタンポで何度も確認します。

こんな作業と並行しながら、ネックのヘコ修正と表面の傷修正をして、メッキをオーダー通りにプラチナにしました。
当工房ではとても人気のあるプラチナメッキですが、とても音響的な効果が大きく、今まで何本も施工させてもらっています。
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完成した姿です。
色のコントラストも良いですね。 Σd(゚∀゚d)イカス!
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タンポの仕様も変更され、別物のようなパワフルな響きの楽器になりました。
こうした修理だったのでかなり高額なものになりましたが、こうした大仕事をお任せいただけたことに、
ただただ♪感謝☆(人゚∀゚*)☆感謝♪です。

また、記事を作っていきますので、是非ご覧ください。
また、自分の楽器をこんな風にしたいなどの希望をお持ちの方、是非お問い合わせください。

では、 ヾ(o'д'o)マ!!ヾ(o'ω'o)タ!!ヾ(o'∀'o)ネ!!

クラング 春の復活祭り ~パーツがなくても諦めるな!~

少し前の仕事ですが、ここでご紹介いたします。

このチューバ、某吹奏楽名門高校の備品のミラフォンですが、この写真のように指掛けがなく、
演奏上大変不便な状態になっておりました。
おそらく、パーツが無いため、修理をあきらめてしまっていたのでないかと拝察いたします。

そのほかにベルがまっすぐ立たない、写真にあるように2nd抜差しのフックもない、ロータリーが全部動かない、
などなどの理由で、ずっと使われずに楽器倉庫に鎮座しておりました。

今回思い切って復活させることになり、その作業を当方にお任せ頂くことになりました。
作業のハイライトの、指掛け復活作戦をご覧いただきたいと思います。


まずはハンダ付されている台座をひっぺがして、同じ形に成形します。
ちょうどよく洋白(銅+ニッケルの合金 ¥500玉の材料)の板があったので、同じように作れます。
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しかし思い切りよく壊れていました。指掛けのベースが根元からボッキリ折れて無くなっています。
パーツが無いので、作るしかありません(*´-д-)フゥ-3

そんなわけで、金属棒を削って、整形します。
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穴掘ってネジ切って、ロウ付けしてベース完成です。それっぽくなってきましたよ(d゚ω゚d)♪
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リングつけるとこんな感じです↓ ここで台座のRを管体のRと合わせて整形します
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あとは管体に戻してハンダ付けして、出来上がりです★(o゚∀`从'∀゚o)★
最初の写真で無くなっていた、2nd抜差しのリングも交換して復活です。
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これでこの楽器も、現場復帰ができるようになりました。

輸入楽器は場所によっては、部品調達が困難なことはままあります。
でも、当方修理屋なので、できることは可能な限りやってみます。
今回のようなことがあったとしても、写真の通りちゃんと直ります。
諦めずにまずはお問い合わせください。

ではまた(^^)/~~~

Klang金管フェルト トランペット用発売のお知らせ ★(o゚∀`从'∀゚o)★

この度好評を頂いているKlang金管フェルトのシリーズに、新しくトランペット用インナーフェルトを加え、新発売致しました。

材質はユーフォ・チューバ用で作成したものと同質のものを使っております。
耐久性・耐油性に優れ、フェルトのほつれも発生しにくい、楽器用のフェルトとして理想的なものとなっております。
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上記の写真の通り、ヤマハ用・V.Bach用の2種類を作成しました。
交換の際は、3個一緒に交換することをお勧め致します。


ヤマハの交換前↓
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Klangフェルト交換後↓
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フェルトとしては、しっかりした止まり心地で、戻った時のピストンのブレは、少なく感じます。
バネを交換しなくても、少しピストンが軽くなったような、錯覚を覚えます。
ゴムやスポンジタイプのような、衝撃音もフェルトなので発生しません。



価格は1個¥200(税別)です。
このフェルトは、全国の楽器店にて購入可能です。お近くの楽器店にてお求め下さい。
ちなみに、当方へお申込みされたい方は、当方ショッピング用のサイトをもっておりませんので、こちらから、電話、またはメールにてお問い合わせください。

卸売りをご希望の楽器店様は、当方へお問い合わせを頂ければ、卸業者様をご紹介、または直接卸をいたしますので、是非お問い合わせください。m(_ _)m

皆様からのご注文お待ちしております。

好評発売中! Klangフェルトの交換方法について 

今回は珍しく商品の説明です。

好評を頂いております、Klangフェルトという商品ですが、これはヤマハのチューバ・ユーフォ用のピストン・及びボタンのフェルトで、純正パーツから交換して、グレードアップを図るためのチューンアップパーツです。
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今までヤマハの純正パーツは、どうしてもヘタリが早く、また2枚重ねで使用しなければいけないため、入れ間違いなどの使用方法の間違いなども多く発生しておりました。
学校の備品の楽器などで、ピストンを動かすたびガッチャンガッチャンいわしている、ユーフォやチューバをしょっちゅう見かけておりました。

こうした問題を何とかしたいと、フェルト屋さんと材質・サイズを相談して、商品化したのが、このKlangフェルトです。
交換の時は、それぞれ1枚で済む上、耐久性も大幅に向上します。

では、交換の手順をお知らせ致します。難しいと感じた場合は、必ず楽器店にご相談下さい。
紹介している写真のモデルは、ユーフォでヤマハYEP621です。わかりやすく、フェルトは純正も新品を使用しています。

まずは、ピストンを取り出します。
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続いてピストンボタンを外し、トップキャップを外します。
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ここで大事なのがピストンボタンだけを外すということです。
ピストンの軸が回ってガイド(スピル)の締め付けが緩み、ガイドの位置が変わってしまうとピストンを入れることができなくなってしまいます。
ボタンが回らないときは、迷わず楽器屋さんにご相談下さい。


次です。
ボタンのフェルトを取り出します。フェルトは2重になっていて、フェルト→パッドの順で入っています。
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ピストンフェルトも外します。
これも上からフェルト→パッドの順で入っています。
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ここで外したキャップなどをクリーニングして、Klangフェルトに入れ替えます。
大きいフェルトはボタン用、小さいフェルトはピストン用です。
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ぴっちりハマるように、作っています。キュッと入れて下さい。
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ピストンフェルトも入れ替えます。
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どちらのフェルトも、1枚で済むように厚みを計測して作っております。これなら入れ間違いも起こりません(d゚ω゚d)♪

後は、トップキャップ→ボタンと組み立て、元に戻します。
他のピストンも同様に交換してください。
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これで完成です。少し硬めに止まる感触が心地いいです。
油や水分にも強いので、安心して使えます。
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ちなみに通常使われたフェルトは、こんな感じの状態になっております。
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できれば、こうなる前に交換をした方がいいですね。
フェルトがヘタるとピストンの穴の位置も変わってしまいます。定期的な交換をお勧めします。

Klangフェルトは現在ヤマハのユーフォ・ピストンチューバ用を販売しております。

モデルは、
YEP321Ⅱ/621用
YEP842/642用(コンペ付モデル)
YBB321・621/YCB822用です。
それぞれ、ボタン用は1個¥220、ピストン用は1個¥200です。(税抜価格)
セット販売もあり、こちらは各1セット¥1,680(税抜)です。
販売の際は別途消費税がかかりますので、ご了承ください。

また、こちらのフェルトは全国の楽器店でも販売しております。
お近くの楽器店で取り扱いがない場合や、直接当方へお求めの際には、こちらから、またはメールtomo09010667095@yahoo.co.jpにてお問い合わせください。

また、卸売りをご希望の楽器店様も上記からお問い合わせください。
直接卸、または取り扱いのある業者様をご紹介いたします。

皆様からのご注文お待ちしております。m(_ _)m

コルネット再生 ~魅惑の2トーンカラー編~

またサボリました。久々の更新です。

今回はコルネットの再生記事をお届けします。
木管の修理が多い当工房ですが、たまにこんな金管修理もやってきます。

当工房のお得意様の所有の楽器で、ヤマハのYCR6335という海外モデルで、抜差し管などの仕様が違うちょっと珍しいモデルです。(ちなみに国内仕様はYCR6330というモデル)
アメリカのサイトで入手した楽器で、そのまま当工房に持ち込んで頂き、シルバー+ピンクの2トーンにしてほしいとのご要望でした。

入庫した時はゴールドプレートが施されておりましたが、下地の具合がよくないことから、ある程度使用されてから後掛けでゴールドプレートをした様子です。この下地もきれいに整えないといけません。

また、ベルの支柱の下などに大きなヘコがあったりしたため、ベルは分解して再生していきます。
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ベルはまずヘコの修正からスタートです。変形した部分をハンマーとローラーで、トントンコロコロ・・・・
地味です (*´-д-)フゥ-3
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次に、ハンダ修正の跡があった抜差し管の再修理です。
抜差しの並行などがあまりきちんとした状態ではなくなっていたので、ここもハンダ分解をして、きちんと並行を取り戻します。
これで抜差しがスムーズになりました。(d゚ω゚d)♪
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さて、いよいよ磨きに入ります。
本体・ベル・パーツと、しっかり磨いていきます。
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この磨きの作業はやる程に奥が深いもので、使う布の大きさ、厚み、種類、使う研磨剤、また機械の回転数などが深く絡んでいて、それにより作業効率・仕上がりが大幅に変わってきます。

いまやっている作業方法が、正解かと思ってやっていますが、もう何か月か何年かしたら、もっといいやり方が見つかるかもしれません。また、そうしたものを見つけた時の喜びも大きいです。
これだから、この仕事辞められないんです。


さて、これで磨きが完了し、ベルと本体の装着も完了しました。
ここまでくれば、メッキへと出荷が可能になります。
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ベルの支柱下のヘコもすっかり綺麗になりました(∩´∀`)∩♪
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ようやくメッキが戻ってきました。
パーツはピンクゴールド、本体はシルバープレートです。
組み上げ前の写真です。横に撮ったはずなんですが、縦に写真がアップされてしまいます。
そこはご容赦下さい。ではどうぞ↓
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パーツを組んで、ピストンの調整をして完成です。
色のコントラストが良いですね Σd(゚∀゚d)イカス!
また、指が触れる部分の、サビなどによる変化が発生しにくいのもこの仕様にする大きな意味でもあります。
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今回ピストン軸の仕様もピンクにしたいとのことで、ここはBuzzのブラスステムを採用しました。
オリジナルのアルミステムではメッキが乗りませんので、サウンドの変化とルックスにこだわる方は、ここの部分の変更もおすすめします。

今回のような修理をご希望の方は、金額も大きくかかりますが、自分だけの一本を作ることが可能になります。
特に、新品の楽器をゴールドなどに作り変えるのは比較的楽にできます。

このような仕様の楽器を作りたい方は、是非ご相談下さい。
お問い合わせは、メールtomo09010667095@yahoo.co.jpか電話018-839-4232までご連絡下さい。
また、ご来店希望の方は、こちらを参照してください。

また、頑張って更新いたします。
ではまた(^^)/~~~


テナーサックスオーバーホール ~カドソン編~

久々の更新です。
いつもご覧いただいていらっしゃる方々におかれましては、この更新の遅さにいつもお付き合いを頂き、ありがとうございます。♪感謝☆(人゚∀゚*)☆感謝♪

今回は台湾製ジャパンチューンの先駆けの楽器、カドソンのオーバーホールをお届け致します。
カドソンは10数年前から国内で発売された、ブランドとしては後発のサックスブランドですが、国内のプロミュージシャン、とりわけジャズ、スタジオ系ミュージシャンの方々が、その性能の高さを見抜き、プロの間で先に知名度が上がり、その後一般のプレーヤーに浸透しはじめたという経過をたどって、現在に至っています。

その中でも、カドソンの知名度を上げるきっかけになったモデルが、今回修理依頼を受けたT-902AS・アンティークサテン仕上げのモデルです。独特の風合いを持った管体の仕上げにより、なんとも言われないシブいトーンを奏でる一品です。
今回の修理品は、まだ発売されてから間もないころのもので、現在の仕様と異なる部分もありました。そのため、そうしたところを修正しながら、各部調整を見直してまいります。

まずは分解から。
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タンポは経年の使用により、だいぶくたびれておりました。いいタイミングで修理に出して頂きました。
キイシャフトやピボットスクリューなども外して細かなところも全てクリーニングします。
キイコルクとタンポも全て外していきます。


さて、ここからは音孔の修正に入っていきます。
カドソンの902シリーズの特徴に、この音孔の立ち上げ部分のカーリング(フルートでいうところのドローントーンホール)があります。
この頃はまだ音孔の上面加工をしておらず、音孔の歪みが少々残っている状況でした。音孔から光が漏れているのがわかると思います。
まずはこの音孔の歪みを修正・加工して、すべての音孔をフラットにしていきます。
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下の写真が修正後の写真です。ピッタリと漏れがないのがお分かり頂けるかと思います。
ちなみに現在のカドソンではこの加工は全てのカドソンサックスに施工されております。
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ベルも分解して、主列部分との繋ぎ目をクリーニングします。
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ここは後程、繋ぎ目をハンダで接合します。そうすることで、モレなく振動が伝達しやすくなり、ベルが格段に振動しやすくなります。

この後は、管体・キイともに洗剤で洗浄していきます。汚れ・サビ・ホコリなど、きれいさっぱり落とします。
これにより、修理後のさわやかさが格別になります。

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上の写真は、音孔の大きさに合わせて、タンポのレゾネーター(反射板)の大きさをセッティングしているところです。
当工房では、タンポと反射板を、音孔の大きさに対して最適なものに合わせて組んでいきます。そうすることで、調整の効率や、サウンドの面で大きな効果をもたらします。

今回の修理では、ドーム型のレゾネーターを採用しましたが、他にもセンターリベットタイプとプラスチックのものを、当方では用意してあります。

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タンポを組んで右手主列を調整しました。
ちなみに4つ並んでいるタンポのうち、真ん中2つのタンポは、同じ大きさのタンポです。しかし音孔の大きさが違うため、使う反射板の大きさを変えるのが望ましいのです。先の説明において、反射板を組んで合わせていく必要性は、こうしたことがあるためです。
全ての音孔に対して、最適な大きさの反射板をセレクトしてあります。一見効率が悪そうですが、自分的には高効率なのです(・∀・)


最後に全てタンポとバランスの調整をして、Buzz のネジセットを組んで完了です。
これはサックス用のアフターパーツとして発売されており、各メーカー用に作られております。
それぞれの種類・その効果などについてはメーカーサイトをご覧いただくと、詳しく説明されております。
http://www.nakajimagakki.jp/buzz.html

これで振動のロスが、より軽減され、強力な戦闘能力を得られました。
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上の写真でなかなか目立たないですが、キイフェルトはオリジナルの緑色から黒に変更しております。
オーバーホール時はお好みに合わせて、キイフェルトの色を、赤・黒・緑・青の中から選んで頂くことが可能です。

そんなこんなで、オーバーホールは完了致しまして、お客様にもお喜び頂けました。
修理を受け取られたお客様から、感謝のお言葉を頂いたり、また別のお客様をご紹介頂いたりと大変有難い連鎖により、当工房は支えられております。
またこれからも精進致します。

また、他にもご紹介したいアルトサックス修理のオーバーホールがあるのですが、それはまた後々に記事の内容をまとめたら、こちらでお知らせいたします。

また思い出されたら、こちらのブログにアクセスして下さい。

また、ご意見をこちらのコメントに頂くのは大いに結構で有難いのですが、質問について(修理依頼のご希望、価格などについて)は個別に対応したいので、当方にメールtomo09010667095@yahoo.co.jpか、お電話=018-839-4232でお問い合わせくださいますようお願いいたします。

ではまた(´Д`)o尸

B♭クラリネット中古リメイク品のご紹介

皆様、新年明けましておめでとうございます♪(o´∀`b)b♪

当工房におきましても、開業から3度目の正月を迎えております。
皆様の支えにより、こうして仕事を続けられております。本年も、どうぞよろしくお願い致しますm(_ _)m

さて、今回のブログは修理品ではなく、中古楽器のご紹介です。
当工房では、中古の販売・買取もしておりますが、特に中古を販売する際には、
そのままで販売するということは、ほぼありません。

よくある中古の楽器に対しての不安というものは、
・買ったのにすぐ壊れたらヤだな
・買ったものが本当にいいものだったかどうか、買った自分に自信が持てない
・何か不具合が出ても、修理などの面倒を見てもらえないのでないか

などなど、様々なことが考えられます。
安く買うということに、どうしてもリスクを感じてしまうのは楽器というものの特殊性も、
関係しているものと思われます。

なので、当工房では、中古で仕入れた楽器に、必ず即戦力として使えるようにオーバーホールを施し、
物によっては新品では絶対手に入らない、特別なチューンをして、新品を超えるクオリティの物に作り替える、
ということをやったりしています。
また、中古では珍しい、保証もついております。
これを当工房では、中古リメイク品と名付けております。(英語としては間違っているかもしれませんが、カタカナなんで再生して作った、と理解してください)

今回紹介するB♭クラリネットは、まさにそうした特別チューンを施した1品です。
新品では、この仕様のこの機種は手に入りませんので、良い物を安く買いたい、他で手に入らないものが欲しい、
とお考えの方には、大変お買い得です。この記事を読んでご興味をお持ちになられた方は、
当方までお問い合わせください。

機種はヤマハカスタム AEというもので、ヤマハがカスタムクラリネットを4機種作った時代に、その中の最高機種として存在していたモデルです。
今はそのモデルはラインから無くなってしまいましたが、重厚な吹奏感と響きは、他の機種と大きく違う魅力を持っています。
では作っていく工程をご紹介いたします。


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まず本体をキイ、キイポスト、またリングも外して音孔、管体などを綺麗に洗浄します。
洗浄したら、管体から失われた油分を補給し、塗装も補修します。
ちなみに、今回紹介しているヤマハの管体のほかに、クランポンのR13の管体も写っておりますが、こちらは早々に予約が入ってもう売れております。


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作業中の写真を撮っておらず、だいぶ途中経過をはしょってしまいましたが、もうメッキから戻ってきて、
キイの仮組みをしております。
今回のキイとキイポスト、リングは、全てピンクゴールドで仕上げております。


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もう完成してしまいました(;´・ω・) 近くで写すとこんな感じです。
とても新品感が出ていて、中古の楽器だとは思えません。


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タンポは最初からレザーパッドを採用しております。
タンポの音孔への食いつきも良く、またスキンタンポに比べて、大幅に寿命が長いのも長所の一つです。


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全体の写真はこんな感じです。写真よりは実物の方が綺麗です。
ご来店可能な方は、ぜひ実物を見て頂きたいです。


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また、この楽器には新品のケースカバーもお付けいたします。
手にした時から、気持ちよくご使用いただけます。

このクラリネットの気になる価格ですが、¥298,800(税抜)です。
フルピンクの新品、しかもレザーパッドの物は、(というより手に入るものは)なかなかないと思います。
この楽器には、中古の1年保証もついておりますので、調整に関しては当工房までお持ちいただければ、
ご安心してご利用いただけます。
このフルピンククラリネット、ある意味中古だからこそ作ることができた1本だと思います。
そんなことで、皆様からのお問い合わせ、お待ちしております。

ではまた(^^)/~~~

トロンボーンスライドレシーバー再生

いつもご覧いただいている方々、毎度ありがとうございます。
また、初めてご覧になった方々、ようこそいらっしゃいませ┏○ペコ

今回も、8月頃の仕事を今頃アップしております。小出し小出しでしか記事を作れず、このブログを楽しみにしていらっしゃる方(がいればの話ですが)には、ご迷惑をおかけしておりますm(_ _)m

ところで、今回のお仕事は、初めての海外からの依頼でした。依頼主の方はトルコ在住の日本人プレイヤーさんで、トルコのコジャエリ(イスタンブールのほど近く)大学でトロンボーン講師をされている、プロプレイヤーです。
この度、当方のHP・ブログをご覧になり、ここなら自分の楽器を治せるかも?とお感じになられ、数ある工房から、当方にご依頼をいただきました。まことに有難いことです。

なかなかの大仕事でしたが、楽しい仕事でもありました。まずはビフォーの写真からご覧ください。
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手が触れる部分は面荒れが発生していて、かなりボロボロになってきています。
送られてきた楽器の写真を見て、部品交換を提案したのですが、この楽器の音が気に入っているので、同じ素材を使って作り直してほしいという依頼を受けました。
というわけで、この状態から再生する方法をとることにしました。
がんばるぞィョッシャ━( p`д´)q━!!


まずはパーツごとにバラバラにしていきます。後で組み直しをするため、きれいに分解をしていくのに神経を使います。
ラッカーコゲもほとんどなく、うまいこといきました。
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分解したらラッカーの剥離をして、面の再生をしていきます。削りすぎずに全体を慣らしていくのが修正のキモです。
薄くなった分は、後程厚メッキをかけて厚みを稼いでいきます。
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写真の右のパーツが仕上げ磨き前、左が仕上げ磨き後です。光り方の違いが伝わりますか?
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全体が磨きあがった、メッキの前の姿です。
ここまでしておけば、メッキ後もきれいに仕上がります。
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メッキが上がって来たら、楽器をハンダ付けして組み直しをします。
これもなかなか綺麗に仕上げるのが難しいんです。
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ボロボロに溶けていたパーツが綺麗に再生されました。
今回の修理では、再生面の持ちを良くするために、メッキの厚みを通常の2倍しています。これにより削った分の厚みもメッキで稼げています。
こうした厚メッキの仕様は、木管のキイなどでも採用することが可能です。

ご依頼主の方が、お盆の帰省に合わせて帰国した際に、完成した楽器の引き取りに、わざわざ秋田までご来店下さいました。
仕上がりをとても喜んで頂き、こちらもとても嬉しかったことをよく覚えております。

今回の仕事を通して、こうしたプレイヤーさんとも繋がることができたということが、とても大きな出来事でした。
またのご来店を、心よりお待ちしております。

また、この記事を見てご興味を持たれた方は、是非当方までお問い合わせくださいm(_ _)m

こんなこともしてました。 ~小ネタ集~

今回は、あまり大きなテーマではなく、”やってみた”的な感じで、お送りします。
通常だとあきらめてしまいがちな修理の内容ですが、そこをあきらめずにやってみるとどうにかなる。
そんな内容です。

まず1発目は古いバスクラ(クランポンR26)の上管G♯キイですが、レバーの羽が折れて、しかもパーツ自体も紛失してしまっております。
当然メーカーでパーツ取り寄せなんてできるわけがないので、どうにか作るしかありません。


折れていた部分の根っこのところを整形し直して、洋白板(キイの材質として使われている金属の板。入手困難(。-`ω´-))を溶接します。
これが、なかなか角度とか難しいもんなんです。
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それをヤスリなんかで整形していって、キイの形を作ります。元の形を想像しながら作るので、設計図なんてありません。
形ができたら、磨いて仕上げます。
写真は磨きあがりの姿で、これからメッキに出して組み込んだら完了です。
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続いてはビンテージのキングのトランペットです。依頼内容は3rdトリガーが無くなっているのでパーツをつけてほしいという依頼だったのですが、輸入元に問い合わせても、当然そんな古い時代のパーツなんてありませんというお返事。。。
まあ、想定の範囲です。トリガーとそれを固定するネジを自作するしかありません。

トリガーはヤ○ハのパーツを取り寄せて、この楽器の台に合うように、形状を作り変えます。これでトリガーが可動式になりました。
また、トリガー固定のネジは真鍮丸棒を削って製作します。ネジのピッチはアメリカのインチサイズの規格なので、ネジ切りの時の旋盤の歯車選択が難しかったなーという記憶があります。
もっと機械の使い方を慣れていかないといけませんな (。-`ω´-)ンー
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組んでみるとこんな感じです。思ったよりも普通な感じにできました。
あとは磨いて、メッキ屋さんにニッケルメッキをかけてもらい、完成です。
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ちょっとしたことですが、部品が供給できなくなると、修理が困難になることが多々あります。
でも当工房では、どうにもならないことは、どうにもできませんが、どうにかなることは、どうにかします。(どういうことだ( ゚Д゚)ゴルァ!!)
ぜひあきらめずにお問い合わせください。

サックスネック延長大作戦

またまた更新をサボっておりました。
気が付いたら、この作業をしていたのは8月なのに、アップしているのは10月、背中にストーブを背負いながらの書き込みという事態になっております・・・・・
ネタはあるんですが、、、、もう少し更新を頑張ります。゚(PД`q。)゚。

さて、今回はアルトサックスのネックの修正です。
ご依頼のお客様は、クランポンのS1を長年使われてきたのですが、どうしてもピッチが高くてコントロールしきれないので、ネックを1センチほど長くできないか(*゚Д゚) ?との依頼を頂きました。

ネックを長くするといっても、引っ張って伸ばすわけにもいかないので、継管を製作して、ハンダ付けして、延長する作戦をとりました。
その他に、キイの部分メッキとネックのゴールドプレートも一緒に依頼があったので、そちらも同時に作業を進めます。

まずは、ラッカーの剥離からスタートです。


そして、機械を使って、真鍮棒を正確に削っていきます。
特にネック先端に差し込む部分と、外径の部分で段差ができないように精度よく作ることが大事になってきます。
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こんな感じに仕上がりました。
差し込んでみたら、寸法通りピッタリです。これで部品はハンダ付けします。
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あとは、キイやネックを磨いてメッキに出荷です。
キイはこの時にキズや表面の荒れなどを修正します。
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そして、メッキが帰ってきました。
ネックもいい感じに部品と一体化しています。
あとはタンポ、キイコルクなどを取り付けていって、組み込み・調整をして完成です。
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highキイとOctキイのメッキ上がりの写真です。実物はもう少し色の違いが感じられます。
テッカテカの仕上がりです。
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右手キイ裏のキイガードです。
ちなみに、さっきのキイと、このキイガードは、ゴールドプレートの下地にニッケルメッキを仕込んで、耐久性を上げています。
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ネックの完成写真です。
キズも取れて新品同様になりました。
20140903_173140.jpg
20140903_173126.jpg

この修正で特に中音域でのピッチの安定感が増しました。マウスピースの入りしろも、いいところになりました。

こうした修正は、吹き手の方との入念な確認が必要となりますので、遠方の方でもご来店をお願いすることになります。
いわゆる改造の部類に入る修理なので、こうした類の修理・調整をご希望の方は、是非ご予約の上ご来店をお願い致します。

こんなこともやってます。 ~チューバ指掛け製作編~

結構以前の仕事ですが、こんな作業の依頼が入ったのでご紹介いたします。

ご依頼のお客様はベッソンのフロントピストンのチューバをお持ちだったのですが、
このチューバ、親指の指掛けがついておらず、右手の構えが安定せずに困っておられたそうです。
そのため、今回指掛けの作成依頼を頂きました。

さて、指掛けそのものは市販のパーツがあるので、こちらは手間いらずなのですが、肝心なのは指掛けを取り付ける台が市販されていないので(当然ですが)、ここは当方で製作となります。

真鍮の丸棒を削り出し、ネジを切って、取り付ける管に合わせて土台のRを作ります。
土台は真鍮板を切って作ります。
20140709_170623.jpg

んで、台と板をロウ付けして、磨いて、こんな感じになります。
ここでお客さんに台座取付位置を決定してもらい、台座はメッキに旅立ちます。
20140709_184147.jpg

メッキが戻ってきて、管の指定された場所にハンダ付けして完了です。
こんな仕上がりになりました。
20140723_140826.jpg

リングをつけるとこんな感じです。
20140723_141204.jpg

リングをつけてのアップです。
初めから指掛けが付いていた楽器だったかのような、普通の仕上がりになりました。
お客様にも大変ご満足いただけて、こちらとしても嬉しい限りです。ヾ(*´∀`*)ノ♪
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今回の仕事はいわゆる改造の部類にはいるものかと思いますが、こうした意味のある改造は歓迎しております。
(意味のない装飾などの取付はあまりお勧めしておりません。)
機能性の向上などでご相談がある場合は、是非ご来店下さい。
今回のように、なにかお役に立てることがあるかもしれません。

ではまた。(´Д`)o尸~

いよいよ大物 バスクラオーバーホール その3 完成編イェ──ヽ( ゚Д゚)人(゚Д゚ )ノ──ィ

いよいよバスクラオーバーホール完成です。
さすがにLowCバスクラは完成までだいぶ時間がかかりましたが、出来上がった時の達成感も、それはそれはひとしおでございます。

それでは、コメント少なめ、写真は多めで、参ります。
まずは、ネックとベルからです。
20140424_174028.jpg
20140424_174041.jpg

つづいて下管側です。
長いキイが多くて大変だったことをよく覚えています。
20140424_174537.jpg

下管の写真の黒いブロックは、長いキイのブレ止めです。
最新のLowCバスクラには標準で採用されていますが、この楽器の当時にはなかったものです。
今回のオーバーホールではついでに採用しております。これで操作感が大幅に向上しました。
そのために、もともとあったポストはぶった切って改造しております。
20140424_174710.jpg

指がよく触れるあたりです。
キイの加工でツルツルお肌を取り戻しました。
20140424_174549.jpg
20140424_174634.jpg
20140424_174639.jpg
20140424_174652_20140809061220457.jpg

次は上管です。
キイの山が無くなったところを作り直すのに苦労したことを覚えております。
20140424_174747.jpg

上管は管体を新品に交換しました。
こういうことができるのはヤマハの強みです。
20140424_174758.jpg
20140424_174814.jpg
20140424_174836.jpg

ついでなので、ボロボロだったケース取っ手も新品にリフレッシュです。
細かいことですが、使っていて気分が全然違います。
20140424_174925.jpg
20140424_174955.jpg

組みあがった全体の姿を撮ってみました。
こんな感じで、仕上がりのイメージが伝わりますでしょうか?
20140425_103932.jpg


今回の修理で、またこの先も、この団体様の伝統を支えることの、ほんの少しでもお役に立てたのなら、とても嬉しい限りですヾ(*´∀`*)ノ ♪
ご依頼ありがとうございます。

ところで、今年はこれとほぼ同様の内容のバスクラ修理がもう1本入り、そちらもすでに完成しております。
こうした大物修理を、当方のような工房に依頼を頂けることをとてもありがたく感じております。
今後も更なる技術の向上に、努めてまいります。

また新しい記事をまとめたら、このブログでご紹介いたします。
またぜひリペア日記にお付き合いください。
ではまた。サヨ~ナラ~(´Д`)o尸

いよいよ大物 バスクラオーバーホール その2

さてさて、前回からの続きです。
下の写真はキイポスト(キイを支えている柱)で、これも一個一個丁寧に磨きを入れていきます。
この手の部品、数えてみたら、90個近くありました。これだけでも1日仕事です。゚(。´ノω・`)゚。ウウゥゥ
一個でも部品が無くなると大変なことになるので、神経を使います。
20140328_104343.jpg

キイも数えたら50個近くありました。LowCの楽器になると部品点数が格段に増えていきます。
今回特に長いキイのロッド部分が苦労した感がありました。
磨きが終わって、出荷前のお姿です。まだメッキは終わってません。
過去記事で再三書いておりますが、メッキの前の下地作りが何より重要です。そのために膨大な時間を費やすため、メッキ修理は値段が張ってしまうのです。
メッキ修理を依頼される方には、是非ご理解を頂きたいところです。(;´・ω・)
20140411_144649.jpg

そんなこんなで、メッキが終わって部品が帰ってきました。
今回はポスト・リングがピンクゴールド、キイがシルバーで仕上げました。
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ネックはピンクゴールドです。ベルもきれいになりました。
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全体の写真です。バスクラの部品でないもの(フルートキイ)も写っています。
フルートのメッキ修理も並行してやっていたもんで。
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いよいよ組み上げに入ります。
今回上管は割れの状態がひどかったため、管体そのものを新品に交換しました。
ヤマハの場合は、あまりにも割れがひどくなってしまった場合は、パーツとして調達ができる上、最終の金額が修正よりも安くできたりするので、おすすめです。
20140419_102207.jpg

ポストを立ててバネを入れていきます。
このポストを立てる作業がなかなかのパズルです。
一応メッキ前にポストの順番を考えて鈴掛けするのですが、戻す時に(*´-ω・)ン?となるときもあります。
バネ穴の位置や、キイシャフトの方向、長さなどから、総合的に判断して、もとの位置に寸分違わず戻していきます。
20140421_164142.jpg

キイの借り組みをするところですが、メッキでキイシャフトが通る穴が狭くなっているため、リーマーという工具で穴を整え直していきます。
ブレが少なく、なおかつ軽快なアクションのためには、この作業が大事です。
でも、この工具が高いんだなー。゚(PД`q。)゚。
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だいぶ途中経過をはしょってしまいましたが、何はともあれ完成です。
20140424_174515.jpg
次回の記事で、細かくアップも多めで、完成写真をお披露目していきますので、また是非ともご覧ください。
では(´Д`)o尸

いよいよ大物 バスクラオーバーホール その1

なんだかんだで、長いことブログ更新をサボっておりました。
もちろん仕事をしていなかったわけではなく、ブログを作ることに時間を割くことが大変だったためです(;´・ω・)
そんなわけで、今回は約半年前にやった仕事をご紹介します。

このバスクラは、もうすっかりお得意様の某団体様の楽器ですが、今回でこの仕様の楽器を作るのは、E♭CL・AltoCLに続き、3本目です。
こちらの団体様は、当方が開業して間もなくから、こうしたお仕事をお任せいただいている、大変ありがたいお得意様です。
それだけに、期待を一歩超えるものを作りたいと気合が入ります。

では、今回も順を追って説明して参ります。少し長くなりますが、お付き合い下さい(d゚ω゚d)♪

まずは、初めの状態をご覧ください。
20140305_202318.jpg
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20140305_202142.jpg
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全体のメッキがはがれ、下地のくすみも多くなっています。キイもところどころ溶けたりしています。


続いてベルです。こちらもメッキの浮き、キズ、ヘコ、音孔の変形など、修正個所のオンパレードです。
20140305_202114.jpg
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まずはハンダ分解して、パーツごとに修正していきます。
20140307_085254.jpg
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表面が荒れているところは削って一定の平らな面に仕上げていきます。
この後の写真がないのですが、ツルツルにした後にハンダ接合しなおして、もとの形に組み直します。


ガサガサなキイの面も、
20140319_162905.jpg
20140319_163632.jpg
削って綺麗にしていきます。ここから磨きを入れていきます。


上記のような作業を繰り返していって、磨きが完了すると下の写真のように(写真はネック部分、一番最初の写真と同じもの)なります。
このネックはその後ピンクゴールドメッキにて仕上げをする予定です。
20140319_093647.jpg


この後は、キイ・ベル・ネック・ポストをメッキ屋さんへと旅立たせます。
次の記事ではメッキを終えて戻ってきた姿をお知らせ致します。
また次の記事も見て下さい。
では(´Д`)o尸

オーボエ復活大作戦 その3 完成編

完成編を作るまで、随分ブランクが開いてしまいました。
ようやく完成した姿を御覧頂けます。

復活具合がわかりやすいように、なるべくアップで写しました。
是非御覧下さい。
20140307_181522.jpg
20140307_181549.jpg
20140307_181510.jpg

下管のセクションです。
指が触れるところは、だいぶ溶けていました。形状の回復に苦労した部分です。
20140307_181606.jpg
20140307_181631.jpg
20140307_181729.jpg

大きいタンポはレザーパッドを採用しました。耐久性が大きく向上します。
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20140307_181805.jpg
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こうして全体を見ると、かなり形状が復帰したことが実感できます。
大きな部分より、小さくて細かなキイの形状の回復のほうが大変だったのを思い出します。
20140307_181930.jpg
20140307_182105.jpg
最後にケースに入れて、完了です。
このオーボエ修理では、約2ヶ月程なんだかんだでかかりました。
毎度この手のメッキ修理の時に書いていることですが、メッキをかけるのは、メッキ屋さんが頑張るので、当方では難しいことはありません。
大変なのは、メッキ前の形状の復帰です。そこが、こうした修理のやりがいでもあるところです。

これと同じような内容のバスクラ修理もありましたが、そちらもまた記事を作ります。

ではまた(^o^)/~~~

オーボエ復活大作戦 その2

メッキが完了して、キイとポストが戻ってきました。
今回の修理では、ポスト関係はピンクゴールドに、キイはシルバーの仕上げとなりました。
再生したキイも、最後にメッキがかかった状態になるまで、本当の意味での善し悪しは判断が難しいものです。
今回はうまくいきましたが、もしもうまくいっていない場合は、ここから不良部分の修正をして、もう一度メッキをします。
長年の勘というか、判断力が、下地の段階の面の仕上がりを見極める上で、大事になってきます。

20140222_132604.jpg

キイの大きな面の荒れが修正されて、新品のような感じになりました。
この辺は、特に難儀をした部分です。
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下管のリングキイが見えますが、ここも荒れが大きいところでした。今回の修正では、削って磨いてだけで、綺麗になりました。
症状によって、様々な修正をしていきます。
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いよいよポストを組んでいきます。この辺まで来ると、割と完成までは一気にいけたりします。
ポストを組んだら、針バネを入れていきます。
20140224_100937.jpg

このように仮組をして、キイの動きを確認していきます。この時に針バネの長さも合わせていきます。
20140224_130022.jpg

タンポを入れていく作業は、写真をとっていなかったのですが、地味な作業なので、まあいいでしょう。(・∀・)
次の記事で、完成の姿をアップ致します。
また良かったら、見て下さい。
それでは(^o^)/~~~

オーボエ復活大作戦 その1

約2ヶ月程更新を放置しておりました(;・д・)
様々なことをやってはいたのですが、記事をまとめることが出来ずにいて、ようやく作る事ができそうです。

その間、何をやっていたのかということなのですが、当方ではオーバーホール祭りのような状態でした。
そのうちの一つ、オーボエの再生の過程を、今回御紹介して参ります。

さて、このオーボエは、とある高校の所有の楽器なのですが、キイのサビが発生したりして長い間調整もできず、またキイの状態もかなり侵食が進んでいて、いわゆる寿命として楽器庫の奥で眠っておりました。

今回再生の依頼があって修理した訳ですが、まー大変でした(・・;)
状態をご覧ください。
20140107_102508.jpg
20140107_102633.jpg
20140107_102534.jpg
全体的に、キイの傷みが進んでおりますが、特に上の写真の上管3連リングキイが、なかなかの状態でした。

タンポを外して、下準備です。ネジはサビがひどかったので、全交換です。
20140107_102611.jpg


キイの荒れがひどかったところを、金属板と銀ロウを使って盛り、削って仕上げていきます。
左から順に仕上がり具合を並べてみました。こんな感じに仕上がっていくのがわかると思います。
20140206_174916.jpg

キイをアップしてみました。
初めの状態と比べると、元の形を取り戻したことがお分かりいただけるかと思います。
20140215_105523.jpg


色々ありましたが、取りあえずキイの再生は完了しました。
磨きを終えた姿です。
20140215_105343.jpg
20140215_105328.jpg

次回の記事で、メッキから戻った姿をご覧頂けるようにしようと考えております。
また次の記事も是非見て下さいまし。

それでは(^o^)/~~~

ここ最近の仕事あれこれ

ご覧頂いてる皆様、ご無沙汰でございますm(_ _)m

2月は殺人的なスケジュールをこなしながら、何とか乗り切りました。
前回の記事からどんなことをしていたのか、少しづつではありますが、ここにご紹介をしたいと思います。
もちろん仕事の全てではなく、ほんの一部ですが、当工房の日常が少し垣間見られるかと存じます。

まずは、全体としては数は多くない金管の修理から。
ベルから落としてねじれた状態のヘコ修正です。
大体同じ角度から写した、ビフォーアフターの写真があるのでご覧ください。

まずはビフォー↓
20140131_111948.jpg
20140131_112026.jpg


そしてアフターです↓
20140131_143005.jpg
20140131_143020.jpg
このくらいのレベルには、当工房で復活させることができます。
深い意味で、ラッカーの楽器よりシルバープレートの楽器の方が、修理は楽です。
取り掛かり始めれば、まずまず早く修理ができる部類のものです。


あ、修理とは関係ないですが、Bachの180MLラッカーの中古が入荷してきました。なかなか良い年代のもので、再生をかけてから販売をしようと企んでいます。↓
20140206_133546.jpg
20140206_133618.jpg
今現在は、ラッカーを剥離して、生地の状態になっています。ちょっと仕掛けをしてからメッキをかけようと考えております。さて、どうしてくれようか(・∀・)



さて、最近サックス好きのお客さんが、いろんなネックを持ち寄って、ネックの吹き比べをしました。当方も、ピンクゴールドのネックを提供しました。
左から、総銀材+サテンプラチナ、ピンクゴールド、ゴールド、アンラッカーの各種です。
これは貴重な経験でした。スゲー面白かったです♪d('∀'o)
20140208_130358.jpg
結果、こちらのお客様は、ご自分のSSAXネックをプラチナに、お仲間の方にはアルトの新品ネックを当方でプラチナに加工して販売するというご依頼を頂きました。

それで、メッキから帰ってきた姿がこちらです↓ネックじゃないものも写っていますが。
20140222_132723.jpg
これで組み直してネックコルクを貼って完成です。

ちなみに、フリューゲルのパーツもゴールドプレートの依頼を受けていたので、こちらも一緒に帰ってきました。
テカテカしていてΣd(゚∀゚d)イカス!な感じです。
20140222_132744.jpg


最後は総銀のフルートを再生して、新品同様にして販売致しました。
キイ・管体は全て磨き直し、ワンポイントでヘッドクラウン・反射板をピンクゴールドにして仕上げました。ネックのメッキ戻りの写真で、ネックじゃないものが写っていたのは、これです。
もちろん、タンポも全て交換しております。
20140223_095953.jpg
20140223_100004.jpg
お客様には、大変ご満足頂けたようです。こちらとしてもうれしい限りですv(o´∀`o)v


写真には写っていないですが、この他にホルンのマウスピースのサテンピンクやミラーピンクのメッキ依頼や、オーボエオーバーホールのキイ・キイポストもあります。

オーボエオーバーホールについては、また別の機会にご紹介を致しますので、もしこのブログの更新を楽しみにしているという方が、、、、もしも、そんな有難い方がいらっしゃるならば、完成の暁にはまた記事をまとめて、発表致します。

3月もまたメッキその他の修理が盛りだくさんなので、とにかく健康に気を付けて年度末を走り切りたいと考えております。

依頼をくださったたくさんのお客様、ありがとうございます。
そしてこの記事を見て当方に興味を持っていただけた、未来のお客様、ぜひご一報頂いた上で、ご依頼・ご来店お待ちしております。

では(^^)/~~~

クラリネットオーバーホール ~魅惑のピンクゴールド編~ その3・完成編

ご覧いただいている皆様、サボりにサボったブログは、早期の更新を重ねて、ようやく完成編を載せることができました。
ワチョ――ヽ(・∀・)ノ――イ♪
クラリネットオーバーホール ~魅惑のピンクゴールド編~ その1からご覧いただいている皆様は今一度お付き合いください。
初めてご覧いただく方は是非その1から、また、過去の記事も合わせてご覧ください。


そんなこんなで、全て組みあがりました。写真も多めにピンク・ピンク・ピンクでお送りして参ります。

約20年の時を経て、生まれ変わった姿を是非ご覧ください(d゚ω゚d)
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20140120_222022.jpg
全てケータイカメラで撮っています。できるだけズームしていますが、面の復活具合が伝わりますでしょうか?
実物は写真よりも綺麗です。

20140120_222132.jpg
レザーパッドにした、キイの組みあがり部分も写してみました。
レザーパッドは音孔へのなじみもいいので、タッチがものすごく明瞭になります。やや落ち着いたトーンと重厚な響きがとてもイイ!!♪d('∀'o)です。

続いて、今回1番苦労した、右手3連リング回りです。元の状態と比べて頂くと良く解るのですが、
20140120_222247.jpg
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比べてみると、山の形やリングの形状など、失われていた形状が復活しているのがお分かり頂けるのでないかと思います。オーバーホールをする際は、こうしたメリハリが効いた状態になっているかどうかが、とても大きく全体の印象に係わってきます。
リング部分を、横からも写してみました。↓
20140120_222302.jpg

拇指音孔(リングの中の土管みたいな筒)とその周りです。
ここもよくダメになってしまうパーツです。ここなどは、キイが溶けてしまう前に、早めにゴールドプレートなどを施してしまっても良いのでないかと思われる部分です。
今回は土管は新品に交換、リングは形状を復活させました。
20140120_222056.jpg

A-G#クロスキイのあたりも、指の接触が多いので、よく面が荒れてしまいます。
全体を整えて、ゆでタマゴのような面を作ります。
20140120_222346.jpg

全体の写真をご覧ください。とても新品感がでています。
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ケースに収めて、施主様へお返しする前の、最後の写真です。
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これからまた新たな楽器生活を施主様と過ごしていくことでしょう。こうした仕事をさせてもらう機会を頂いたことを、深く深く感謝いたします。m(_ _)m

ご覧いただき、ありがとうございました。
では(^^)/~~~

クラリネットオーバーホール ~魅惑のピンクゴールド編~ その2

さてさて、早くも前回の続きです。
今回は写真が多いので、解説は少なめです?(・ω・)

前回の写真から、かなりいろいろなことをして、キイを加工していくのですが、下の写真はキイの加工を終えてメッキに旅立つ前の写真です。

このブログの中でも何度となく言っていることですが、金属のメッキというものは、下地の状態が良くなければ、綺麗な状態には成りえません。つまり、メッキをかけただけで、無条件に金属の表面はツルンと綺麗な状態には、決してならないということです。
そのために膨大な時間と手間をかけて、溶けたり減ったりした金属を加工・修正・時には溶接などもして、あるべき形状と面を作っていきます。
それなので、磨きが完了した時点で、写真を見ると「メッキかかっているんじゃないか?」と思われるくらいの仕上がりになっているはずです。
実は、メッキは下地の状態をモロに浮き立たせてしまいます。
この時点で一番難しいのは、磨きが終わった面を見て、メッキ後の仕上がりと自分の考えていた仕上がりが一致するかどうかというところなように感じます。
20140111_152854.jpg

一番苦労した右手三連リングセクションです。
ここはリングも溶けていて、なおかつキイの山の形状も金属が溶けて失われていたところです。
形状を復活させて、ツルピカに磨き上げました。
20140111_152926.jpg
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キイのカップなどは、下地からのメッキ浮きが発生していると、ブツブツの面になってしまいます。磨きによって面のタレが発生しないように、仕上げていきます。
そのほか、レバーの指の接触面、長いキイの側面なども、ツルピカに仕上げていきます。


そして、メッキが工場から帰ってきました。ピンクゴールドという金に銅の成分が混じった仕様(実際はもっといろいろあるようですが)の仕上げです。
今回は金メッキとしては極厚の8μ(下地メッキを含んだら10μ以上!)の仕上げとなっています。
これだけかかったら、キイというものも楽器の振動体の一部(というより大部分)なので、それはそれはサウンドに大きく変化をもたらします。
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いよいよ組み上げです。ここまでで正常な状態であれば、組んだりタンポの調整をしたりということには、さほど苦労はしません。
実は、楽器を分解する時点で、およそ調整の必要な部分は調整をしてバラしているのです。
なんだか意味の伝わりにくい文章だなと、自分で書いてて感じたりします(。-`ω´-)
20140118_141430.jpg

オーダーがあったレザーパッドを取り付けていきます。
20140120_195204.jpg

キイを組む時は一個一個のキイをこのように拭き上げながら組み立てます。指紋を残すと後々の変色の原因になるので、こうしたところも、気を付けながら組んでいきます。
20140120_200848.jpg



こうしたキイのメッキは一部分だけでも施工することができます。全体には綺麗だけど、一部分だけメッキが弱ってきたところを修正したいといった要望にもお答えしますので、お気軽にご連絡ください。

次回の記事で、組んだ全体像をお見せすることができるかと思います。
では、クラリネットピンクゴールド完成編、ご期待ください。

それでは(^^)/~~~

クラリネットオーバーホール ~魅惑のピンクゴールド編~ その1

気が付いたら一か月も更新をサボっておりました。(;´・ω・)
1月中仕事が無かったわけではなく、忙しさを理由にし、また、夜も飲んだくれていたことが、主な原因です。
そこで、今回は1月の修理の代表ともいえるクラリネットオーバーホールをご紹介いたします。
是非ともご覧いただいて、共感頂けた方は、拍手なんぞをポチっとして頂ければ、ありがたいです。

今回掲載許可を頂いた、このクラリネットは、中学校の教員をされている方の所有の楽器ですが、この方が中学生当時のときに買ってもらった、大変思い入れのある楽器だそうです。
長年使ってきたことと、顧問になった吹奏楽部で、楽器が足りない時に生徒に貸し出している際に、キイなどの劣化が進んでしまったそうです。
これまであまりこの楽器に手をかけてあげられなかったという、依頼者様の思いもあって、今回思い切って大変身を行い、この楽器との新たな演奏生活を始めるお手伝いを、当工房がさせて頂くこととなりました。
決して有名ではない当方を信じて、楽器をお預けいただけたこと、ホントに有難い話です。

まずは、最初の楽器の状態をご覧ください↓
20131222_144913.jpg
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20131222_144954.jpg
20131222_145047.jpg

リングキイ部分は特に痛みが大きいです。
山の形も溶けてなくなってしまっています↓
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20131222_145245.jpg
また、写真にはありませんが、管体内面にも大きなひび割れが発生しています。
こちらも綺麗に修正していきます。


まずはサクサク分解していきます。
この時点で針バネもバチバチ切っていきます。ホコリなども後程洗浄していきます。
20131222_151940.jpg

タンポを外しました。今回の修理では、以前の記事で紹介した、皮(レザー)パッドを採用いたします。
20131222_162713.jpg

管体が綺麗になりました。音孔周りなどは、かなり汚れが多いのですが、洗い流されて綺麗サッパリです。
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綺麗になったら、オイルをつけて保湿ケアです(´ー`)
この状態で乾燥まで数日置いておきます。
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作業は飛びますが、まだらになったキイのメッキ残り部分を剥離して、生地の状態にします。
20140108_172416.jpg
ここから本格的な加工に入りますが、その様子はまた次回。
あまり間を開けずに更新いたしますので、また是非ご覧ください。

それでは(^^)/~~~
プロフィール

klangbrass

Author:klangbrass
管楽器専門店・修理工房Klangへようこそ!
当方は秋田県秋田市で管楽器修理工房をしております。
難しいと思われていたキイの再生などが得意です。
金管・木管問わず修理を受け付けていますのでご連絡ください。
打楽器修理(ティンパニ修理等)も致しております。

HPアドレスhttps://www.klangbrass.net
下記のリンクの欄からご覧ください。
工房の場所や情報、また中古楽器情報も掲載しています。

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